金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

耳は賢い――古事記の楽しみ方

  1. 2014/07/13(日) 20:57:19_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
     ファンタジー作家・芝田勝茂さんによる講座、「初めての古事記」全六回が
     終了しました。

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          わたしは、一回目は都合がつきませんでしたが、
         残り五回は毎回楽しみに参加しました。
         芝田さんのわかりやすい解説や新解釈に、参加者は
         「へえ」「ほう」「へえ」「ほう」と駕籠かきの掛け声状態。
         わたしもしばし古代人にタイムスリップしていました。

         さて、古事記。
         わたしは、子どものころから、大人向き子ども向き、
         いろいろなバージョンにリライトされた「古事記物語」を何冊か読んでいました。
         原典にほぼ忠実に現代語訳されたものも読んだことがあります。
         
         古い時代の逸話ほど、力強くまたファンタジー色が強く、
         わたしにはおもしろく感じました。
         アマテラスとスサノオの話、大国主(大黒さま)の話、
         海幸山幸譚、ヤマトタケルの英雄譚。
         けれども、何度読んでも、どうも頭のなかでくっきりと像を結ばないようにも
         実は、感じていました。
         読んでいるときは、それなりに楽しめるのですが、
         おもしろさの的を、真芯でとらえていないためか、
         しばらくすると話の骨子さえもやもやとしてきます。
         もどかしくて、「記憶力、悪いな~」と嘆いていたのですが。

         今回、この講座では、芝田さんにていねいに音読していただき、
         それに耳を傾けていると、おおーー、わかる。像を結ぶ。
         耳で聞くと、神様たちのドタバタ騒ぎや愛の相聞の空気がびんびんと伝わってきます。
         これは、「自習」の黙読では得られない快感です。

         ふと思いましたね。もしや、楽譜と楽曲の関係に近いのでは。
         楽譜をいくらながめても、素人には音楽が聞こえてこなくて当たりまえ。
         口承文学とは、そういうものなのでしょう。
         昔話なども同様ですね。語りを聞くのが一番おもしろいかもしれません。
         耳は賢いのです。

         古事記は戦中に国威発揚に使われた反省、反動から、
         意図的に隅っこに追いやられてしまった過去があります。
         ギリシア・ローマ神話などのほうが、むしろ
         親しまれていたかもしれません。
         けれども、こんなおもしろい物語を書棚の暗がりに追いやるのは、もったいない。
         ヤマト政権がどうやってその地方を侵略し統一していったかを探るもよし、
         いにしえ人のおおらかな恋もようを楽しむのもよし、
         ぶっとんだ神話ファンタジーに「ありえへん」を連発するもよし、
         逸話をヒントに新しい神の物語を創作するのもよし。

        神話を題材にした物語といえば、コミックの世界にも数多あります。
        たとえば山岸涼子さん。発行は古いのですが、
        とんでもなく濃―いおもしろい世界を作り出していますよ。(画像はアマゾンから)
 
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        ご存知、「ヤマトタケル」。当然イケメンで、
        原典の小碓命(オウスノミコト=ヤマトタケル)よりも純情です。                       

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      「月読」(ツクヨミ)。アマテラスの弟で月の神です。
      古事記よりも日本書紀から材を得たようです。
      アマテラスの描き方が、めっちゃ斬新でエロい?
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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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