FC2ブログ

金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

ラノベ講座でオデコぶつけた件。

  1. 2019/08/12(月) 15:25:32_
  2. 児童書のぐるり
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
『平成』の新ジャンル「ライトノベル」とは何か ――ライトノベルの魅力を考える――
という講座(全四回)を受講してきた。
講師は、日本大学教授の久米依子先生(専攻は日本近現代文学、児童文学)

R1アフター5チラシ
 
「ラノベ」、ライトノベルは、児童文学のすぐお隣さんのジャンル。
にもかかわらず、わたしはほとんど読んでいませんでした。反省。

ラノベの定義はというと、専門家でも難しいらしく、
「絵がついている」「10代の、主に少年向き」
「非リアルな世界」などがあげられるらしいが、
もちろんそのワクから飛び出るものも多く、
けっきょくは「ラノベのレーベルから出ているものはラノベ」、
と括るしかないらしい。
ルーツは、明治時代の「新八犬伝」巌谷小波あたりにまで遡れるそうだ。
年間の出版点数、今や2000点という、一大ジャンルだ。

講義はとってもおもしろかった。 
「ライトノベルの誕生」からはじまって、
「ライトノベルの魅力 (1)キャラクターとジェンダーの越境、
(2)メディアミックス」、
「進化するライトノベル 国際化・『なろう系』、・ライト文芸』」というもの。

ゲーム世代の文学のハシリだったんだな~とか、
10代向けだからやっぱり学園物が王道だな、とか、
一回死んで転生して異世界に行くものがなんでこんなに多いんだ、
などなど、興味深く聞いた。

取りあげた主な作品は、『ロードス島戦記』『スレイヤーズ!』『キノの旅』
『バカとテストと召喚獣』『涼宮ハルヒの憂鬱』
『All You Need Is KILL』など、12冊。
全部はとても無理だったが、けっこう読みまくった。 
内容は自由そのもの。

『キノの旅』(時雨沢恵一 黒星紅白 絵 KADOKAWA電撃文庫)

61WR5Xe1RnL__AC_UL640_QL65_.jpg
深い! 児童文学寄りの作品。でも、童話としてはかなり辛口、児童書としては出版できないかも。 

『涼宮ハルヒの憂鬱』(谷川 流著、角川文庫版)

71FlxoKAXuL__AC_UL640_QL65_.jpg
コミックにアニメ、ちらちら目にはしていたけれど、ちゃんと読んだのは初めて。さすが金字塔、爆!

『All You Need Is Kill』(桜坂洋 著 小畑健 絵 集英社) 

allyouneed03_fixw_640_hq.jpg
すごい迫力、クラクラした! 
コミックはもちろんのこと、ハリウッド映画にもなっているのね。納得です。

わたしが10代のころにこのジャンルがあったのなら、
マンガばっかりでなく、こっちも読んだろうな(ハイ、マンガ漬けの10代でした)。

「小説家になろう」というweb投稿サイトがある。
8月10日現在で、小説掲載数672,374作品 登録ユーザ数1,612,533人!
100万人超の書き手さんとその予備軍やファンがいるってことか!
やはりラノベが圧倒的に多く、まるで「ラノベ畑」の様相。
作品は出版社の注目度も高く、編集者は新作がUPされる曜日になると、
延々と何十作も読んで、新人発掘に努めるそうだ。
実際、web投稿サイトから生まれた作品に、
『異世界居酒屋のぶ』『ソードアート・オンライン』
『君の膵臓を食べたい』などがある。
それらを「なろう系」と呼ぶそうだ。
なるほどねえ、コンクールや持ち込みだけが、今や作家デビューの道ではないのだな。

児童文学との関わりは、どうなんだろう。
講師の先生がおっしゃった。
「若者のなかで、いわゆる『児童文学』を読んできた人って、いないですね~。
うちの学生も、『児童文学読むと、暗くなる』といってたりして。
児童文学、振るわないです。
ハードカバーの児童書は、図書館が買ってくれるので一定数は売れる、
そこで安心しちゃっているのでしょうか」。
ここでわたしは、がっくりばったりして、机の上にオデコをぶつけちまった。
「そんなことはない!」と反論できない自分が悲しい。

う~~ん。危機感がひしひしと。
このメディアミックスの時代にあって、
じみ~でお固い児童書は、
自著も含めて図書館の棚から一歩も外に出ることがなかったりして・・・。

ものすごく勉強になったラノベ講座ではありますが、
ものすごくしょんぼりと帰途についたのでありました。


スポンサーサイト





NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY


プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)『となりの猫又ジュリ』(国土社)『クレオパトラ』『マイヤ・プリセツカヤ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師

« 2019 08  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR