金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

心と胃袋は・・・

  1. 2017/09/25(月) 15:34:52_
  2. 金亀のひとりごと
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 その日、わたしはへろへろだった。

 先週、北海道を二泊三日で旅した。
旅の目的は次回書くとして、今回はその帰路のこと。
最終日、先だって日本列島を縦断した台風が北海道を直撃、
JRが止まってしまった。
わたしは北海道でJRに乗ったことがない。北海道新幹線にも乗りたい。
なので飛行機ではなく、登別からJRで埼玉まで帰ることにして、
指定席を確保していたというのに。
 しかたなく、登別近くの虎杖浜というところの温泉ホテルに泊まることにした。
タクシーの運転手さんが、予約なしで、しかも女の一人客でもOKのところを探してくれたのだ。 

 ホテルの窓から見た海。大荒れでコワイ。このあたりの家、避難勧告も出てました。

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ホテルは夕・朝食ともにバイキング。
これがまた・・・。うら悲しい情緒がたっぷり楽しめましたわ~。ほほほ。
おいしかったのは、じゃがバターだけ。あとは察してくださいな。
でも、そういうわびしさもキライじゃないから、まあいいさ。
海なし県の埼玉人、海を見たら心はアガるし。

翌朝の海。
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しかし・・・この食事で宿泊費14800円は高いだろー。部屋もかなりの残念感。
と、ここで第一章のへろへろ。

 翌日、登別から特急で新函館北斗へ。指定席は取れず、
自由席は昨日移動できなかった人たちでいっぱい、朝の通勤電車並みの混み方だった。
うげー、これは、つらい。これがへろへろの第二章。
しかたなく、デッキのすみっこでおしくらまんじゅうのアンコとなる。
あれこれ体制を立て直し、スーツケースの上にちょこんと腰かけられたから、多少は楽。(チビは便利)

ああーーー! でも人込みで景色が見れない! へろへろ第三章。
あっしはすっごくこの旅程を楽しみにしていたんですぜ。
シートにゆっくり座って、車窓に広がる原野や海や小さな漁港や、大沼の景観を楽しみたかったなあ。

乗り継ぎの北海道新幹線は、かろうじて指定席が取れたから、新函館北斗までの二時間は耐えよう。
・・・と思ったら、途中で列車停止。車輪に不具合が生じたらしい。
結局45分遅れで新函館北斗に到着、予定の新幹線は無情にも行っちまっただよ。へろへろ第四章!
ここで、気持ちがポッキリ折れました。どっと疲れが出て、ふらふら。
だいたいわたしは閉所恐怖症気味で、せまい空間に詰め込まれると気分が黄土色になっていく
(黄土色、というしかない妙な気分の悪さなのだ)。

 よれよれとみどりの窓口へ向かう。
次の新幹線の席を調べてもらうと、1時間後の北海道新幹線で席があるのは盛岡まで。そ
こで下車し、三〇分後に別の便を乗りかえるなら座れるとのこと。
席があるならいいや。

 とにかく、ハラへった(気分は黄土色でも、おなかはへる)。
時刻はすでに午後1時を過ぎている、お弁当買わなくちゃ。
 目当ては、鰊弁当だ。北海道の味といったら、今では蟹や乳製品やジンギスカンだが、
かつては鰊。鰊漁のにぎわいって、すごいものだったらしい。
 これで買えなかったら、へろへろ第五章となるところだったけれど、
ちゃんとありましたよ。神はまだわたしを見放していなかった。

 鰊みがき弁当
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 ふたを開けると、身欠き鰊の煮付けがどーんとのっかている。
けれどもそれを凌駕するのは、黄色い固まりだ。
こ、これはまさかタクワンぶつ切りじゃないよな? 
おそるおそる口に入れると、ぷりぷりぷり。
やったじゃん、でかい数の子だ! 
鰊の卵だもん、このお弁当に入っていても不思議はないのだか、これはサプライズ。
 身欠き鰊もこっくりと味が染みて、子どものころに食べたっきりの懐かしい味だ。
この味を知っているのは、もはや中高年だけかもね。
 このお弁当は函館名物で、昭和41年からあるそうだ。よくぞ残っていてくれました。こんな地味においしいお弁当。
北海道のかつてのやん衆の心意気の名残を、経木の中に見つけたよ。
これで880円はウレシイ。
 
