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金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

持ち味、空気感というもの

  1. 2019/11/17(日) 16:10:42_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
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  4. _ comment:0
まったくちがうテイストの物語なのに、
共通の感想というか感慨を持って読み終えた本、二冊。

『よろしくパンダ広告社』間部香代・作 三木謙次・絵 学研プラス

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パンダの本田パンダは、広告会社のコピーライター。
商品やイベントのキャッチコピーを、悩んで悩みぬいて考え、編み出し、
仲間たちと泣いて笑う日々。
言葉の力、そしてクリエイターたちの思いが、
パンダの本田クンを通して、びしびしと心地よく伝わってくる一冊です。

『蝶の羽ばたき、その先へ』森埜こみち 著 小峰書店

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中学二年生の結は、突発性難聴により片耳の聴力を失う。
しかしそれをなかなか受け入れられず、親友にも打ち明けられず、
とまどい、不安につぶされそうになるが――。
からみあう思いを、繊細な文章に載せ、実にリアルに描き出しています。
決して暗くはなく、肩に力が入るでもなく、読後感はすっきりとさわやか。

この二冊、ジャンルも内容もキャラも文章も、まったく違います。
対極といえるほど。
でも、共通したものを感じました。
それは、一言でいったら持ち味を強く感じたということ。
といっても、持ち味が似ているのではありません。こちらも、むしろ対極です。
 
間部香代さんの、スコーンと突き抜けたような明るさ、
スポーツにも似た、胸のすくような爽快さ。
そして、森埜こみちさんの、やわらかな陽の光りを
窓辺でひっそりと浴びているような透明感と静けさ。

これが、それぞれの作家さんの持ち味なのでしょう。
個性ともいえるでしょうが、それよりむしろ空気感という感じ。
出そうとしても、計算ずくでは出せないにちがいない、味わいというもの。
個性を醸成する粒子のようなもの。

分不相応に、いくつかの童話コンクールの選考をさせていただいていますが、
賞を勝ち取っていくには、
この持ち味、空気感のあるなしが大きいような気がします。

さて、わたしにも持ち味ってあるのかな?
優れた作品を読むたびに感動しつつ、
「では自分は?」とへちゃげる、ヘタレカナジです。

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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)『となりの猫又ジュリ』(国土社)『クレオパトラ』『マイヤ・プリセツカヤ』(学研プラス)『読む喜びをすべての人に 日本点字図書館を創った本間一夫』(佼成出版社)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師

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