金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

『となりの猫又ジュリ』 重版出来!

  1. 2018/05/13(日) 15:00:19_
  2. 金亀からのお知らせ
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『となりの猫又ジュリ』 国土社  重版出来です!

       無題
 絵とタイトル文字は、ともにはしもとえつよさん。もんのすごく魅力的でしょ
 
 第47回長崎県読書感想文課題図書に選定していただきました。 
 さらに、「灯台」6月号に、漆原智良先生が紹介してくださいました。

       ジュリ2
 
 ありがとうございます! 
 暖かなコメントに、思わずウルウル・・・。

物語のなかに、飼い主にかまってもらえず、
恨みをためたまま死んでいく犬が出てきます。
このコは、わたしが小学生のころ、近所の家にいた犬がモデルになっています。
あるかなしかの小さな庭、というか、家と塀とのすきまにぼろぼろの犬小屋があり、
短すぎるひもにつながれ、いつもうずくまっていた、やせて汚れた犬。
どう見ても、放っておかれている犬でした。
動物好きの母はよく、「ポッキ!」と声をかけてやっていました。
「ポッキ」という文字が犬小屋の破れ壁にペンキで書いてあったのです。
お菓子の「ポッキー」が発売されてしばらくたったころでした。
「ポッキ」は、呼ばれるとのそのそ顔をあげ、
だるそうにしっぽを揺らしました。
母が持ってきたパンなどを投げてやると、
特別ガツガツするふうでもなく、パクリと飲み込んでいました。
たいしておなかがすいていないのかと思いましたが、
でもたしかに「ポッキ」はガリガリで、おなかの皮膚がだらんと垂れさがっていました。
「かまってもらってないから、まるで元気がないんだよ。かわいそうにねえ。
散歩もぜんぜんさせてもらっていないんじゃないかな」と
母はためいきをつきました。
しばらくして「ポッキ」の姿は見えなくなりました。
死んだのでしょう。
その魂がいつまでもあの汚い犬小屋に
うずくまっているような気がして、わたしはそこを通るのが怖くなりました。

そんなことから、この物語の登場キャラクターとなりました。
あのときは、なにもしてやれなくてごめんね、「ポッキ」。
君の魂が、これで少しは救われた、と思いたいなあ。



テレビが町にやってきた

  1. 2018/05/06(日) 16:23:46_
  2. 金亀のひとりごと
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先週、『出張! なんでも鑑定団』の収録が、わが町の市民ホールで行われた。
ここは東京通勤圏ではあるが、けっこう田舎、しかも住民はかなり地味め。
お宝を持っている人なんているかしら。
観覧券求めて、往復はがきを三通出したら、一通が当たった。
勇んで会場へ。

   鑑定団

ACさんの手引きで拍手や歓声の練習をして(手のひらが真っ赤で、ヒリヒリに!)、
いよいよ収録。
そこそこのお宝が登場し、まずはほっとした。OOOの直筆の書、とかね。
収録時間は110分くらいかな。
一時間番組とはいっても、実際はCMなどがあるから、45分くらいなもの、
だから実際の放映の2倍以上の長さを収録し、
あちこち切り貼りして編集し、規定に時間に収めるわけだ。
この収録時間、長いのか短いのかよくよわからないが、
公開録画の場合、こんなものなのかな?
もちろん映画などよりも格段に短いわけだが。

物語の創作はどうだろう。
「もっと刈り込んでください」と、
以前に編集者さんから言われたことがあったな。
推敲して、無駄な語句を消せ、ということらしい。
刈り込む、という表現がオモシロく、なるほど、と思った。
で、全身を目にして脳にしてじっくり読み直すと、
うん、ちゃーんとよけいな枝葉が見えてくる。
ここだ!と「刈り込む」と、すかっと清々しく、中身がクリアに見えてくる。

たらたらした文章だと「つまんねえの」とすぐに本を閉じちゃう
正直なお子ちゃまたちとの真剣勝負なのだから、
キレのいいハサミで刈り込まなくちゃね。

といっても、俳句には負けますね。
17音で創り出す世界、一字たりとも無駄にはできぬ。
「プレバト」はほんまに勉強になるなあ。

さて、「鑑定団」の放映は、二か月以上先。
どこがどうカットされたのか確認するという、楽しみが加わる。
自分が映っているかも、探さなくちゃならないし~!

スズラン

家の前では鈴蘭が満開。ご近所さんが丹精してくださっているもよう。
これは刈り込む必要ナシ!



がんばって、農家さん!

  1. 2018/04/29(日) 18:18:02_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
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田植えの季節がやってくる.。

わたしは、とにかく飯っ食い。
ご飯が大好きで、朝晩は必ずご飯。
昼はお餅や米粉の麺であるフォー、オヤツに餅菓子やおせんべいという日も多い。
米尽くしだ。
パンやお蕎麦以外の麺類はできるだけ食べないようにしている。
というのは、小麦粉に軽いアレルギーがあるからね。
米が大好きでよかったあ!

心配はある。お米が不作だったり外国産に押されたり、
米政策がややこしくなって米農家さんが離農しちゃったりすることだ。

農家さん、がんばってください! おいしいお米を作ってください!
わたし、死ぬまで毎日ご飯を食べますからっ!

で、こんな本のご紹介。これを読んで、
農業ラブの子どもたちが、増えてくれたらいいな。
お米やおいしい野菜をたくさん食べてほしいなあ。
そして、日本の食料自給率が上がったらいいなあ。

『えっちゃん ええやん』北川チハル 著 国松エリカ 絵 文研出版

     えっちゃん

 「四月 ええやん しあわせや」で始まる文章の、リズムのいいこと!
 元気いっぱい、「ええやんええやん」と、
一年生ライフを楽しむえっちゃんと、内気なこじろうくん。
そのこじろうくんは、自分だけのマイ田んぼをもっていて・・・。
田んぼには、友情も実るんやね! 
作者のチハルちゃんは、お米作りや野菜作りをしている作家さんです。
 
『あぐり☆サイエンスクラブ 春』 
『あぐり☆サイエンスクラブ 夏』
『あぐり☆サイエンスクラブ 秋と冬 その先に』
堀米薫 著 黒須高嶺 絵 新日本出版社

  あぐり 春

                      あぐり夏
                                        あぐり
                                  
 「サイエンスクラブ」の募集チラシに誘われ参加してみたら、まさかの農業体験!
びっくりどっきりへっぴり腰の子どもたち、
でも農業やおいしいご飯の魅力にどんどんとりつかれていき・・・。
 お米の匂い、青田風、稲の子であるイナゴ、田んぼのなかの青空・・・
五感をフル回転させてくれます。そう、農業は愛ある科学なんですね! 
作者の堀米さんは、がっつり大規模な農家さん。いったい、いつ作品書いているんだあ~~~?

『わたしたちのたねまき たねをめぐる いのちたちのおなはし』
キャスリン・0・ガルブレイス 作  ウエンディ・アンダスン・ハルパリン 絵 のら書店

             tane.png

 この地球という庭に、風が、太陽が、川が、鳥が動物が、そして人間が、
あらゆる植物の種をまき、育ち、緑の地球を創っていく――。
うっとりするような、美しい絵本。
セコセコした暮らしに疲れてしまった大人にもいいかも。
訳は、梨木果歩さん。

『GREEN ~農家のヨメになりたい~』①~④ 二ノ宮知子 作・絵 講談社

             グリーン

 ワコが一目惚れした相手は、農家の青年で王子様然としたマコト。
恋をかなえるべく、農業修行にがんばるワコだが、
しだいに農業そのものにどっぷりはまっていき――。
 ラブコメですが、農村の魅力がたっぷり。埼玉は秩父が舞台です。 


『クレオパトラ』新刊です!

  1. 2018/04/22(日) 16:16:18_
  2. 金亀からのお知らせ
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学研プラスから、『クレオパトラ』が発売になります! 絵は佐々木メエさん。

        表紙_ 帯付き


「やさしく読めるビジュアル伝記」シリーズのなかの一巻で、
低学年からOKです。
鮮やかなオールカラーできらっきら。
いつの時代も、女の子は女王さま、王女さまが大好きだよねー。

クレオパトラという女性、いまだ謎が多く、お墓も見つかっていません。
けれども、世界トップクラスの美女としてめっちゃメジャー。
その美貌で、カエサルとアントニスウという、
二人のローマの英雄をとりこにした、と知られています。
けれども、最近の研究では、それほど美女ではなかった?

物語を書くにあたって資料をあれこれ開いてみると、
むしろエジプト女王としての政治的手腕と、頭のよさ、
話し方や声の美しさ、ユーモアのセンスなどの人間的魅力で、
カエサルとアントニウスを味方につけたようです。

腑に落ちました! わたしは長年、容姿なんかを武器に、
英雄といわれるオトコをほいほい味方につけられるのかな?と
疑問に思っていたのよね。
(ハイ、わたし女子力弱いもんで、色仕掛けとかって想像つかないんですわ)

それなのに、なんで、色仕掛けみたいな説が、長年伝えられてきたのでしょうか?

