金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

おいおい、眼の老い

  1. 2017/07/09(日) 20:29:06_
  2. 金亀のひとりごと
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自分が映っている映像を見る機会があった。
それは最高におめでたい宴で、笑顔なのだが――
目が、目が、ちゃんと開いていない?! 
セルフイメージよりも、格段に目が細い。まぶたがどよんと重たい。
ああ、なんという邪悪な目つき!
 
実は「眼瞼下垂」が始まっているのだ。
もともと、まぶたの皮が余っている?のか、
10代のころから、まぶたがぐちゃぐちゃにたたまれている状態で、
二重まぶたどころか、四重とか五重になっていた。
それが、年とともに、全体に重たげに下がってきたらしい。
加えて、ここ一年くらい、ドライアイがひどい。
半年くらい前から眼科で処方してもらった薬をつけているのだが、
どうもあまり変化がない。目玉は常にカラッカラ、
貧血気味でもあるので、名実ともに血も涙もないオンナだ。
眼瞼下垂にドライアイでは、
ぱっちり目を開けた状態をキープするのが、えらく辛い。
目つきはまさに極悪非道。

若いころ、世の中や人生を恨んでいる年配の人って、
多いんだな、と思っていた。
すれ違うおじいさんやおばあさんのなかに、
不愉快そうに顔をしかめ、あたりをにらみつけている人が何人もいた。
わたしの母もそうだった。
不機嫌さをあらわにした目つきで、よくだるそうにソファにもたれていたっけ。

不機嫌でも恨んでいるのでもなかったのだ。
だれにでもやってくる眼の老いだった。

若いころにはわからなかったことが、わかってくる。
年を重ねるのも、いいことがる。そう強がっておこう。
 
6月終わりころに八日間のイギリス旅行に行ってきた。
帰ってきたら、なんだか世界が変わっていた。
ぐんにゃり溶けている。梅雨のせいか?
じゃなくて、視界がぼやけているのだ。
片目ずつ開けてみる。あれあれ、右目がかすんでいる。
もともと左右とも軽い近視なのだが、右目だけ度が急激に進んだのか? 
それとも、脳の病気の前兆?
眼科に飛んでいき、あれこれ検査してもらったが、目立つ所見はないという。
しばらく様子見ということで、帰ってきた。
旅行疲れが癒えたら、戻るだろうか。
一縷の望みを抱いてすごす。
あー、目が疲れる。遠くも近くも見えにくい。
遠近両用もシニアグラスも、眼鏡が全部合わないので、
PCもスマホも、テレビも本も新聞もダメだ。
必要最低限のPC作業を、休み休みやるのがやっと。
頭痛はするし、肩は凝る。

数日後、眼科を再診した。やっぱり目立つ所見はないという。
視力が戻ることはないでしょう、といわれた。
あきらめて、その足で新しい眼鏡を作りにいった。
矯正できるんだもの、幸運と思わなくてはね。
眼鏡ができたら、写真を整理してイギリス旅日記を書こう。

友人が、眼にいいというブルーベリーブレンドのハーブティを
送ってくれました。

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さわやかな甘さです。ハーブティ、大好き。

中国には、眼病を治してくれる眼の女神さまがおわします。
「眼光娘娘」(がんこうにゃんにゃん)さま。
鬼才・諸星大二郎のコミック『諸怪志異』に、
強く優しくイケてる御姿で登場します。

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残念ながら表紙には描かれていないので、画像をUPできませんが・・・。
コミック中の画像を拝んでおこうかな。


ある日の読書会

  1. 2017/06/18(日) 16:06:22_
  2. 金亀のひとりごと
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その日は、月に一度の読書会だった。
メンバーは5人。ささやかな人数だけれど、すでに30年近くの歴史がある。
会場である図書館の読書会室の空気が、
ほどよくひきしまるのが心地よい。
脳細胞がくすぐられ、うふふうふふと声をあげる。

その日の読書会のテーマブックは、『ぼくたちもそこにいた』。
ハンス・ペーター・リヒター作 上田真而子訳 岩波少年文庫

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名作『あのころはフリードリヒがいた』の続編だ。
ドイツの人々、少年少女までもが、ヒトラー体制に組み込まれ、
加害者となり戦争に加担してさまを、淡々と克明に描いている。

