金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

読書中毒の逆襲か? 文科系の華!

  1. 2014/10/15(水) 11:11:06_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
本好きの逆襲というのだろうか。

読書離れやら活字離れが、長―いスパンで取り沙汰されているが、
そんな風潮に小気味よいジャブをくれたのが、
みなさんご存知の「ビブリア古書堂の事件手帳」(三上延著・メディアワークス文庫)だ。
全5巻、シリーズ累計発行部数五百万部くらいだそう。
(数字が大きすぎて、くらくらする。児童書となんたる差!)

   ビブリア

本好きとしては、この作品が人気を誇っていることは、素直にうれしい。
ラノベに括られるといっても、
作中に登場する本はかなり渋めだし(実はほとんど読んでいない! てへ)。

こういうのが、マンガにもないかな、と思っていたら、ありました!
しかも、今年度の手塚治虫文化賞の短編部門受賞作。
「バーナード嬢曰く。」(施川ユウキ著・一迅社)だ。

            バーナード

町田さわ子は、図書室でいつも一人で本を読んでいる・フリをしている。
読書嫌いのくせに、読書家キャラに見せたいだけで、
「読まずにタイトルだけ覚えて、なにかのネーミングをするときに
モジりたいなー」と堂々とのたまう。
なんせ自称が「バーナード嬢」。ところが、
実は、かの作家名はバーナード・ジョーと思い込み、
「ショー」であることも知らない……。
ここでもう大笑い。

「オン・ザ・ライン」(朽木祥著・小学館)の主人高・侃(かん)を思い出し、二度笑い。
彼は、活字中毒であることをひた隠しにしてテニス部に入るのだ。隠すなよ、侃! 

          オンザ

「バーナード嬢曰く。」で、主人公さわ子のことが気になるのは、マトモな読書家の遠藤君。
このあたりは「ビブリア」の、
読書・命の栞子と読書できない体質・大輔との関係と好対称だ。
読書家キャラ演出中のさわ子と、
興味津々で助言したりあきれたりする遠藤君の会話が楽しく、
そこに、遠藤君に思いを寄せる図書委員や、
さわ子のインチキぶりに怒り心頭の真のSFマニアがからみ、
図書室では、日々ユルいような熱いような本の話が繰り広げられる。
登場する本は「銃・病原菌・鉄」やら「悪の華」やら、
ガチに小難しいのが多くて、そのギャップにまた笑える~。

で、この真のSFマニアの名が、神林しおり。
「栞子」「しおり」……読書家の名の殿堂入りの感があるな。

「しおり」といえば、カナジ的に忘れてはならない本は、
「栞と紙魚子」(諸星大二郎著・朝日新聞出版)。
奇々怪々な魔物やら神さまやら異世界人が、摩訶不思議な事件を引き起こし、
それを女子高校生コンビの栞と紙魚子が、
解決したりかえってややこしくしたりする物語だ。
 
         紙魚子

この本では、読書家は栞ではなくて(でも書店の娘)、紙魚子サンのほう。
古本屋の娘にして、ビブリアの栞子に勝るとも劣らない本オタク。
本から得たウンチクを武器に、天然キャラの栞とともに事件にせまっていく。
鬼才・諸星の作品のなかでは、笑いの要素が多くて、諸星初心者にもお勧めです。
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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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