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金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

ウィンクと投げキッス

  1. 2021/06/05(土) 11:31:43_
  2. 金亀のひとりごと
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
このごろ、ジュリー・沢田研二が
脚光を浴びているような気がする。
故・志村けんさんの代役で主演する映画
「キネマの神様」の封切りが
近づいてきたせいかな。
半世紀に渡るファンとしては、観に行かずばなるまい。

若かりしころのジュリーのヒット曲に、
「ウィンクでさよなら」(昭和51年)というのがある。
♪ あなたにあっさりウィンクで 
さよならされそうで・・・♪
 
さてさて、その昭和のころ、
ウィンクというのは、日本人はやっていたのか? 
答えはもちろんNOだ。
そんなキザなことやるのは、映画の中だけだろう。
そもそも、日本人はウィンクは下手、
口の片側が持ち上がってしまう。

投げキッスもそう。
ユーミンの「少しだけ片想い」
(詩・荒井由実 昭和50年)の冒頭に、
「♪走り去る車に 小さく投げキッス」とあるけれど、
当時の日本人には、まるで根付いていなかった。

ところで、「ウィンクでさよなら」の作詞も、荒井由実。
そうか、ユーミンか! なんだか納得。
ユーミンなら、ウィンクも投げキッスも似合う。
オシャレ昭和だなあ。

投げキッスをナマで見たことはないはずだったが、
思い出した、一度だけ目にしました!
あれは、平成の始めのころ。
母が愛猫ミーを連れ、
埼玉から姉の住む奈良へ、引っ越したときだ。
荷物を送り出したあと、母は新幹線で移動、
わたしは奈良まで付き添った。
キャリーバックのなかのミーちゃんは、
あっちへこっちへ、落ち着かなく体の向きを変えていた。
キャリーののぞき窓から見えるミーちゃんは、
顔がひきつって三角形になっていた。
狭いところでがたんごとんゆられて、どんなにか不安だろう。
ときどき、「んんんいやあああ!」という声をもらし、
そのたびに母とわたしで、キャリーごしに体をさすってやった。

しばらくすると、小学校低学年くらいの女の子が二人、
近づいてきた。
姉妹だろうか、うす茶色の髪に青い目をしていた。
英語だからよくはわからないけれど、
「きゃー、猫ちゃんがいる!」とか「かわいい!」とか
「だっこしたい!」とかしゃべっているようだ。
バッグを開けることもできず(ミーが飛びだしたらたいへんだ)、
わたしと母は、曖昧に微笑むだけだった。
しばらくして、その子たちは
自分たちの席へと移っていったが、
名古屋駅に停まるころ、再びミーを見にきた。
ここで下車するらしい。
「かわいい猫ちゃん」「さよなら」みたいなことを話しかけ、
それから別れ際に、二人してチュッと、
ミーに投げキッスを送ってくれた。
とっても自然でサマになって、かわいかったなあ。

投げキッス、いいじゃないか!
文化の違いとはいえ、
愛情表現にいろいろなバージョンがあるって、
いいもんだなあ。

わたしは愛情表現が極端にへたっぴいなまま
二年前に亡くなった父を思い、ちょっとしんみりしたのだった。

猫といえば、チェシャ猫大好き。
(『不思議の国のアリス』に登場する、にやにや笑う猫です)

    DSC_0353.jpg

秘蔵のピンバッチと、イギリスのおみやげにもらったチョコレートの包み紙。


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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)
『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)
『ミクロ家出の夜に』(国土社)
『花粉症のない未来のために』
『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)
『知里幸恵物語』(PHP研究所)
『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』
(学研プラス)
『となりの猫又ジュリ』(国土社)
『クレオパトラ』『マイヤ・プリセツカヤ』(学研プラス)
『読む喜びをすべての人に 
日本点字図書館を創った本間一夫』
(佼成出版社)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員

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