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金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

昭和と令和の学徒動員

  1. 2021/05/30(日) 15:48:11_
  2. 金亀のひとりごと
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家人は、ナツメロ番組が大好き。
わたしはキライだけど。
(老境にあるかつてのスター歌手が
出ない声と格闘しているのはイタい)
そのナツメロ番組で、
渡辺はま子さんという歌手の映像が流れた。
あれ? この人、ナマで見たことがあるな。
お顔は覚えていないが、お名前に記憶がある。

中学生のときだったと思う。
住んでいた町に市民会館ができて、
開館記念式典に、
市内の中学の生徒が招かれた。
そのゲストが、たしか渡辺はま子さんだった。
当時すでに、ナツメロ歌手という認識だったから、
わたしを含め同級生たちには、
うれしくもなんともなかった。
それでも、聞き覚えのあった「蘇州夜曲」は、
なかなか良かった。

記念式典だから、市長挨拶などの時間のほうが長く、
めっちゃ退屈だったっけ。
でも、授業よりはマシだから、
まあいいか、と思っていたのだろう。

そう、フツーの登校日で、学校から出発したのだった。
ぞろぞろと、30分近く歩いて。
式典に、客席がスカスカだとカッコ悪いので、
参加させられたのだな。
つまり、「学徒動員」だ。

オリンピックについて、
いろいろ意見が飛び交っている。
無観客か? そもそも開催できるのか?
そのなかに、「子どもたちを招待する」という話があるのは
多くの方がご承知のとおり。

児童生徒と引率の教員を合わせて約81万人が
会場で観戦できるという。

しかし、「競技場への移動は電車やバスなど
公共交通機関を使用」だし、
参加しないと、「都立学校においては、休むと欠席扱い」だし、
「スタジアムの最寄駅の利用は禁止で
1駅離れたところから徒歩で」だそうで
(真夏の炎天下だぞ)、
これって、「学徒動員」にほかならないよねえ。
リアル観戦したい子どもたちは喜ぶかもしれないけれど、
引率の先生方のうんざり顔、
ヘトヘトの背中が目に浮かぶ・・・。

子どもたちは、「密を避けよ」とたたき込まれ、
給食は黙食だし、
校庭で遊ぶのもマスクのまま。
それでも、オリンピックは「聖域」。
感染や事故の危険が高くても動員するのね。

学徒動員は、
太平洋戦争を最後にしてほしいなあ。

画像は、コレクションから、文房具シリーズ。

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お道具箱ののりとかクリップとか、ちいさっ!
ふで箱の中身の鉛筆類は、取り出せるのよ。ちいさっ!
原稿用紙には、ちゃんと作文が書したためてあります。
「私の町の文房具やさん」ですって。ふふふ。


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オンライン、子どもたちは

  1. 2021/05/22(土) 11:06:54_
  2. 新しいインクの匂い
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5月21日、わたしが所属する
日本児童文芸家協会の総会が
開催されました。
コロナ禍の緊急事態宣言下ということで、
当協会初のオンラインによる総会となりました。
無事に終わってよかった~~~! 

久しぶりにお顔を見る方もいらして、
対面だったら「わー、元気でした~~?」などと
キャッキャするところですが、
それが叶わないのが辛いところ。

けれども、地方の方にも
時間や交通費の負担をおかけすることなく
集まれるというメリットは、すんごく大きいですね。
それに、「空気を読む」「以心伝心」
「飲みニケーション」の文化が根深く、
同調圧力もめちゃ強い日本においては、
このリモートの波によって
風通しがよくなるかも。
オンライン会議で意思疎通を図るには、
読み取るのは空気ではなく、明快な言葉ですもんね。

とはいえ、子どもの世界ではちょっと違ってきます。
思いをちゃんと言葉として伝えられないのは、
小さい子には当たり前。
どんな気持ちでいるか、
その子の全身から察してあげることは、
とっても重要でしょう。
逆に、子どもたちは、
大人の表情や言葉のニュアンスを、
想像以上に感じ取っているのでしょうね。

