金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

映像化しちゃダメ

  1. 2015/08/31(月) 16:20:23_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
ドラマ「ど根性ガエル」のCG、すごいなあ。
ピョン吉の動きが、リアルではじけてる! 声の満島ひかりもぴったり。
マンガ原作のアニメ、実写は多々あるが、
ここまでクオリティの高い実写だと、ピョン吉を見ているだけでも楽しい。

という前フリとは真逆な本をご紹介。
マンガ化・アニメ化・実写化、すべてNGの本だ。

まず、いわずと知れた古典名作絵本、「てぶくろ」。
エウゲーニー・M・ラチョフ著・福音館
 
             無題

ウクライナ民話の絵本化だ。
もともと、昔話を絵本などの視覚化するのはむずかしいが、
この絵本はいいよね。ロングセラーもうなずける。
「わたしも いれて」とつぎつぎにやってきては、
てぶくろに入りたがる動物たち。
ページをめくるたびに、小さなてぶくろが「キャパ」を増やし、
ドアがついたり窓がついたりし、大きなけものまで受け入れていく。
これは、めくるたびに次の場面という、
絵本というカタチがあればこその楽しさだ。

「フイッシュ」 L.S.マシューズ 鈴木出版

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  干上がっていく水たまりで、きれいな魚を見つけた主人公、タイガー。
  内戦に巻き込まれの避難の旅で、魚を守ろうとするが、その魚はふしぎなことに――。

同じ作者の 「嵐にいななく」 小学館

    フイっしゅ

大洪水のあと、新しい土地へと引っ越したジャックは、
処分されることになった一頭のみすぼらしい馬と出会い、
隣人のマイケルの力を借りて助けてやることに。
最後、そのマイケルは・・・。

L.S.マシューズは、オーソドックスに希望や家族愛、
友情をうたうかに見せかけて、
読者にトラップをしかけてくる。
この2作、実は時代も国もあきらかにしていないし(近未来らしい)、
「フィッシュ」にいたっては、タイガーの性別すら、明かしていない。
最後まで読むと、「こうきたか! やられた~」となる。
まったく、ずるいよ、こんな書き方。
トラップがバレバレになり想像力をそがれるので、この2作は映像化NGだ。

「夜の国のクーパー」 伊坂幸太郎 創元推理文庫

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 目をさますと、しばられてどこかの海岸に打ち上げられていた。
 胸の上に、猫がいて、話しかけてくる。
「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」と。
猫が語るのは、その国の不思議な秘密。

これも、映像化したら、即ネタバレで物語が成り立たなくなる。

絵本でしか楽しめない1冊と、
文字でしか味わえない三冊。
だまされたい人はどうぞ。
ハイ、わたしは、だまされるのは大好きです。
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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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