FC2ブログ

金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

アイヌの一日

  1. 2020/11/01(日) 18:27:46_
  2. 金亀のひとりごと
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
映画『アイヌモシ』を観に、「上京」した。
コロナ禍中のこと、ちょっとビクビクしながらですが。
ものすごく久しぶりの東京なので、もう一か所足を延ばして、井の頭線の駒場東大前へ。
日本民藝館で「アイヌの美しき手仕事」という展示が開催中なのだ。11月23日まで。

DSC_1696小 (2)

「美しき手仕事」、そのタイトル通り、アイヌの衣装や道具類はとても美しい。

DSC_1694小 (1)
                DSC_1696小 (1)
                               ゴージャスなタマサイ(首飾り) 

このグルグル渦巻き模様、わたしは大好きなのだ。

 DSC_1694小 (2)

刺繍をする女性たちは、何を語らい何を思いながら、
ひとさしひとさし針を動かしていたのだろか。
子どものしぐさに笑いながら? 夫への不満をこぼしながら? 
手仕事の跡に触れると、アイヌの暮らしがぐっと身近になってくる。

映画『アイヌモシㇼ』は、
アイヌの血を引く少年・カントの目を通して、
現代を生きるアイヌの人々の姿を淡々と、きわめて自然体に描いた作品だ。
阿寒湖畔のコタン(集落)に住むカントは、
アイヌの文化から距離を置きたいと感じていた。
そんなときに、「イオマンテ」(クマ送り)という儀式が行われることになる。
コタンでは一頭の子ヒグマが飼われていて、カントも可愛がっていたのだか・・・。
 
26a1d565ebdc3282 - コピー

彼らの葛藤を前面に表現するのではなく、
最低限のセリフやしぐさ、表情、日々の暮らしそのものが、そっと差し出されている。

アイヌの人々が多数、役者さんとして出演しているが、プロの俳優さんではないらしい。
なのに、みんな構えずに実にさらりと演じている。
というか、まるで日常をそのままカメラで切り取ったようだ。
主人公のカント役の下倉幹人くんも、実際にこのコタンで暮らす少年であり、演技は初めてとのこと。
なんという繊細な表情と目力であることか。

ところで、「イオマンテの夜」という歌謡曲がある
作詞・菊田一夫、作曲・古関裕而、歌・伊藤久男/コロムビア合唱団 昭和25年
昭和30年代にもテレビで歌われていて、わたしもなんとなく耳が覚えている。
しかし、ここで歌われるイオマンテは、実際とはかけ離れているんですよ!
そもそも、イオマンテは夜祭りではないし。
今、NHK朝ドラ「エール」を放送中なので、
もしかしてこの歌も話題になるかもしれない。
作詞の菊田一夫さん、優れた劇作家・作詞家だったとは思うが、
もうちょっと調べてほしかった・・・というより、歌にしてほしくなかった。
イオマンテは厳粛な儀式なのだから。

日本の先住民族・アイヌ、その文化と歴史。
わたし自身を含め、知らない人が多すぎるよね。
「アイヌの美しき手仕事」展に、「アイヌモシㇼ」に
足を運ぶ人が増えるといいなあ。
スポンサーサイト





<<五年後のお礼参り | BLOG TOP | 脱・「都内に行けばいいんでない?」 >>

comment

 
 管理者にだけ表示を許可する
 

trackback


プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)
『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)
『ミクロ家出の夜に』(国土社)
『花粉症のない未来のために』
『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)
『知里幸恵物語』(PHP研究所)
『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』
(学研プラス)
『となりの猫又ジュリ』(国土社)
『クレオパトラ』『マイヤ・プリセツカヤ』(学研プラス)
『読む喜びをすべての人に 
日本点字図書館を創った本間一夫』
(佼成出版社)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員

« 2021 06  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR