金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

2万年前の芸術

  1. 2017/02/12(日) 16:04:03_
  2. 金亀のひとりごと
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大好きな国立科学博物館へ、一人遠足。
「ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」、
あの有名な2万年前の壁画を見にいった。

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限りなく本物に近づけたレプリカを、
洞窟内の暗さを再現した空間に展示してある。
もちろん、実物大。
現在ラスコー洞窟は壁画の保全のため、研究者さえ立ち入り禁止だとか。
レプリカであっても、貴重な機会だ。

おお、これは迫力! 思っていたよりもずっと大きい。動物の姿が美しい!

壁画レプリカは、撮影可でした。
褐色のバイソン
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黒い牝ウシ
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泳ぐシカ
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壁画最大の謎といわれる、トリの頭をした人間と、
ヤリで突かれたバイソン。この絵だけ、なぜか落書き風。
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わたし、恥ずかしながらカンチガイしていました。
居住していた洞窟の壁に描かれた絵だと思っていた。

洞窟は居住用ではなく、絵を描き残すための特別な空間だったらしい。
真っ暗の洞窟内にランプを持ち込み、少なくとも二人一組で、
時にははしごに登って描いたそうだ。
その姿と情熱は、イタリア各地の大聖堂の大壁画や天井画を描く
ルネサンス期の画家さんを彷彿とさせる(見たことないけどね)。
これは、紛れもない芸術だ。

壁画の目的は、はっきりとわかっていないが、
シャーマンのような役割の人が描いていたらしい。
やはり、豊穣祈願の祭祀用なのかな。

壁画を発見したのは、この洞窟の近所の子どもたち(1940年)。
遊んでいるうちに細長い洞窟を見つけ、入ってみたら・・・「すげ~~!」
「どうする? とうちゃんに話してみる?」
「やめとこうぜ。洞窟なんて危ないところに入ったのか!とチョー怒られそう」
「でもさー、すごい発見かもしんないよ。
あの動物の絵・・・なんかゾクっときたね、オレ」
な~んて会話があったかもしれないね。
少年たち、ちゃんと大人に告げたんだ。うんうん、えらいよ!
 
2万年前の芸術家たちの情熱と、
1940年の少年たちの、驚きにきらきら輝く瞳が重なった。

会場入ってすぐには、クロマニョン人の母子が出張していました。
おかあさん、おっしゃれー。今に通用するファッションです。

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冬の亀とアロエとセロリ

  1. 2017/02/05(日) 15:45:50_
  2. 金亀のひとりごと
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節分を過ぎ、ちょっと日が長くなってきました。
うちの亀たちは、冬眠させていないので、
水槽のなかで、じ~っと春を待っています。
日が長くなると、寒くてもゴトゴト動きまわるようになります。
気温よりも日照時間により体内時計が働くのかもしれません。

せまい水槽にあきあきするようで、
こんなカッコしたり。

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立ったままのミニラくん。

ベランダには、一月初めにアロエの花が咲き、
もう一か月以上、鮮やかな朱色を保っています。
息が長いのねー。

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一つ一つの小さな花が、百合のように口を開いていきます。

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元は、伊豆半島を訪れたときに、お土産屋さんで
紙コップで売られていた一片のアロエの葉っぱでした。
生命力強し! ほったらかしなのに、大きくなってくれました。

冬の楽しみのひとつが、セロリ。
セロリは夏のイメージですが、実は冬が旬でおいしいんです。
繊維がやわらかく、ショリショリ具合が絶妙。
牛肉と炒めたり、スープの具になったり、もちろんサラダにも。

友人の水月さえちゃんが、
エッセイ・ブログ「はりねずみが眠るとき」で紹介している
「千切りのセロリとささみの和え物」もすごくおいしそう。
でも、自分で作ると、セロリの千切りが雑すぎて(チョー不器用なうえ、根性ナシ)
歯ざわりがイマイチ。

そこで、どっさり作ったのが、セロリだけの和え物。
ななめ薄切りにしてさっとゆがいたセロリに
ニンニクのみじん切りをちょこっとだけ加え、
味付けは塩と酢だけ。
最後にお玉で熱したごま油をジュジューッとかけて混ぜます。

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旨し。セロリとゴマ油って、なんでこんなに合うんだろ。
冬の間に滞った良くないものが、浄化される感じです。

亀に笑って、アロエを愛でて、セロリをどっさり食べて、
冬を楽んでいます。
今年はまだ、まとまった雪がふらないのが残念。
フレー!ふれー、ゆーき!


