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金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

「待ち」の火

  1. 2020/09/13(日) 16:19:21_
  2. 金亀のひとりごと
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長年、悩んでいた。
「野菜炒め」だ。
キャベツやもやし、人参などと、ちょっぽりの豚小間肉を炒め合わせた、
なんの変哲もない「昭和」ふうの野菜炒めを、
わたしが作ると、どうもおいしくない。
妙に水分が飛んでシャキシャキ感がなくなったり、
もやしのひげ根が焦げたり。
38年愛用の中華鍋も泣いている。

と思ったら、劇的においしくなった!
それは、「かき混ぜない炒め物」。テレビで紹介されたとおりに作ったら、
目からウロコだった。

材料は、豚肉。そして人参、キャベツ、もやし、韮、と定番のもの。
野菜は、火の通りやすいものから順に切って、ざるにきちんと収めていく。
まず、韮、そしてもやし、キャベツの葉、人参とキャベツの芯という順だ。

   DSC_1587 - コピー小 (2)

フライパン(わたしは中華鍋だけど)を熱して油を入れ、まず豚肉をさっと炒める。
それから、ざるをえいやっとひっくり返して、なかの野菜をこんもりと入れる。
フライパンの底から、豚肉、人参とキャベツの芯、キャベツの葉、もやし、韮の順で
重なった「丘」となるわけだ。


DSC_1587 - コピー小 (1)

そこに、油と料理酒を混ぜたものをジャーッとぶっかける。
そして、待つ! 
料理酒と野菜自身の水分で、底のほうの固い野菜が蒸らされる。
さらに上から下からの油でコーティングされ、
野菜の細胞のなかに水分が閉じ込められる。
もやしや韮は、余熱と水蒸気でいい感じに火が通っていく。
丘の上までグツグツジャバジャバ言い出したら、大きくかき混ぜ、調味する。

笑えるくらいに簡単だった。野菜はすべてシャキシャキして、
「おいしく炒めてくれてありがとう!」と言っているようだ。

 DSC_1588 - コピー小
  写真の腕と盛り付けヘタのせいで、見た目イマイチですが、味は上々。

炒め物といったら、ジャカジャカかき混ぜるものと思っていた。
でも、それをやると、プロの火力に及ばない家庭のガス火では、
温度が上がらず、長時間かけて炒めなければならない。
あげく、水分が飛ぶだけで火がなかなか通らない、ということになる。

このかき混ぜない野菜炒めは、じっと待つことが決め手なのだな。

調理法は、どんどん変わっていく。
もはや、中学や高校の家庭科で教わったことは、通用しないものも多い。

このごろ覚えた乾麺のゆで方。
パスタでもうどんでも、あらかじめ水に漬けて戻しておくというもの。
すると加熱はあっというまだし、ちゃんとコシも残る。
ガス代の節約にもなるし、夏場は暑い思いをしなくてすむ。

煎茶を淹れるときは、茶葉にお水を少量振りかけて、少し開くのを待ってからお湯を注ぐと、
ちょうどいい濃さと温度になったりするし。

どれもちゃんと「調理科学」で説明がつくのだろうし、なにより簡単だ。
でも、「おばあちゃんの知恵」が通用しなくなり、さびしい思いをする人もいるかな。

と思ったら、わたしもりっぱな婆でした。
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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)
『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)
『ミクロ家出の夜に』(国土社)
『花粉症のない未来のために』
『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)
『知里幸恵物語』(PHP研究所)
『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』
(学研プラス)
『となりの猫又ジュリ』(国土社)
『クレオパトラ』『マイヤ・プリセツカヤ』(学研プラス)
『読む喜びをすべての人に 
日本点字図書館を創った本間一夫』
(佼成出版社)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員

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