「今の日本、恐い。○×首相の顔が、ヒトラーに見えてきた」
「あの大きな戦争であれだけの被害を受け、また加害者にもなったというのに、
日本は歴史からなにも学んでないのかね」
「後の世に『なんであの流れを止められなかったの? 
だれも反対しなかったの?』と責められそう。孫、ひ孫に顔向けできないわ」
「共謀罪、あれによっていろんな自由がせばめられてしまって」
「まっとうな市民運動であっても、もう壊滅状態だな」
「署名運動もほとんどなくなってしまった」
「となり近所の目が恐いからなあ」
しかし、と最長老の元図書館長が、静かにいった。
「ありがたいことに、図書館ではまだ自由が守られている」
 そのとき、読書会室のドアが、遠慮がちにノックされた。
「あのう、みなさん、もう少しお静かに話したほうが・・・」
 顔なじみの司書さんが顔を出した。
「え? 大きな声なんて、出していませんよ?」
 わたしたちは首をかしげた。
司書さんは、両手をもみしぼりながら小声で告げた。
「それに、そのう、本の内容よりも、文体とか、そういうお話に限ったほうが・・・
というより、その本をテーマにしないほうが・・・」
わたしたちは、はっと顔を見合わせた。
「盗聴器・・・?」
 司書さんの背後から、黒い影。
「どきなさい。よけいなことをいわないように」
 司書さんを押しのけて姿を現したのは、5人の男女。
「暮らしの安全守り隊」。
のどかなネーミングとはうらはらの、目深に被った制帽、
かっちりと肩の張ったカーキ色のロングコート姿だ。
なかの一人は、知人だった。
かつていっしょに、集団的自衛権反対のデモで街を歩いたっけ。
あの人がいつのまにこんな・・・。
「全員、外に出なさい」
隊員が、わたしたち一人ずつにぴったりと張り付く。
 図書館にいた人たちが、目をそらしながら書架の陰に隠れる。
 司書さんたちの目は真っ赤だ。
 図書館の裏口には、カーキ色の小型の車が5台。
わたしたちは一人ずつ乗せられた。
車がすべり出す。
永田町へと。

こんな時代がやってくる・・・? 

ミニプラカード。
お友だちの作家さんが作ってくれました。
いつも使っているリュックにつけています。

DSC_1179.jpg

猫ちゃんの画像のものは、
「肉球新党」
「猫が幸せに暮らせる社会は、人にも優しい。
だから、戦争に反対、原発にも反対。
そして、動物と人が共生できる社会を」を掲げる市民団体です。

小さな粒でも力持ち

  1. 2017/06/11(日) 17:02:02_
  2. 金亀のひとりごと
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わたしはサクランボが大好き。
でも、安いものではないから、
一年に一度こっそり買って、自室で隠れ食いしていまして、
一度でいいから堂々と、
サクランボをおなかいっぱい食べたいものと願っていました。

その夢が叶う日です。そう、サクランボ狩り。
桜の木に実がなっているのを見るのも、
それを摘み取って食べるのも、未体験ゾーン。

樹上のサクランボが、こんなに赤いとは! うん、木の実って感じ。
スーパーの果物売り場のものとは、輝きが違います。

         DSC_1135.jpg

味が濃い! 酸味は少なく、ジュンジュンとあっまーい!
せっせせっせ、摘んでは口に放り込むうちに、
甘みのせいか、わりとすぐにおなかいっぱいに。
幸せ~。
  
             DSC_1139.jpg

さて、わたしは果樹園に着くまで、ひそかに心配していました。
種はどうするんだろう、と。
ポリ袋のようなものを渡され、そこに出すのかな?
それとも、地面にプッ? それって抵抗あるなあ。
みっともないし、木の下に種がたまっていくだろうし・・・。
けれども、果樹園のおっちゃんは、さらりといいました。
「種は地面に出してください」あ、いいのか。

種をプッ。プップップッ。全然平気でした。
遠くの山々に見守られた梅雨晴れの果樹園で、
桜の木の恵みを感じながら、プップップッ。
種をどうしたらいのか思案していた自分、小さいなあ。
土に返す、それだけのことだった。