おーりとーり(いらっしゃい)八重山

  1. 2017/01/22(日) 15:00:42_
  2. 金亀のひとりごと
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八重山諸島に旅してきました。といっても、三日間のツアーです。
訪れた島は、石垣島、竹富島、西表島、由布島の四島。
見どころは多く、日本有数の珊瑚礁や、亜熱帯の植物や、
日本で7番目に大きい鍾乳洞など、どこも一見の価値があります。

西表島。樹齢400年の「サキシマスオウノキ」板根というめずらしい寝っこがあります

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 石垣島の鍾乳洞
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竹富島では、古民家の集落の見学。
赤い屋根瓦の民家や石垣。
石垣は、珊瑚でできた石灰岩だそうです。

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島の人たちがふつうにお住まいですが、
重要伝統的建造物保存地区に指定されているので、
新築やリフォームも、昔ながらの建築方法が義務づけられているそうです。

ひっそりとした島内の道。

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由布島は、あちこちで紹介されている、西表島から水牛車で渡る小島です。
島全体が植物園となっていました。
水牛車、お客を乗せると2トンもの重さがあるそうで、
かわいそうな気もしますが・・・まあ、「非番」の日もちゃんとあるそうです。

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石垣島の「やいま村」では、島の民家を7棟移築し、公開していました。
旧士族の家、農民の家、海人(うみんちゅ・漁師)の家など、
どれも開放的な田舎家で、なつかしい匂いがします。
 
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水牛車や古民家、それに郷土料理、かなり観光産業に力を入れているようでした。
多くの観光客が来ないと、こうした文化が消えていってしまうのでしょうね。
もちろん、それは世界中の歴史的建造物などみんな当てはまることで、
次世代へ受け渡していくためには、
観光という大きな消費活動に頼らなくてはならないでしょう。
観光客として訪れながら、あまり観光地化してほしくない・・・というのが本音ですが。ワガママですね~。

せめて、つかの間の観光客であっても、上っ面だけ見て帰るのではなく、
文化伝統をちょっとでも学んで、好きになって帰りたいなあ。
ええ、わたしは八重山地方、とっても好きになりました。
海と太陽と風と折り合い、毎夜集って歌を歌い笑って暮らしてきた
本州とは違うのびやかな文化を感じます。

お料理もおいしかった。
あぐー豚と島野菜のしゃぶしゃぶ。

         7 1日目夕食あぐー豚のしゃぶしゃぶ

あぐー豚は、沖縄県のブランド豚で、赤色が濃く、
脂肪はやや多めなのに、あっさりとしています。
野菜は、ほんまにオール石垣島産の「島野菜」ばかりだそう。
レタス、もやしなどに混じって、ゴーヤや、
青パパイヤとナーベラ(ヘチマ)もありました。

   8 1日目夕食しゃぶしゃぶの野菜

もちろん、八重山そばやもずく、らふてーなども食べてきました。

それにしても、風が強く寒くて、たまげた! この冬一番の寒さだそうです。
亜熱帯だというのに、家を出たときのコートに、大判ストールを巻きつけて過ごしました。 
三日間とも曇天で小雨もよう、海は暗く、おーい海よ、おまえ日本海か!

9‘

やはり、雨女カナジは健在でした。



小指の思い出

  1. 2017/01/15(日) 16:03:05_
  2. 金亀のひとりごと
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小指が痛い。じんじんする。
右手の小指の先だ。
見ると、爪の内側の右はじ、皮膚との境目に、わずかに一すじ、血の色。
どこかで、尖ったものを刺したらしい。
しかし、いつどこでやったものか、さっぱりわからん。
今これだけ痛むってことは、
「ぎゃっ」というくらいの衝撃はあったはずなのに。
傷バンを貼って様子を見たけれど、その晩はかなり痛んだ。

こういうことっていっぱいある。
知らないうちに足に青あざができていたり、
指に包丁あととおぼしき小さな切り傷があったり。
あまりに生傷が多いので、いちいち覚えてられないのだ。
つまり、不器用でトロくさて鈍い。

