金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

さらば、水木先生

  1. 2015/12/05(土) 21:27:53_
  2. 金亀のひとりごと
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ああ、昭和の怪人が往ってしまわれた。
水木しげる氏を悼む声が、冥界霊界、物の怪界からも聞こえてくる(でしょ?)

「ゲゲゲの鬼太郎」のテレビアニメは、何シリーズも見てきた。
子どものころは、登場する妖怪たちって、鬼太郎や目玉のおやじ同様、
水木サンの創作と思っていた。
妖怪キャラのほとんどすべて、日本に存在していた(と伝えられる)と知ったときは、
そのヘンテコさと多様性に驚いたものだ。
伝承を具象化することのたいへんさに、
思いを馳せられるようになったのは、
書く仕事をするようになってからかもしれない。

水木サンの業績は、柳田國男に匹敵するか、それ以上だろう。
妖怪をキャラ立てし、可視化し、日本中あまねく存在を知らしめ、
小学生のアイドルに押しあげたのは、水木サンだ。
かの妖怪ウォッチだって、水木サン無しには存在しなかったろう。

ところで、アニメなどでは抜群の知名度をほこっていても、
紙媒体のマンガ誌面で読んだことのある人は、多くはないのではないか。
・・・失礼ながら、水木サンの紙のマンガって、どうも流れがスムーズではない。
コマのつながりが悪いのかもしれない(あー、言っちゃった!)
でも、画力とキャラ力はまさに天才。
キャラ力はいうまでもないが、画力をびしびし感じるのは、背景だ。
例えば、「妖怪100物語」のなかの「紙舞い」という妖怪。
この背景の昔の田舎家、なんというリアルさ!(絵の一部を写真に撮らせていただきました)
        
               DSC_0113.jpg
 

紙の水木マンガの魅力は、この背景のリアルさと、
キャラの「抜け感」のアンバランスにもあると思う。
アニメになると、それが消えちゃうんですよね。残念。

水木さんが南方の戦線で片腕を失っているのは周知のことだが、
そのときの思い出をエッセイに残している。
ろくな治療なしに放置された腕の切断面に蛆がわいてきて、
死を覚悟したが、
ある日、その傷口から「赤ちゃんのような匂いがしてきた」という。
その日から傷がふさがってきて、生きて日本に帰ることができた・・・。

こんな希少な体験を語れる方が、また一人去ってしまった。
偉大なる奇人であり貴人だった。

お祭の飴細工。水木サン追悼で特別に作ってもらいました。

         DSC_0149_convert_20151205211830.jpg
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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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