つまりこれ、クレオパトラの政治的手腕に対しての、
ローマ側のオトコたちの嫉妬なんじゃないかな。
当時のローマというのは、政治経済、文化芸術に至るまで、
完全にオトコ社会。
かたや、クレオパトラの王宮があったアレクサンドリアは、
女性が現代欧米と遜色ないほど(現代日本と、と書けないのは寂しいねー)、
女性が活躍していた街だったそうです。
クレオパトラは、女王というより「王」として、
何千年と続いたエジプト王国を、貪欲な大国であるローマから守るために、
獅子奮迅の働きをしていたわけです。

オンナごときに卓越した政治力を見せつけられるのは、
ローマのオトコたちには我慢のならないこと、というより、
理解できないことだったのかも。犬がしゃべるような衝撃だったのかもね。
そこで、クレオパトラを絶世の美女に仕立て上げ、
「英雄、色を好む」の例えどおり、
色香に負けた、ということにしかたったのではないかな。

・・・そんなことをちらちら感じながら、楽しく書かせていただきました!

素敵な女性の画家さん、優秀な女性編集者さんの三女子による、
世界有数のイケてる女性の伝記物語です。


晴れの日は、やっぱりにぎやかがいい

  1. 2018/04/15(日) 15:10:38_
  2. 金亀のひとりごと
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初孫の‘えむちゃん’のお宮参りがありました。
お宮参りって、実は初めて。自分の息子たちのときは、
親戚が遠かったこともあり、スルーしちゃったの。
パパ方のおばーちゃん(つまりわたし)が、赤ちゃんを抱っこしてお参りするとか、
「紐銭」というものをくくりつけるとか、知らないことだらけ。
紐銭は、一生お金に困らないように、との願いが込められているそうで。
おもちゃなども下げていいらしい。

紐銭

親戚10人が、えむちゃんの健やかで幸せな人生を願って
神社に集まりました。

参拝


鳥居の前で、全員で記念写真を撮ろうとしたら、
駐車場のあたりにいた女の人がわざわざ走ってきて、
「写真撮りましょうか?」
ええ、ご厚意に甘えました。
本殿に参拝し、もう一回全員で写真を撮ろうとしたら、
さきほどの女性が、またまたかけつけて、撮ってくださったの!
ありがたいですね~。

えむちゃんは、こんなふうに、だれからも愛され親切にしてもらえる子に育つことでしょう。
そして、見ず知らずの人のためにも、ささっと動ける人になってくれることでしょう。
きっと、ここの神さまが、そうはからってくれるよ。

       20180415150212254.jpg

神社といえば、自分の七五三のことをよく覚えている。
慣れない草履で、30分以上かかる遠い神社まで歩き、
(もちろん自家用車などなく、タクシーに乗るなんて贅沢は考えられなかった)
ようやくたどり着いたら、ふつうにお賽銭入れて、パンパンして、
また30分以上歩いて家に帰ってきた。それだけだった。ヘトヘトになった。
「シチゴサン」て、もっと特別なイベントかと思ったのに。
朝からあんなに大騒ぎして、
美容院でヘアセットとメイクと着付けをしてもらったのに・・・。

それ以上にもの悲しかったのは、
母と二人きりだったこと。
なぜか父も姉もいなかった。
予定の日に熱を出して、一週間遅れでやったせいかな?

うちは核家族で、親戚はみな遠い。
そのうえ、わたしは祖父母を知らない。
全員、あの世にいってしまっていた。
でも、それについては、なんとも思っていなかった。
よその子が「おじいちゃんちに遊びに行ってきたよ」なんてしゃべるのを、
「うちはおじいちゃんがいなくてよかった~」と思っていたくらい。
というのは、わたしはものすごく人見知りで、
家族でもよその人でもない、ビミョーな立場の大人に、
どうふるまったらいいのか、想像するだけで不安だったのだ。
そんな超ネガティブな子だった。
(しかし、親戚が近くにいたら、人見知り度が減っていたかもしれないなあ)

でも、この七五三のときばかりは、寂しかった。
「大きくなったね」
「着物、良く似合うね、かわいいね」
とほめてくれる人がいない。
「草履、いたいよー」と泣きべそかいたとき
「よしよし、もうちょっとよ」と足をさすってくれたり
「おんぶしてやろうか」と甘やかしてくれる人がいない。
11月下旬の神社は、ひと気がなく枯れ葉が舞っていた。
着物の襟元が寒かった。

えむちゃんのために、新しい命のために、親戚が集まる。
それだけで、なんて美しい一日でしたでしょう。
えむちゃん。大きくなったら、この日の写真を見てね。
パパママ、ひいばあば、じいじ、ばあば、おじちゃんおばちゃん、
みんな、あなたのことが大好きだよ。
どんなときでも、親衛隊だよ。



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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)『となりの猫又ジュリ』(国土社)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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