サクランボを食べると思い出す本です。

「チェリー」野中ともそ ポプラ社 2010年

             チェリー 野中ともそ

13歳の祥太は、夏休みに親戚筋を訪ねてアメリカ北西部「サクランボの州」へ。
そこで出会ったのは、森の中に暮らす女性モリー。
大人なのに人見知りで無邪気さを持つ彼女に、
祥太は惹かれていくが、実はこの二人には途方もない年の差が・・・。
ありえない設定の、だがこれはたしかにみずみずしい恋の物語です。
サクランボの香りとさわやかな風が、
ありえない年齢差を越えたありえる物語へ、魔法のように昇華させています。

樹上にある実もスーパーのケースの中でも、
あんみつやレモンスカッシュの飾りであっても、
サクランボには、一粒一粒にその大きさを越えた力が宿っている・・・と、
サクランボ好きの考察でした。


そのたびにうっとり。

  1. 2017/05/28(日) 15:14:39_
  2. 金亀のひとりごと
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ふ、譜読みが終わったあ・・・。

これまでもこのブログに書いているのですが、
ドヘタなのに、ドビュッシーのピアノ曲「月の光」に挑戦しています。
先日ようやく、その譜読みが終わりました。
始めたのは、なんと2014年の秋!
その間、体調くずしたり足を怪我したりで休んでいた時期もあるので、
たぶん正味2年くらいでしょうか。

優しくカンチガイしないでいただきたいのですが、
楽譜を最後までさらい終わったというだけで、
きちんと弾けるようになったわけではありませんよ~。
もう、ひどいもんです。つかえつかえです。
後ろのほうを集中的に練習すると、
前のほうがわかんなくなったりします(ここ、笑うトコやで)。
でも、最後まで行きつけたという満足感は、なかなかのもの。

美しくファンタジックで奥深い和音の連なり。
聞いても聞いても、弾いても弾いても、飽きるということがありません。
聞くたびに、弾くたびに、うっとり。
ドビュッシーさま、ありがとう! 世紀と国を越えた出会いに感謝です。

弾くたびにうっとり、って考えてみたらすごいこと。
わたしがあんまりヘタで「飽きる余裕がない」のは確かですが、
やはり曲の力でしょう。

見るたびにうっとり、というのもあります。
女子力僅少、のカナジにとって、数少ない「女子」趣味、
バレエコミックです。山岸涼子の画力は最高。

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食べるたびにうっとり! というのが、これ。
ぬか漬け。(自分で作っていて、うっとり? 笑うトコやで)

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塩加減と乳酸発酵の微妙な酸味、野菜の甘み、豊かなビタミン、ミネラル。
精米時のカスであるぬかを使うとは、なんという知恵とエコでしょうね。
小さいころから大好きで、「ぬかみそ臭い」の意味、わかんなかった。
だって、すごくいい匂いと思っていたもの。

死ぬ前に何を食べたいか、と問われれば、迷いなく
胡瓜のぬか漬けと白いごはん、と答えるでしょう。
そのときバレエマンガが手元にあって、
さらに「月の光」が流れていたら、いうことありません。


永谷園さん、ありがとう!

  1. 2017/05/21(日) 16:20:16_
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一昨日は日本児童文芸家協会の総会・懇親会の日。
 
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実はこの日、カナジは朝からヘタレていました。
(ま、よくある仕事上のことです)

ヘタレたまま四つの会議と懇親会をかけまわり、
家にたどり着くと玄関でのびてしまった。
でも、慰めてくれる天使の手があったのです。
当たったあ~~~!
歌川広重の「東海道五十三次カード」、フルセット。

  DSC_1013.jpg

永谷園のお茶漬け海苔のパッケージについている応募券を集めて
送ったのです。
実は、三回目の応募。
こんなにお茶漬け海苔がたまってしもたわ。

       DSC_0949.jpg



この懸賞、わたしが子どもの頃にもやっていて、
小学生のときクラスの男子が当てて、自慢げに学校に持ってきていました。
当時、浮世絵にはたいして興味がなかったはずなのに、
めっちゃうらやましかったのをおぼえています。
ああ~。大人っていいなあ。お茶漬海苔を自由に買えるっていいなあ。

こちらは、水木しげる翁・絵の「妖怪道五十三次」。一筆箋です。

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オリジナルはこっち。
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広重といえば、普通は初代をさしますが、
二代目もいるんです。
二代目広重は、その絵が明治期にヨーロッパに輸出する茶箱のラベルに使用されたため、
「茶箱広重」と呼ばれました。
そんな絵師を描いたコミック、『茶箱広重』

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天才漫画家、一ノ関圭氏の見事な作品です。



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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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