FC2ブログ

金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

物語の吸引力って

  1. 2018/07/29(日) 17:01:17_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
埼玉県立近代美術館で、「浦沢直樹展」見てきました。

浦沢

わたしは、めちゃコアなファンというほどではありませんが、
この作家さんの画力と物語の大きさ、濃さには、リスペクトするしかない。

わたしが初めて読んだ浦沢作品は、『MASTERキートン』(長崎 尚志・原作 小学館)で、
その内容の広がりと密度、絵の魅力に圧倒されました。

       キートン

絵については、この方の描く人物は、どれも魅力的ですが、
注目しちゃうのは、主役でもわき役でもない「その他大勢」。
たとえ一回きりの登場でも、なんだか背負っている人生が感じられるの。
ああ、この作家さんは自分が生み出すキャラを愛していて、
そしてご本人は間違いなくマンガの神様から愛されているんだなあ。

展覧会は、原画やスケッチ、少年時代のマンガノートなどがいっぱい、宝の山。

 浦

                浦2
 (画像は、『20世紀少年』(小学館)のパネルと立体像。撮影可)

原画を見ていると、あっという間に作品世界に引きずり込まれます。
この吸引力がすごい!
作家という 「創造主」のエネルギーですね。
           

さて、児童書界で吸引力ハンパないな~と感じたのは、
戸森しるこさん。
デビュー作の『ぼくたちのリアル』(絵・佐藤真紀子 講談社)が
昨年の児童文芸新人賞はじめ、読書感想文全国コンクールの課題図書になったり、
またたくまに大活躍。

      リアル

ひらたくいえば、三人の少年の友情物語で、
とくにぶっといストーリーがあるわけではないのに、
主人公の思いに引っ張られ、あっというまに物語の世界へ。

海外の作品では、『スピニー通りの秘密の絵』 ( ローラ・マークス フィッツジェラルド・著 千葉 茂樹・訳 あるなろ書房)
引っぱられましたあ!

 スピニー

ニューヨークを舞台にした、美術ミステリーというのかな。
主人公の女の子が、経済的な事情から、ある美術上の謎を解くことになり、
たまたま出会ったセレブ女子と協力して・・・。
ミステリーだから、吸引力強くて当たり前っちゃ当たり前なんだけど、
謎解きしていく過程で出会う人たちがユニークだったり、
セレブ女子との会話がおかしかったり、辛く重たい時代を旅させてくれたり、
極上の読書タイムをもたらしてくれました。

ああ、吸引力。どうやって身に着けるのかなあ。
いや、天性のものなんやろうね。
な~んて、ひとごとのように書くなって! 


スポンサーサイト

かしこいエルゼに学んだわ

  1. 2018/07/22(日) 18:37:46_
  2. 金亀のひとりごと
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
我が家に、えむちゃん遊びに来た。
この冬生まれた女の子の初孫ちゃんだ。
新人ばーばは、ドキドキする。
というのは、我が家はめちゃくちゃ「バリアありー」の家で、
段差やでっぱりがひどいのだ。
えむちゃんが寝返りして、「畳スペース」から落っこちたらどうしよう。
「畳スペース」は、床から30センチほどの高さの「崖」なのだ!

幸い、ごろごろ連続寝返りは、まだのようで、今回は転落の危険はなかった。

        えむ③

しかし、はいはいやあんよができるようになったら、転落は必至。
さらに、駆け回るようになったら、テーブルやピアノの角にぶつかるにちがいない。

ふと、グリム童話の「かしこいエルゼ」を思い出す。
かしこいという評判の娘、エルゼに縁談がもちあがり、
相手の若者、ハンスが家に遊びに来た。
母親に命じられ、地下室へビールを取りに行ったエルゼ、
ビールの樽の上の棚に、職人がうっかり置き忘れたつるはしがあるのに気がついた。
「ハンスと結婚して、子どもが生まれ、その子が大きくなって、
この地下室へビールを取りに来る、
そしたらあのつるはしが、その子の頭に落ちてくるわ」
と、エルゼはさめざめと泣きだす。
すると、親たちや下男たちも、心配が伝染してさめざめと泣きだしてしまう、
という、笑い話なのだが。

