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金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

がんばれ、醤油やさん!

  1. 2020/08/02(日) 14:58:19_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
コロナ禍が再び迫ってきました。
もう五か月も籠っているのに、まだまだお籠り生活が続くのかな。
せめて、近場の人があんまりいないところで、
ちょっとおもしろそうなところに行ってみよう、ということで出かけたのは、
車で15分くらいの「金笛しょうゆパーク」。
「笛木醤油」という寛政元年創業の醤油蔵さんです。

DSC_1473 小
 
なんと創業230年! 
江戸から離れたこの地で、舟で江戸へ出荷していたのでしょうね。

レストランや売店があり、醤油工場の見学もできます。
始めて見る仕込み蔵、超でっかい木桶がずらり。といっても、
木桶を床に置くのではなく、木桶の上部に床を張っています。

DSC_1481 小

昔は木桶の間に板を渡して歩いたそうですが、転落事故があるので、
この形にしたそうです。
こちらは、ミニチュアの仕込み蔵。へー、こんなふうになっているのね。

 DSC_1485小

木桶の中には、ドブドブの濃―い液体。ほとんど沼です。
このなかに、麹金、酵母菌、乳酸菌など、
何億という菌ちゃんたちが生きて呼吸をしています。
職人さんたちは、定期的にこの桶の中を長い竿でかきまぜ、
菌ちゃんたちに空気を送っているそう。
つまり、現在でも伝統的な手作業ということ。

左右の桶で、発酵の度合いが違うのがわかります。

DSC_1483 小

左のほうがどろっとしている、
つまり発酵が進んで濃い「もろみ」となっているのでしょう。
こうして一年から二年かけて発酵・熟成させ、
「絞り」の行程に入ります。
繊維質などの固形成分を絞って、醤油の原液を集めるのです。
それもゆっくりゆっくり、三日かかりだそう。
大手の醤油メーカーの製造法だと、3か月くらいで製品になるとのこと。
味に差が出て当たりまえですなあ。

蔵の外に、発酵臭のある物体が積まれていました。

DSC_1479.jpg

これ、醤油の搾りかすをさらに圧縮したものですって。
大豆と小麦が主成分なので、家畜のエサ用にとってあるのですが、
塩分が強く残っているため、エサに混ぜるのはほんのちょっとだけですって。

そして、伝統的な醤油作りを支えているのは、杉材の木桶。

 DSC_1478.jpg

今や、杉があっても桶職人が全国にほんの数人しかいないという時代。
なんとか、木桶作りの匠、醤油作りの匠が途絶えませんように!

レストランでは、うどんや天丼などの醤油を生かした料理がありました。
うどん、うまい! 
なぜか、バウムクーヘンを製造していて、
醤油入りの「醤油バウム」なんていうのがありました。うまい!

DSC_1492 小
 
醤油ソフトもありますよ。うまい!

ほぼ毎日お世話になる醤油だもの、
製造しているところを見ておくのって、いいよね。

わたしは発酵食品が好きなもんで、
たくさんの麹菌に囲まれると、コロナに勝てそうな気がしちゃいます。
それってあながち間違いではないかも。
有用な菌を取り込んで腸内の菌のバランスを保てば、
免疫力もアップしそう!

こちらは、ご存知『もやしもん』石川雅之・著 講談社

小

発酵の世界を描いたコミックです。
こちらは、『もやしもん』のわたしのコレクションの菌たち。
キャラのデザイン力、すごい!

DSC_1500.jpg
 
まんなかの黄色いのが、A・オリゼー(麹菌)。

こちらは一般書、
『奇跡の醤(きせきのひしお)  
   陸前高田の老舗醤油蔵 八木澤商店再生の物語』 竹内早希子・著 祥伝社

 小

東日本大震災の津波で、一八〇七年から続く老舗醤油蔵八木澤商店は、
土蔵や杉桶、そして醤油屋の命ともいえる「もろみ」を津波で失いますが……。
再生に欠ける思いに胸が熱くなります。
この作品、取材がほんとうに緻密で、何度も何度も現地に通い、
この会社の方々と心を通わせていったことが、よーく伝わってきます。
醤油と同じで、地味ながら滋味あふれるノンフィクションです。

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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)
『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)
『ミクロ家出の夜に』(国土社)
『花粉症のない未来のために』
『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)
『知里幸恵物語』(PHP研究所)
『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』
(学研プラス)
『となりの猫又ジュリ』(国土社)
『クレオパトラ』『マイヤ・プリセツカヤ』(学研プラス)
『読む喜びをすべての人に 
日本点字図書館を創った本間一夫』
(佼成出版社)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員

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