金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

児童書専門店「ピッピ」から生まれた本

  1. 2017/03/05(日) 18:17:24_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
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「世にも不思議なお話」(PHP研究所刊 絵・Simano)発売中だ。

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わたしは、「夜中先生」という物語を書かせていただいた。
このシリーズは、ほんとうにあった不思議なことを核にしている。
「夜中先生」のモデルとなった方も、実在の人物だ。

さて、わたしには、出身地や卒業した学校とは別に、
誇れる「出身」がある。「ピッピ」という児童書専門店だ。
学生時代の終わりころから、店主さんの勇退による閉店までの二十数年、
客として、またアルバイト店員として楽しい時を過ごさせてもらった。
「夜中先生」のモデルの方は、この店の常連さんで、
小学校の夜間警備員さんをされていた。

「ピッピ」はほんの小さな店だったけれど、カフェが併設されていて、
わたしは、有機野菜を使ったランチの調理係だった。
「夜中先生」は、このカフェのカウンターで聞いた話が元になっている。
そういえば、わたしの単行本「ミクロ家出の夜に」(国土社・刊)も、
別の常連さんから聞いた話がヒントとなって生まれた。
「めだかの学校」のように、「だれがお客か店員か~」という、
暖かな、でも個性あふれる顔ぶれが集う店だった。

カフェの白い壁は貸しギャラリーとなっていた。
ギャラリーに展示を申し込むのは、絵本作家の卵さんや画家の卵さん、
アマチュア写真家さんたち。
そのなかから、早川純子さん、田中清代さん、なかむらしんいちろうさん、
鶴田陽子さんなどの絵本作家さんが巣立った。ピッピの「同窓生」だ。

お店はちっとももうかっていなかったが、
常連さんたちが「わたしのお店」として、いろいろなことに参加してくれた。
ケーキを焼いてくる人、カレーを仕込む人、お店のミニコミ誌を作る人。
絵本の読み語りの会や読書会、哲学を語る会なども毎週のように開かれていた。
みーんな、この空間を愛していたなあ。

閉店から17年。今でも、年に一度同窓会が開かれている。
店主のTさんと、元バイト、元常連さんが十数人、ひとときの宴に酔う。

いい時間と、中身の濃―い人たちに恵まれていた、あの頃。
その記憶の一端を「夜中先生」という物語にできたことがうれしい。

「夜中先生」の夜間警備員さんについては、単行本にもなっています。
ピッピ「同窓生」鶴田陽子さん作・絵による
『夜の校長センセイ』(ぱる出版、2004年)

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こちらは不思議な話ではなく、
小学生のボクとの心温まるやりとりを描いています。

常連さんが作ってくれた、カフェ用のティポットカバーとナプキン。
店終いのときにもらってきて、今も大切にしています。

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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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