はい、こんなかしこいエルゼにならないよう、
えむちゃんが転落しないための方策を考えましょう。
家具の角には、クッション材を張りましょうね。

それにしても、えむちゃんが大人になるころ、日本はどうなっているんだろう。
あいかわらず与党政権がやりたい放題なんじゃないか。
「合法的に」残業代を出さない職場で、死ぬまで働かされるんじゃないか。
カジノが日本中のあちこちに出現して、
怪しげなやつらがうろつき、かわいいえむちゃんを連れていくんじゃないか。
さらに、戦争が起こり、徴兵制があり、
えむちゃんにまで「赤紙」が届くんじゃないか・・・。

これは笑えない。
エルゼのように、先を読み過ぎるくらいがいい。
大人の責任として、危ない「つるはし」は、とっとと片づけなくちゃね。
日本中のえむちゃんが、なんの心配もなく育っていけるように。

      えむ②


         

キメラ、お疲れー。

  1. 2018/07/15(日) 12:14:58_
  2. リアル亀
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
食欲がすごい。産褥期だ。

えへ、これ、亀のはなし。
26歳のメスのキメラさん、今年もなんとか卵を産んで、
現在体力回復のために、ガツガツエサを食いまくっている。

彼女は8歳くらいから卵を産み始めた。
産卵は、五月下旬から6月中旬にかけて。
三回くらいに分けて、5,6個ずつ産んでいたろうか。
無精卵なので孵らない。オスも飼っているけれど、
キメラさんはオトコ嫌いで寄せ付けないから、いつも無精卵だ。

 卵
 これは、10年くらい前に産んだ卵の画像。クサガメの卵って、こんな感じです。

20歳近くになってから、さすがにトシらしくて、
卵の数が減ってきた。
ここ数年は、全部で6,7個という感じ。
産む時期もずれてきて、今年は6月の終わりだった。
産卵期の二か月くらい、エサをほとんど食べない。
しかも、秋冬の間、いっさいエサを食べず、
3月ごろからちょっとだけ食べはじめるが、
あんまり食欲はない。
つまり、前年の11月くらいから6月終わりまで、
ろくにエサを食べていないことになる。
それなのに、産卵前は興奮状態になるらしく、
ガタンゴトン大暴れしてしまう。
早く産み終わらないと、さすがに飢えてしまうだろう。
毎年この時期は気をもむ。

一昨年はたいへんだった。
甲羅のなかに卵がいっぱいつまって産みたくても産めなかったようで、
都内の医者に行って「陣痛促進剤」のような注射をしてもらって、
なんとか「普通分娩」にこぎつけた。
卵が出てこなかったら、
帝王切開――亀の場合は甲羅を割っての手術になるところだった。

「産む性」というのは、なんと苦労が多いのだろう。
「亀ごと」ながら、この不公平さが理不尽なものに思えてくる。

ヒトだって、産む性の苦労は同じ。
なのに、日本人のオス、特に中高年のオッサンの、
ママやプレママや乳幼児への理解と支援の、なんと少ないことか。
待機児童の数や男性の育休取得数をみれば、一目瞭然だろう。
「ぼーっと生きてんじゃねえ!」と
うちの二匹のオス亀にかこつけて、どやしつけたくなる。

さて、今日も長靴はいてモップをにぎり、
大汗かいて、ベランダの大型水槽の水替えと掃除。
きれいな水になると、老境にさしかかった亀三匹、
うれしそうに目を細めてくれる…と思っておこう。画像は、キメラ。

 DSC_0206.jpg


朝の「お食事処」は、室内の水槽。
食べ終わると、「早く外に出せ~~~、こら~~」とばかりに、
こんなカッコに。画像は、オスのガメラ。

 DSC_0030.jpg


乗ることを楽しむために、乗る

  1. 2018/07/08(日) 15:57:39_
  2. 金亀のひとりごと
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
先月、草間彌生展に行ったことは、ブログに書いた。
一泊二日のこの小さな旅には、もう一つ目的があった。
それは、「HIGH RAIL 1375」という、
信州の小海線の特別列車に乗ること。