そんなことを考えたのは、
『しんぱいせんせい』北川チハル・作 大野八生・絵
を読んだから。

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一年生のたつやは、新任の担任の先生と話ができません。
しゃべろうとすると、声が「ひゅ~、どろん」と消えてしまうの。
心配性の先生は、「だいじょうぶかいなあ」が口癖で、
たつやはそれも苦手。
だれかに心配され、常に確認され続けるのは、
実は大人だって息苦しいはす。
たつやは、先生と目があったときに
先生の「まゆげのおしりがおちていく」のもきらい。
先生の表情の裏にあるものを、
感じ取ってしまうのでしょうね。
ほんまは先生と仲良くなりたいのに・・・。

こういう物語を読むと、
やっぱし学校は対面でなくちゃ! と思います。
オンラインでは乗り越えられないことが、
子どもの世界では大人の100倍1000倍はあるんじゃないかな。

コロナ禍の今はやむを得ないときもあるし、
オンラインでむしろ救われる子もいるかもしれない。
でも、会社員のリモートワークじゃないんだから、
定着はしてほしくないなあ。

給食の「鼻から牛乳」の世界は遠く遠くなりました。
早く、マスクなして授業を受けられて、
転げまわって遊べますように。
牛乳は吹かなくていいけどね。




母の日に、ガシャンの思い出

  1. 2021/05/15(土) 15:17:13_
  2. 金亀のひとりごと
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
またやっちまった。
ガシャンと、お気に入りのタジン鍋の蓋を落としてしまった。
陶器なので真っ二つ。あーあ。

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その次に、萩焼のマグカップを割った。
萩で買いこんで間もないのに、こっぱみじん。あーあ。

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ガシャンという音を聞くと、
子どものころの古い家の台所を思い出す。
その音がするたびに、「なにやったの~~~?」と
面白がって駆け込んだものだ。
床には割れたお皿やコップが散乱、
母が「へへへ」と笑っていた。
そう、母はそそっかしい人で、よく食器を割っていたのだ。
そのおかげというか、わたしがなにか割っても、叱られることはなかった。
「形あるものは、いつかは壊れる」なんて、母はにやりと告げたっけ。

母は気性が激しいほうで、わたしはかなり叱られて育った。
ほめられて育つ、とは遠かった。
思春期は、「わかってくれとはいわないが 
そんなにオレが悪いのか」的な、
暗い嵐の日々だった。
だから、「食器や花びんを割っても叱られなかった」は、
ほっとする甘やかな思い出だ。
こんなこと書くと、あの世でまた母に叱られそうだが。
今年の母の日は、そんなことを思い出して終わった。

割れたタジン鍋は、東日本大震災の直後に買ったもの。
購入記録を見ると、2011年3月13日だった。
原発事故を目の当たりにして、
これからはエネルギーを節約しなくちゃ、と
少ない火力で調理できるこの鍋を急きょ買ったのだろう。

タジン鍋は、わりと頻繁につかうので、
すぐに新しいものを購入。

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タジン鍋はほんまに時短・省エネルギーになり、
しかもおいしくできます!

これは、関係ありませんが「ナンジャモンジャの木」。

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近所の公園にでーっかく花の雲のように咲いていました。
本名は、「ヒトツバタゴ」というそうです。
一つ一つは可憐な花です。


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ファンタジー欠乏症につける薬

  1. 2021/05/09(日) 15:55:39_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
  3. _ tb:0
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「ファンタジー欠乏症」にみまわれた。
年に数回出てくる症状で、
とにかく不思議に満ちた物語が読みたくて、
うずうずしてくるというやっかいな病だ。
いそいで図書館で本を見つくろった。

『わたしといろんなねこ』
  おくはらゆめ 作・絵 あかね書房

  わたしといろんなねこ (1)

あやは、ねこ好きの小学3年生。
仲よしのアッキーとはケンカをし、
知りあったばかりのさくらちゃんとは
なかなか仲良くなれません。
そんなある日、家へ帰ると
巨大なねこや小さな小さなねこが現れ……。

おくはらゆめさんは絵本作家さん、
はじめての書き下ろし童話だそう。
なんといっても、あやのキャラがいい。
よけなことをしゃべって友だちを怒らせたㇼ、
うれしいときに「ゲッ」という声を出すくせのせいで
友だちにドン引きされたり・・・。
こんな子、いるよねえ。
 