かみしめているうちに、折れかかった心もへれへれの背骨も、しゃんと伸びてきた。
うむ、わたしの心は胃袋とつながっている。

 急ぎの仕事も気になるので、持参したポメラをポチポチ叩く元気も、
湧いてきたのでありました。
 

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亀の食欲についての学術的考察

  1. 2017/09/18(月) 12:02:05_
  2. リアル亀
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うちの亀たち、食欲がない。秋だからねえ。

亀についてよく聞かれるのは、
「エサは何を?」と「冬眠するの?」ということだ。
エサは、常食は「亀プロス」という配合飼料で、
たまにオヤツとして乾燥糸ミミズを固めたものをやっている。

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亀プロスを食べるキメラ。8月下旬。

8月中旬くらいから、オスのガメラとミニラの食欲が落ち、亀プロスを食べなくなった。
しかたなく、糸ミミズをやる。
しかしそれも、9月に入るとほとんど食べてくれない。
メスのガメラは、8月いっぱいくらいまで食欲旺盛だが、
9月の声を聞くとやっぱり小食になっていき、
10月末には「いらんわー」とエサを手ではらいのけるようなしぐさをする。
三匹とも、3月中旬までエサなしの生活となる。

暖かい家のなかに水槽を置くため、冬眠はしないが、
食べずに五か月以上生きているというのは、さすが亀さん、ばつぐんのコスパ!

気温が下がれば食欲が落ちるわけだが、ちょっと腑に落ちないこともある。
盛夏とたいして変わらない気温でも、9月はろくに食べず、
まだまだ寒い4月に、バクバク食べるのだ。
もしや、日照時間が関係しているのかな。

考察してみました。
しっかり食べ始めるのは・・・春分の日くらいから?
一番多く食べるのは・・・6月から7月。つまり、夏至のころ。
食べなくなるのは・・・「男子」は秋分の日くらいから。
           「女子」はその一か月あとくらい。
この差、「女子」が食いしんぼであるためではない(実際、食いしんぼだけど)
5月後半から6月、キメラは産卵期で、
1か月間くらいエサをまったく食べなくなるため、
その分を取り戻しているのだと思う。

う~~む、やっぱり、亀の食欲は日の長さに関係しているのだな。
基本的に、「一年間のうち昼が長い時期に食べる」。
「夜が長くなると、食べない」。

おお、なんてナチュラルな亀たちだこと。見直したよ(何を?)。
よし、これを学会に発表しよう!(何の?)

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 ガラス戸に写った木の枝が、さらに水に写り込んで、ちょっと不思議な画像です

文字によって失うものもある

  1. 2017/09/10(日) 15:39:45_
  2. 読み語りは楽しいな
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もらっちゃった。かわいいお手紙。
小学二年生の女の子から。

DSC_1545.jpg

わたしの本「逢魔が刻のにおい」(学研)がおもしろかったって!うれしいなー。
でも、この本、中学年向きでわりと長いんだけど・・・
と思ったら、「まい日ねるまえにお母さんがよんでくれる」んだって!
いいなあ。素敵な母娘さんにこの本を選んでもらえて、幸せだなあ。

大人はついつい、小学生なら、いや、幼稚園児であっても、
早く自分で読んでほしいと思いがち。
でも、ゆっくりでいい。
耳から入る文章を頭のなかで映像化するおもしろさを、まず感じてほしい。
だって、人類の進化の道すじは、そうだもの。
ことばがあり、絵や図形や造形があり、それから文字だもの。

文字を持たない民族は世界中にたくさんある。
記憶力がすごくいいらしい。
アイヌの人々もそうだった。
三日もかかる長大な英雄叙事詩をよどみなく語ることができた。
ケルトの民には、吟遊詩人というロマンに満ちた職業があった。
アイヌと同じく、膨大な詩物語をそらんじていたのだろう。
数年前に訪れたモンゴルも、その昔は文字を使っていなかった。
たまたまかもしれないが、ツアーのガイド嬢は記憶力抜群で、
電話番号のメモなど不必要、すぐに覚えてしまうから、とのこと。「みんなそうですよ」だって。
モンゴルの力士たちがみな驚くほど日本語の習熟が巧みなのも、
無関係ではないかも。

