金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

「はずれ雪」の日に

  1. 2016/01/24(日) 17:13:51_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
「はずれ雪」。
今、言葉を創りました。
週末、首都圏でも雪になるかもといわれていたのに、はずれ。
晴天の日曜日です。あ~~~あ。残念。
わたしは雪が大好きなのです。
雪害に遭われる方や通勤する方には申し訳ないですが。
雪が降るたびに防寒ブーツで散歩に出て、
雪だまりにダイブする、ヘンなおばさんです。

わたしの住む埼玉県は、雪は一冬に多くて3回くらいまでしか降りません。
子どものころはいつも雪を待っていました。
冬の朝、ぐずぐず布団のなかにいると、
母の呼び声「雪降ってるよ!」
「わーい!」と跳ね起きて窓辺へいったところが、真っ赤な嘘。
いや、地面が茶色だから真っ茶色な嘘ですね。

雪が降ると、一日中心が躍りました。
別世界が現れた不思議に見惚れました。
ふと、大人は雪が降っても喜ばないことに気がつき、
心底、恐ろしくなりました。
「わたしも大人になったら、雪がうれしくなくなる日がくるのかな。
そんなのいやあっ」
心配は無用、今でもちゃんと雪が大好きです。

雪の気配を感じると、こんな本を開きたくなります。
「海のむこう」土山優 文 小泉るみ子 絵 新日本出版社


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 北国の自然と暮らしが、なつかしく美しく描かれています。
 雪のにおい。氷の花。冬空に光るいなずま。
 五感がすくすくと覚醒されます。
 主人公の少女の、はずむ息づかいが聞こえてくるようです。

「小さいきょうだい」リンドグレーン著 岩波書店『ちいさいきょうだい』収 

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  「むかしむかし、びんぼうがひどかったころ」で始まる四話のオムニバス、古典名作。
  表題作の「小さいきょうだい」は、孤児となり心の冷たいお百姓にひきとられ、
  働かされてばかりの兄妹の物語。
  飢えと寒さに倒れかけた兄妹は、雪の上に赤い小鳥がいるのを見つけます。
  あとをついていくと、常春のミナミノハラが現れ・・・。
  美しく叙情的な文章、北欧ファンタジーの源流をたどることができます。
  よけいなことかもしれませんが、スウエーデンが高福祉国家を選択した礎を感じます。

「吹雪の夜」 ロバート・ウェストール著 徳間書店『真夜中の電話』収

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  突然の吹雪に巻きこまれ、命の危険にさらされた若い恋人たちの物語。
  吹雪のようす、寒さの描写がものすごくリアルで、バーチャル凍死しそう。
  ラストの幸福感に芯からあったまります。
  冴えないと思っていた少女へ、少年が突然抱く恋心。
  その青春のモヤモヤ感、高揚感ホテリ感も素晴らしい。


雪降れ~~~!

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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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