金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

お盆だったので、こんな物語を。

  1. 2015/08/17(月) 18:07:25_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
ご先祖さまのハレの日、お盆が過ぎた。
わたしは核家族育ちで現在も核家族、
お盆の迎え火送り火をやったことがない。
小さいころは、ご近所の玄関先に灯るろうそくの灯りを見て
なんと恐ろしいイベントかと、まじでびびっていたっけ。
だって、あれって、降霊術でしょー?

しかし、自分自身、あの世が近づいてきたせいか、
今では、日本人の死生観が込められた、情緒のある祭礼だなと思う。
茄子の牛や胡瓜の馬もかわいらしい。霊になって乗ってみたい。

子どものころ、笑われるほど恐がりだったのに、
今やすっかり幽霊物語好きだ。

「真夜中の電話」「遠い日の呼び声」ロバート・ウェストール著 徳間書店

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それぞれ9編の短編がおさめられ、
「浜辺にて」「真夜中の電話」「墓守の夜」「家に棲むもの」など、
いくつかが幽霊・不思議系だ。
ウェストール描く幽霊は、陰湿ではなく、
生前の人生がくっきりと浮かび上がってきて、存在感が圧倒的。

例えば「墓守の夜」。
ある墓地の墓守のもとへ、毎夜、墓から抜け出した死者が、
話しかけてくる。生前の人生の悩みを語るかのように。
ある夜、比類ないほど邪悪な男が埋葬されると、
この墓の死者たちは団結し――。
さわやかな読後感の恐さだ。

恐くない物語も、すごくおもしろい。「吹雪の夜」など、オススメだ。

「ブラッカムの爆撃機」岩波書店 
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同じウェストールの作品、これも大好きだ。
戦争への悲哀が、恐怖に包まれてせまってきて、心臓バクバク。
 
これらの表紙は宮崎駿監督の絵。とってもいいでしょ。
さすが、児童書大好き、ウェストール大好きの宮崎駿監督だ。
アニメとは違う、詩情のある絵がぴったり。

「モンタギューおじさんの怖い話」「船乗りサッカレーの怖い話」
「トンネルに消えた女の怖い話」  クリス・プリーストリー著、理論社

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あえて古典的な書き方がされている三部作だ。
「トンネルに消えた女の怖い話」の舞台は、19世紀のイギリス。
ロバートは初めて一人、列車でロンドンへ。
ふと目を覚ますと、列車は止まっていて、動く気配がない。
ロバートの前にいた白いドレスの若い女性が語るのは、
なぜか子どもたちが酷い目に合う話ばかり――。

一番ヘンテコ感がありグロいのは、「船乗りサッカレーの怖い話」かな。
船乗りというだけで、十分非日常だから、不可思議さ倍増だ。

夏の一日、恐い本を読んでゆっくりゾクゾクしたいけれど、
迫り来る締め切りが、一番の恐怖であります。
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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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