『リンドキストの箱舟』
  アン・ハラム 作 丹治陽子 絵 文藝春秋 

わたしといろんなねこ (2)

舞台は、異常気象で
氷点下の凍土となった近未来の地球。
動物のほとんどが乱獲により
絶滅させられている。
その極寒の荒野を、
少女スローはたった一人で旅をする。
科学者であった母から引き継いだ、
野生動物の命の素「リンドキスト」をふところに。
スローの危機を幾度となく救ってくれるのは、
成長したリンドキストたちだった。

まあ、なんという強いファンタジーだろう。
とにかく、全編寒くて空腹で、一人ぼっち。
そして、主人公は誇り高く、
悪事にも手をそめ、うそもつき、したたかだ。
その存在感は圧倒的で、最後まで目が離せない。

ほんわかしながらも勇気の出る幼年童話と、
息はつけず全然ほんわかしない
ヤングアダルト物語。
どちらの主人公もかわいくて元気いぱいで、
という「いい子」像からは、少し離れている。
そこがいい。わたしは子どものころから、
「いい子物語」が大の苦手だったから!

コロナ禍中にあって、
物語で上質のトリップができ、
今回のファンタジー欠乏症は
すっかりおさまったのでありました。
 


一升餅背負って、ずしずしと

  1. 2021/05/02(日) 16:48:34_
  2. 金亀のひとりごと
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  4. _ comment:0
孫のけいちゃん、今月一歳になる。
生まれたのはコロナ禍の緊急事態宣言下。
マスクが当たり前という世界で、
人生最初の一年を過ごしたわけだ。

バースディケーキのろうそくを
「ふーーーっ」するのは、まだできないけれど、
人生初のスポンジケーキ(のかけら)を、
味わったね。

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一升餅を背負わせたら、
あら、意外に平気のへへへ。
両方から大人に支えてもらっているとはいえ、
けろっと立っていたよ。
足腰がしっかりしているのかな?

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このしっかりとしたあんよで、ずしずしと、
遠く、高く、深く、楽しく
歩いてほしいな。

さて、春は盛り。
植物の世界でも勢力争いがあり、
ここ数年道端によく咲いているのが、
ポピー。と思ったら、ナガミヒナゲシという名らしい。

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そして、今年妙に目に付くのが、タンポポそっくりなやつ。

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    タンポポとはちがう花びら

これは、でっかいのでタンポポじゃないと思ったら、
タンポポの一族らしい。
背の高さは50センチにもなっているヤツもいる。
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これ、根っこがものすごくがっしり張っている。
こうなると、立派に草ぼうぼう感が出てくるな。
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正直いって、可愛くない。
ポピーなら柔らかくそよいで、
目を楽しませてくれるのになあ。

でも、そんな人間の尺度なんて、
知ったことか!
ただひたすら根を下ろし、咲いて、
綿毛を飛ばすだけ。

そうだよね。
けいちゃんも、可愛くなくたっていい。
(いや、けいちゃん、可愛いけど)
柔らかくそよいで
目を楽しませてくれなくたっていい。
(いや、けいちゃん、ぽにゃっと柔らかいし、
いつ見ても楽しいけれど)

「女の子なんだから」なんていう
古典的な呪いに惑わされずに、
回りの尺度なんか知ったことかと、
がっしり根を張り、バキバキ大きくなって、
たくさんの綿毛を飛ばすがいいよ。

なんて考えたら、
うちのネズミのひたい大の庭に
はびこったきゃつらを、
引っこ抜けなくなってしまった、この春。





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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)
『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)
『ミクロ家出の夜に』(国土社)
『花粉症のない未来のために』
『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)
『知里幸恵物語』(PHP研究所)
『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』
(学研プラス)
『となりの猫又ジュリ』(国土社)
『クレオパトラ』『マイヤ・プリセツカヤ』(学研プラス)
『読む喜びをすべての人に 
日本点字図書館を創った本間一夫』
(佼成出版社)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員

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