指の痛みは、4日たってもおさまらなかった。
もう一度よーく見ると、血のあとではないようだ。
赤茶色の細いトゲ?
トゲ抜きでは爪の中に届かず、縫い針でひっかけてみた。
出ました~! 4ミリもある立派なトゲだった。
ほんとうに、トゲを刺したときになぜ気がつかない?
鈍いにもほどがある。殺されても気がつかないんじゃないだろか。

いや、気がついていたと思う。
「あいたっ!」とかいって、手をぶんぶん振ったような気もする。
おそらく、お正月の生花を活け直すときに、
松の枝に指をひっかけたのだ。
爪と皮膚との境目にうまく入り込んだようで、激痛というほどではなかったこともあり、
トゲが入ったとは思わずにスルーしちゃったんだ。
たいしたことではない、と。

正常性バイアスとでもいうのかな。
だいじょうぶだろうと決めつける心理だ。
幸い今回のトゲ痕は、化膿することなくすぐにおさまったが、
年を重ね、こういうことが増えてきた気がする。
子どものころみたいに、痛い痛いと泣きわめくことができない。

昨年の正月そうそうに母を亡くした。
病院で、浅い呼吸の母の枕元に詰めていたとき、
トイレに立つたびに、スマホでメールの確認をしたり、
Facebookを開いてみたりしていた。
そんなことをしている場合じゃないことは、わかっていた。
急ぎの用事があるわけでもない。
なんたる親不孝。
でも、Facebookでいつもの友人たちの
明るい日常のヒトコマを眺めて、ほっとしたのは確かだ。
「だいじょうぶ、日常は続いている」と。
非日常の緊迫した時間のなかにあり、
日常に片足を置いていたかったのだろう。

大人って、姑息だなあ。でも、それも生きる知恵だなあ。
小指の先のトゲから、ふとそんなことを思い出した。
あ、怪我や病気は大げさなくらいに対処したほうが、治りは速いですが。

画像は、文とは関係ないけれど、
わたしのコレクションから。火鉢とお餅。焼き網のサイズ、2センチ角

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焼き網の下では、ちゃんと炭が燃えています。

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クラーナハの妖しい眼力

  1. 2017/01/08(日) 16:42:49_
  2. 金亀のひとりごと
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上野の国立西洋美術館で、「クラーナハ展」を観てきました。

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実はわたし、美術館よりもだんぜん博物館派で、
この美術館は超メジャーなのに初めてです。
ハイ、どっちかというと美術オンチです。

ではなぜ、クラーナハを観に行く気になったのかというと、
描かれた女性たちの体形に親近感があったから・・・ですな。
胸がちっちゃくて、その割にお尻が大きくて、
おなかがつるりんとビミョーに出ているという、
どちらかというと東洋人体形です。
 
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  おみやげで買った栞です。これは『ヴィーナス』

このクラーナハの女性像には、
ボンボンボーン!とした西洋人女性の裸体画にはない、
独特のエロティシズムがある、とされています。
う~~む、たしかに。
ボンボンボーン!のニクニクしい裸体画に感じるある種のグロさはなく、
妖しい美しさは、神秘的ともいえます。

わたしがドキッとしたのは、眼。
な、なんて冷静。どの眼も笑っていません。
でも、無表情なのではなく、
ものすごくなにかを語りかけてきます。
いろいろな思いを、激情のままに吹きださせるのではなく、
理性の力で統括しているような・・・。

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『ホロフェルネスの首を持つユディト』(これもミュージアムショップで買った栞)
『正義と寓意」(上から二番目の写真)などなど。
この眼力、クセになりそう!

クラーナハは、女性の魅力を、
たおやかさに秘めた鋭敏で冷静な理性、という感じでとらえていたのかな?
まったくの素人目ではありますが。
500年前の画家さんなのに、すごく新鮮です。

この眼、だれかに似ているな。
そうそう、『バナナフィッシュ』(吉田秋生作・小学館)のアッッシュ。

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そして、『日出処の天子』の厩戸の皇子。
(あれ、どっちも少年だ。そして、二人とも天才的頭脳と感性)

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どちらも後世に残る名作です。
そういえば、美術オンチのわたしがクラーナハのことを知ったのは、
「エロイカより愛をこめて」(青池保子作・秋田書店)からでしたわ。
マンガネタ、多し(えへ)。

展示室前には、「ホロフェルネスの首を持つユディト」の顔ハメが!

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外国人女性に頼まれて、シャッター押してあげました。
顔ハメも日本の名物かもね。
しかし、生首を持つ絵の顔ハメって・・・。




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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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