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金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

知覧特攻平和会館でもやもや考えた

  1. 2018/10/07(日) 17:29:54_
  2. 金亀のひとりごと
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先月のことになるが、鹿児島と屋久島に行ってきた。
女子三人旅だ(へへ、今どき、『女子』というのは中高年ばかりなり)。

一日目は、鹿児島泊まり。
鹿児島空港から、「知覧特攻平和会館」に向かう。
ここは、太平洋戦争末期、特攻隊として海に散っていった
二十歳前後の若者たちの遺影、遺品、記録などを
「恒久平和を願って」展示している。

入館して、最初に目にした太平洋戦争についての解説で、「え?」
ものすごい違和感。
「第二次世界大戦において、
欧米列強の植民地とされたアジア諸国を救うために、日本は戦争へと突入・・・」
こんな説明だった。
なにそれ? アジア諸国を救う?
日本がぶん捕る意図は見え見えだったのに?

こんな説明を読んでしまうと、
そのあと何を見ても、心に染みてこない。
写真に残る、出撃前に子犬と遊ぶ少年兵たちの笑顔に、胸を衝かれはするが・・・。

 練習機

      ①1知覧特攻平和会館


若い兵士たちが乗り込んだ戦闘機は、
そのほとんどが整備不良や燃料不足、飛行技術不足で、
目的を達することなく海の藻屑と消えてしまった、と聞いている。
そのことも、館内ではほとんどふれていない。

死んでいった隊員は、「勇士」とされている。
そりゃ、遺族の気持ちを考えたら、勇士、英雄としたくはなるだろうが、
ここははっきりさせたい。
彼らは犠牲者だ。国家に殺された被害者だ。
そこが踏みはずされていると、「恒久平和を願って」と掲げてあっても、
どこか危ういものを感じてしまう。

死んでいった若者の命は、もちろん尊い。
けれども、悲劇性や悲しみが、
国家のために若者を殺す「特攻」という愚策を覆い隠してしまわないか?
あんな史上最悪の、作戦ともいえない残虐行為を、
若者の「尊い思い」の結果として括ってほしくない。

何によらず、若者を死に駆り立てる大人は、みな醜い。

鹿児島のシンボル、開聞岳。
飛び立った若者たちの目にも、この山が映っていただろうか。
 
   ①9

海はどんな時代でも、美しい。
若者たちが「消されて」いった海原に、続いている。

 ①3
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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)『となりの猫又ジュリ』(国土社)『クレオパトラ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師

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