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金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

金魚の金ちゃんになった日

  1. 2018/11/25(日) 14:43:51_
  2. 児童書のぐるり
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先週、「おはなしエンジェル子ども創作コンクール」の授賞式があった。

毎年、選考委員のはしくれとして出席しているが、
今回は重要なお役目を、申し付かった。
幼児・低学年部門の最優秀作品「金ちゃんのおとしもの」の朗読だ。
ハイ、その人選は、わたしが日ごろ「金ちゃん」と呼ばれているから、だけなんですがね。

作品は、可愛がっていた金魚ちゃんの死を
この上なく優しく暖かく描いたもので、じーんときます。
大人には書けないなあ。

朗読のとき、わたしは、赤い金魚ちゃん帽子と、
朱色やオレンジにひらひらするスカーフをつけて、壇上にあがった。
 
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このかわゆい帽子は、選考委員のお仲間のTさんが貸してくれたもの。
むふふ、テンション上がるう! ええ、恥ずかしくなんか、ないっすよ。
むしろ、成り切ることができて、いいカンジ!
調子に乗って、集合写真撮影のときもかぶったまま。

ふと、ハロウィンの渋谷の騒ぎを思い出した。
仮装しちゃうと、「いつもの自分じゃないもんねー」と解放感たっぷりで、
やっぱりテンション上がるんだなろうな。
それが、何万人もあつまるのだから、集団心理も働き、
残念なマナー違反やら犯罪行為まで出てくるわけだ。

「素顔を隠す」、それを逆手にとる心理療法もあるそうだ。
授賞式のあとの懇親会で、選考委員のOさんから聞いた話。
ピエロのマスクをつけた姿で、カウンセリングを受ける。
すると、別の人間であると自分自身を「だます」ことができ、
心の奥に淀んでいた思いを客観視して、はきだすことができるのだそうだ。
そのとき、あのピエロの大きな鼻が役に立つらしい。
仮面をかぶっても、鏡に映さなければ我が姿を見ることできないけれど、
「鼻」は、唯一、鏡なしでも目線を下げればその形がおぼろげにわかるから。
「あ、今、わたしは〇山〇子ではない、ピエロだもんね」という解放感が、
心理療法上、いい効果をもたらすんだって。
なるほどね~。

どうせなら、仮面やコスプレを、いいことに使いたいね!
「金ちゃんのおとしもの」の作者のリンくん、喜んでくれたかな?
 
もしや、ただの「イタいおばさん」だったりして!

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かなわなかった夢でも・・・

  1. 2018/11/18(日) 12:31:42_
  2. 児童書のぐるり
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昨日は楽しい一日でした。
お友だちのひろいれいこさんの、初出版のお祝い会が開かれたのです。

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デビュー作の『月あかり洋裁店』(絵 よしざわけいこ PHP研究所刊)は
秋にふさわしい、しみじみと美しく、ロマンあふれる作品で、
出席の上野与志さんが名付けた「ロマンティック・ファンタジー」に、
みんな大きくうなずいていました。

この物語で、わたしがうるっときたポイントは、「かなわなかった夢」。
ひろいさんの挨拶。

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「かなわなかった夢も、尊いもの・・・」
うんうん、かなわなかった夢にも、自分の努力と希望が、
つまっているんだもんね。

ああ! あのボツ原稿の山も、無駄ではないんだ。尊いんだ・・・。
ありがとう、ひろいさん! 

出版お祝い会に出席って、ほんとうに楽しいです。
これまでにも書いたけれど、幸せの余波をあびて、
リフレッシュできる日なんです。
明日から、いや、今日からまたがんばろう!

おみやげは、物語にちなんて、うさぎさんの「アイシング・クッキー」。

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困った、かわいすぎて食べられない!