人類が文字を持つことによって、失うものもあるに違いない。
記憶力や音声からのイメージ力やら。

図書館へ絵本の読み語りボランティアに向かうと、
絵本を一心に「読んでいる」小さい子がいる。
小さな声で、たどたどしく文字を読んじゃっているのだ。
「おばちゃんが読んであげようか」というと、
ママから「自分で読めるからいいです」なんてやんわりと断られるときもある。
あらら、残念。でも無理強いは禁物だ。

なかには、「読んで」と差し出してくれる子もいる。
ゆっくり読み語ると、おお、目線はちゃんと絵に注がれていて、満面の笑顔。
そう、絵本の場合、字を読んでしまうと、
絵のおもしろさをつかみ取る力が弱まるのですわ。
大人も同じ。ほかに人に読んでもらうと、絵本は2倍おもしろいですよ。
絵の魅力、細部にこめられた画家さんのこだわりや遊び心が見えてくる。

できたら一対一か一対二くらいの少人数で、
ゆっくり絵を楽しめるスピードがいいな。

もし、図書館などで絵本の読み語りをしているところに行き会ったら、
どうぞ子どもたちにまぎれこんで、
絵と、耳から受けとる情景を楽しんでみてくださいな。

わたしの好きな、細部も楽しめる絵本 

『かいじゅうじまのなつやすみ』 風木 一人 作 早川 純子 絵 ポプラ社

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『ちょろりんのすてきなセーター』 降矢なな 作・絵 福音館

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『ちゃんがら町』 山本孝 作・絵 岩崎書店

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『魔女ひとり』 ローラ・ ルーク S.D. 作 シンドラー 絵 小峰書店

無題


走っているけどアンダンテ

  1. 2017/09/03(日) 15:33:19_
  2. 金亀のひとりごと
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プチ乗り鉄のカナジ、このところ電車旅はご無沙汰で
寂しい思いをしていましたが、
ようやく乗ってきました! 
SLです。埼玉の秩父鉄道のパレオエクスプレス。
東京から一番近いSLなんですよ!

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パレオというのは、太古の昔、
秩父地方にまだ海があった時代に
生きていた古生物、パレオパラドキシアに由来しているそう。
カバさんみたいな風貌で、のたのたとユーモラスな動物です。
詳しく知りたい方は、埼玉県立自然の博物館HPへどうぞ。
そう、秩父は昔、海でした。古秩父湾という名前もあるそうです。

SLって、想像以上にでっかいです。
黒光りして堂々と、すごくかっこいいです。

機関室の石炭の釜から炎が見えます。
当たり前だけど、ああ、ほんまに燃やしているんや! と興奮。

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ホームには、煙のにおいが。
あら、なつかしい! 石炭ストーブがあった小学校の教室の匂いです。
朝10時10分、びょぼぼぼ~と雄たけびをあげて
ガッタン、ドッドッドッドドドドドと熊谷駅を出発!

SLは、ゴットンゴットン走ります。
熊谷から三峰口までの約57キロが、2時間40分もかかります。
「エクスプレス」という名が「うふふ」でしょ?
走っているけれど、アンダンテ(歩く速さで)という感じ。
のどかな里山の景色をゆっくり楽しめます。

荒川の渓流
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この速さは、なんだろ、人間の体に合っている? すごく心地よいのです。
人類が得たスピードって、上は宇宙に行けるほどですが、
あのスピードに日常さらされたら、体はあっというまにおかしくなるでしょうね。

ゴットンゴットン、ああ、くつろぐなあ。駅弁食べて、ちょっと居眠りして。

 車内販売の「SL弁当」1000円。
おかずの一つ一つの味付けがていねいで、おいしかったよ。
DSC_1611.jpg

持っていた本は、一度も開きませんでした。

機械との関係って、身の丈にあったレベルがあるように思えてきます。
思い出すのは、昔の足踏みミシン。
子どものころ母が使っていて、
雑巾とかを縫わせてもらった記憶があります。
その後電動になりましたが、足踏みミシンの「自分でキカイを動かしている感」は、
なかなかよかったな。

DSC_1621.jpg

 三峰口で。 ここで折り返します。

熊谷着、16時18分。
合計5時間のSL体験で、リラクゼーション効果あったみたい。
慢性的な肩こり腰痛が、あれえ、ちょっと楽?
やっぱり人の体にあっているのかな。
今の人類は、あきらかに急ぎすぎなのでしょうね。




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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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