金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

フィギュアの棚の前で思い知ったこと

  1. 2017/03/11(土) 17:03:09_
  2. 金亀のひとりごと
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「あの日」が巡ってきました。
もう六年。まだ六年。
年々、報道が減っていくなかで、ショッキングなニュースもありました。
福島から自主避難した少年への、いじめです。

原発事故後、かの地に避難命令が出されたとき、
わたしは自分が住民の立場だったら、何を持っていくだろうと考えました。
急いで出立しなければならず、丁寧に選んで荷造りする時間はありません。
まず貴重品、ケータイ、PC。忘れちゃならない、USBメモリ。
家族のアルバム。いろいろな名簿類。当座の衣類と身の回り品、薬。
お金で買い直せる電気製品や家具や家財道具はあきらめるしかないな。
うちじゅうを見て回り、これは無理、これも無理・・・。
さて、三匹の亀は? 車が使えるのなら、
とりあえず紙の箱に一匹ずつ入れて、連れて行こう。
池があったら放すとしても。

次に自分の机回りをながめたとき、ずきっと痛みが走りました。
壁一面を飾っているのは、何段ものプラスチックのケースに入ったフィギュアです。
これは置いていくしかない・・・。
笑われそうですが、涙がこぼれました。
小さいものだから、ケースを捨ててばさっと袋に入れれば、運べるでしょう。
しかし、避難先で飾るスペースはないし、
ほかにもっと必要なものがいくらでもあります。
持っていったら、家族のブーイングの嵐でしょう。
小さな子のぬいぐるみやミニカーではないのだから。

近所のスーパーの食玩コーナーで、出先のガチャで、浅草の専門店で、
博物館のミュージアムショップで。
海外旅行でも何かしら買い集めてきました。
どこでゲットしたものが、記録していませんがちゃんと覚えています。
3,4センチの自分の身のカケラにも等しいモノたち。

迫りくる放射性物質の見えない影におびえ、
住み慣れた我が家から避難していく方たちの、身を引き裂かれるような痛み。
その何百分の一、何千分の一かを、フィギュアの棚の前で思い知ることとなりました。

こんな痛みに耐えてきた人たちが、
さらにいじめや偏見や風評に苦しみ嘆かなくてはならないなんて。

今日の毎日小学生新聞の一面の見出しが、
この国の人間の、もろさ醜さを物語っています。

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浅草の、江戸趣味小玩具の店「助六」の握り鮨。
どうです、この出来。さすがです。手前は割り箸じゃなくて、マッチ棒。

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大阪のビジネスホテルのフロントに置かれていたガチャの、大阪のオバチャン。
「アメちゃん食べや~」

      DSC_0922.jpg

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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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