電車

小淵沢を10時半に出発、小諸まで2時間かけて、のんびり走る。
「佐久の大地の花束ブランチ」とボトルのお茶付きだ。

弁当
 
このお弁当、地元産の食材で作られた、オシャレでヘルシーなもの。

窓の外は、手が届きそうな緑。

車窓

座席はこんなにゆったり。 車内

ああ~、くつろぐ。心と体が喜んでいる。
目的地までの移動手段ではなく、
ただ乗ることを楽しむ。
電車好きとしては、とほうもなく贅沢な気分がする(個人の感想です)

ふと、2004年から2010年まで、
日本の空を運行していたドイツ製の飛行船「チェッペリンNT号」を思い出した。

300px-Zeppelin_NT_in_Kansai_airport_Osaka,JAPAN
(画像は、ウイキペディアからお借りしました)

妄想がふくらむ。
【今や、飛行船の旅が当たり前の時代。。 
ぎゅうぎゅう狭いところに押し込められる飛行機より、大人気!
大空をのんのんと、
地上の遺跡や大自然を見下ろすことが目的の旅はいかが?
海上の豪華客船並みのくつろぎをどうぞ】
な~んてね。
そんな時代だったら、どんなに楽しいことだろう。
ドイツに帰ってしまった飛行船が、とてもとてもなつかしい。

さて、電車。
信州の里山をトコトコ走る、長野と塩尻を結ぶ篠ノ井線もいい。
松本の友人のところへ行くときはいつも、長野から各駅停車で行く。

     景色

姨捨駅からの眺めは絶景だ。
「田毎の月」で有名な棚田や千曲川が見える。

   姨捨

オマケのように楽しいスイッチバックもある。
目的地に向かいながらも、乗ることを楽しんだ。


メイさん、ジュリちゃん

  1. 2018/07/01(日) 17:01:42_
  2. 金亀からのお知らせ
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
うれしいお知らせをいただきました。

『となりの猫又ジュリ』(絵・はしもとえつよ 国土社)、
長崎県の読書感想文コンクール課題図書選定に続き、
全国学校図書館協議会選定 第51回「夏休みの本」(緑陰図書)に選ばれました!
わわわ、角野栄子さんや、ダイアナ・ウイン・ジョーンズさんといっしょに並んでる!

『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』、
神奈川県の読書感想文コンクール課題図書に選定され、
重版出来、3刷りにしていただきました! 

       ジュリ


第51回「夏休みの本」(緑陰図書)は、お友達の北川チハルちゃんも、
『えっちゃん ええやん』(絵・国松エリカ 文研出版)が低学年の部で選定、

   えっちゃん

森埜こみちさんも、デビュー作
『わたしの空と五・七・五』(山田和明・絵 講談社)で選定されました。

 575 1

わーい、よかったね!

こうしてご褒美もらえて、なんとありがたいこと。
20年以上前のことを思い出します。

子育てのかたわら、ほそぼそと一人で書いていて、
ほそぼそとコンクールに応募していて、でもぜんぜん箸にも棒にも引っかからず、
あと一年やって、まったくダメだったら、見切りをつけようと思っていました。
そうはいっても、そのころ児童書専門店でアルバイトをして、
地元で読書会を三つと読み語りボランティアをやり、児童書三昧の日々、
それだけでも充実していたので、
あまり悲壮感はなかったのです。

それからなんとか一年以内に、はじめてコンクールに入選。
日本児童文学者協会の創作コンコールでした。
その後、縁あって日本児童文芸家協会の系列のサークルに入会、
デビュ―作は、児童文芸家協会の創作コンクール入賞作でした。

あきらめの早いわたし(根性ナシともいう)が、なんとか創作を続けてこれたのは、
この二つの協会のおかげ。ありがたいことです。
ああ、見切りをつけないでよかった。
こうして、素敵なメイさんや、りっぱになったジュリに出会え、
子どもたちとつながっていられて、ほんとうによかった~。




NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY


プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)『となりの猫又ジュリ』(国土社)『クレオパトラ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師

« 2018 07  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR