金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

にじみ出るもの

  1. 2016/05/02(月) 15:37:45_
  2. 新しいインクの匂い
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 作家さんのお人柄は、どのくらい作品ににじみ出るものなのだろう。
この二冊の新刊、どちらもすごくおもしろくて、
どちらも作者さんのお人柄を感じた作品だ。

『ま~だだよ』 間部香代・作 ひろかわさえこ・絵 すずき出版

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 幼児向け絵本の王道を行くような作品だ。
絵とも素晴らしくよく合っている。
 おかあさんとかくれんぼをしているこぶたくん、
 もぐらくんやかえるさんやりすくんと出会い、
「かくれんぼしよう」とさそうけれど、
「もうすこしねてからね」とか「デザートまでたべおわったらね」。
まずやんわりと待たされるのだ。
すぐに「わーい、やろうやろう」という展開にはならない。
それぞれ、カエルさんにはカエルさんの、
りすさんにはりすさんの生活スタイルがあるのだ。
そこがいいな~。
作者の香代さんは、オシャレ感薫るハイセンスな個性の持ち主。
この愛らしい作品にも、それぞれの「生活スタイルを尊重する」というあたりに、
香代さんの個性、お人柄がにじみでているのはないかな。《けれびあ~ん!》

『めざせスペシャルオリンピックス・世界大会! がんばれ、自閉症の類くん』
   沢田俊子・著 文研出版

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こちらも、王道を行くノンフィクション作品だ。
 自閉症と診断された類くんは、
「大人になっても、知能の社会性も小学校低学年のまま」といわれていたが、
大好きなお友だちとの関わりのなかでどんどん成長し、
とても無理と思われた普通高校への進学をはたす。
そして、乗馬を始め、スペシャルオリンピックス(知的障がい者のためのスポーツ大会)の
世界大会をめざすようになる――といういわば「奇跡の物語」だ。
物語は、たくさんのエピソードが連なっている。
胸が熱くなり涙腺決壊したこと数回、
壮絶ないじめシーンですうっと血の気が引くこと数回。
取材時、類くんやご家族がよくここまで話してくれたもの、と思う。
作者の沢田さんは、きっとたくさんのたくさんの愛をこめて、
類くんやお母さんに会いにいったのだろう。
沢田さんのお人柄が、これだけの取材内容を引き寄せたのは
間違いないだろう。

さて、明日の5月3日から5日まで、
上野で「上野の森 親子フェスト2016」が開催されます。
児童書の出版社70社が出展する、子どもの本のお祭です。
五万冊もの児童書を謝恩価格で販売、講演会や読み聞かせもありますよ。
わたしの所属する日本児童文芸家協会も、
5月4日に出展しまーす! 遊びに来てくださいね!


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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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