親というヒトを思う11月

  1. 2018/11/11(日) 13:09:04_
  2. 金亀のひとりごと
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11月は、わたしの亡き父母の誕生月だ。同じ歳で、同じ月生まれ。
さぞ夫婦仲が良かったのではと想像されるかもしれないが・・・
そこはムニャムニャ。

親というヒトとの関わりは、なかなかやっかいだ。
近すぎて、客観視ができにくい。
性格そのものは、わりと早く把握できても、
これまでの人生、社会とのつながりをひっくるめての「人格」を
落ち着いてとらえられるのは、
もしかして亡き後のことなのかもしれない。

父は、大酒飲みだった。
給料が銀行振込になる前の、給料袋で手渡されていた時代、
母は、給料日にそうとう気をもんだようだ。
父が赤提灯につかまらずに、無事に帰宅しますように、と。
乏しいボーナスの半分を、飲んでしまったこともあったようだ。

だから、父という人はお金に関して大雑把だと思い込んでいたのだが・・・。
わたしが成人してからのこと、父の財布をたまたま目にして、目を見張った。
お札は札入れに、向きをそろえて収めてあり、
小銭に小銭入れに、硬貨の種類ごとにきれい並べられていた。
こんな人だったんだ・・・。
そういえば、服をぬぎ散らかしたり、
私物をリビングに置きっぱなしにしたりは、一切ない人だった。

母は、けっこう強気の人だった。
……ということを、子どものころのわたしは、あまりわかっていなかった。
その強気と、わたしのアマノジャクな性格は、よくぶつかったなあ。
そんな母が、小学生のころのわたしに説いたこと。
【駕籠に乗る人、担ぐ人。そのまた草鞋を作る人】
 母は「世の中、いろんな人がいる。自分とはちがう立場の人への
思いやりを忘れちゃいけない」と語ったように思う。

あの負けん気の強い母が、この慣用句を娘に残したことが、
今となって、おもしろい。

そんなことを思い出す、11月。

父の故郷は山梨。山梨側から見た富士山です。

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亡くなる二年半前の母。

      ばーちゃん

米寿のお祝いで、いっしょけんめい「ハッピーバースディ」を歌ってくれた、
ひ孫のMちゃん(わたしの孫ではありませぬ)。


どうぶつの物語に個性がいっぱい

  1. 2018/11/04(日) 16:54:53_
  2. 新しいインクの匂い
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このところ、どうぶつヅイています。
先輩やお友だち作家さんの新作を、
立て続けに読んでみたら、たまたまどうぶつものばかり。
どれも、その作家さんの個性や思いがむんむん。

『こすずめとゆき』 深山さくら 文 黒井 健 絵 佼成出版社

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 はじめて雪を見たこすずめと、かあさんすずめの物語。
 五感をふるわせてくれる美しさです。
 すずめの子になりきって、初めて出会う雪のふしぎさと美しさ、
 かあさんとすごす日々の温かさを味わうことができます。
 小さな命を慈しむ物語や絵本を多数出版されてきた深山さんの、本領発揮。

『ゆうなとスティービー』堀米薫 作 丸山ゆき 絵 ポプラ社

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  ゆうなの家は、牛を飼っています。
あるとき、生まれた子牛の目が見えていないことがわかって――。
命をめぐる絵本です。
 作者の堀米さんも、牛を飼う農家さん。その忙しい家業のかたわら、
農業や東北の地に根差した優れた物語を、何冊も生み出しています。
 
『ぼく、アーサー』井上こみち 文 堀川理万子 絵 アリス館

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 ノンフィクションを題材とした絵本で、
アーサーという盲導犬の「犬生」を感動的に描いています。
筆者は、長年ノンフィクション作家として第一線を走ってこられ、
特に動物ものでは追随を許さない作家さん。
その取材力やこれまで作品にこめてきた思いが、
絵本の形に集大成されています。

『犬の車いす物語』沢田俊子 文 講談社 青い鳥文庫

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 こちらは、中学年向きのノンフィクション物語。
 事故や病気や加齢で、歩けなくなってしまった犬たちのために、
車いすを手作りしているご夫妻。
そして、車いすで「犬生」が激変した犬たちの物語です。
沢田さん、どれだけの熱をこめて取材されたことでしょう。
その「情の濃さ」、熱い思いが伝わってきます。


こうして続けて読むと、それぞれの作家さんが、
これまでの作家人生で培ってきた個性、
それにより集約されてきた「得意分野」が
よーく見えてきます。

そう、この二つを持っているかどうかが、
作品が世に出るか地に埋もれるかどうかの
分かれ道なのかもしれないな。

・・・な~んて、自分はどうよ? とつっこんでみた秋の夜長でした。



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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)『となりの猫又ジュリ』(国土社)『クレオパトラ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師

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