金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

考え行動するヒロインは、昔々から?

  1. 2015/04/26(日) 15:49:54_
  2. 金亀のひとりごと
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ディズニーのミュージカル映画「イントゥ・ザ・ウッズ」を観た。
「赤ずきん」、「シンデレラ」、「ラプンツェル」、「ジャックの豆の木」という
グリム童話の人気物語を、うまく絡むようにアレンジし、
さらにこの四つの物語の“アフター・ハッピーエンド”、
つまり「めでたしめでたし」のその後を描いている。

         ウッズ
            画像は、同映画HPから。

なかなかおもしろかった。
パロディというよりも、四つの童話の骨子をうまく織り交ぜ、
新しい建造物となっている。
それを繋ぐのは、このところの潮流どおり、
考え、行動してこそヒロイン、という女性観だ。
シンデレラも赤ずきんもラプンツェルも、
がんばっていましたよ。

ところで、グリム童話やフランスのペロー童話で
一番有名なのは、なんだろう。
「赤ずきん」「シンデレラ」、「白雪姫」「眠り姫(いばら姫)」あたりか。
「オオカミと7匹の子ヤギ」「ヘンゼルとグレーテル」
「ジャックと豆の木」「ブレーメンの音楽隊」も入るかな。
「ラプンツェル」は、日本における知名度では次点かもしれない。

この「赤ずきん」「シンデレラ」、「白雪姫」、「眠り姫」の四話、
ヒロインは美しく、あるいは可愛らしいが、
あまり賢くなさそうだ。アホではないにしても、特に何もしない、できない。
わたしは、子どものときから、実はそれが不思議だった。
「可愛い」「美しい」というだけで、そんなに価値があるのか? と。
そう思った女のコ、きっとたくさんいたに違いない。

なのに、世界中で、この何もしないヒロインが昔から
人気なのは、なぜだろう。

もしや昔々から、娘たち女たちの人生において、
意志決定の幅は、われわれが想像するよりも、
広かったのかもしれない。
とうの昔から、自分で考え行動していたのかもしれない。
江戸時代の女性たちが、イヤな亭主とさっさと離縁できるように
あらかじめ三行半(みくだりはん)を取りつけておいたり、
田舎のかみさんが一人で伊勢参りに出かけたり、
学校の授業で教えられていたよりも、ずっと自由であったように。

もちろん、意志決定の結果、失敗も堂々と引き受けなければならない。
辛いことも多いだろう。
それだからこそ、何もしないのに「めでたしめでたし」となる
ヒロインにあこがれたのではないかな。
こんなん、楽でええなあ、と。

ところで、映画のなかで、わたしが一番気に入ったのは、
ちゃっかり者の赤ずきん。
ちょい役のオオカミはジョニー・デップ、さすがに濃い存在感だ。
パン屋のあるじも温かな庶民代表で、
顔がいいだけの二人の王子さまと好対照でしたわ。
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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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