『知里幸恵物語』、出ました!
26日は、日本児童文芸家協会の、総会、贈呈式、懇親会でした。
総会の前にも、会議と交流会がありました。
一年で一番長い日は、無事に、にぎやかに楽しく終了しました。

深夜帰宅したら、おお、印刷したてのわたしの著書がどんと届いてました。
『知里幸恵物語 アイヌの「物語」を命がけで伝えた人』
PHP研究所からです。

「知里幸恵」は大正時代、アイヌ人として初めて、
アイヌの詩物語「ユカラ」を日本語に訳した女性です。
「銀のしずく降る降るまわりに……」、聞いたことありますでしょうか?
それが、知里幸恵が訳したカムイユカラ神さまのユカラ「梟の神の自ら歌った謡」の出だしの詩句です。
幸恵の生涯を追っているあいだは、
心が震えるような喜びと悲しみに浸れたひと時でした。
でも、アイヌの歴史や文化についての記述は難しくて、
いやもう、編集者さんや監修協力の先生に、
めっちゃご苦労をおかけしました。
はひ~、なんとか出版にこぎつけました~。
それにしても、あの高名な金田一京助博士が、
「語学の天才」と絶賛したのが、知里幸恵さん。
その才媛のことを、わたしなんかが書いちゃっていいのだろうか・・・?(今さらなにいうか)
勉強のために、アイヌのお料理教室にも行ったこともあります。
鹿肉の煮込みとか、イクラどっさりポテサラとか、
じゅるる~、そりゃもう、おいしかった!
総会の前にも、会議と交流会がありました。
一年で一番長い日は、無事に、にぎやかに楽しく終了しました。

深夜帰宅したら、おお、印刷したてのわたしの著書がどんと届いてました。
『知里幸恵物語 アイヌの「物語」を命がけで伝えた人』
PHP研究所からです。

「知里幸恵」は大正時代、アイヌ人として初めて、
アイヌの詩物語「ユカラ」を日本語に訳した女性です。
「銀のしずく降る降るまわりに……」、聞いたことありますでしょうか?
それが、知里幸恵が訳したカムイユカラ神さまのユカラ「梟の神の自ら歌った謡」の出だしの詩句です。
幸恵の生涯を追っているあいだは、
心が震えるような喜びと悲しみに浸れたひと時でした。
でも、アイヌの歴史や文化についての記述は難しくて、
いやもう、編集者さんや監修協力の先生に、
めっちゃご苦労をおかけしました。
はひ~、なんとか出版にこぎつけました~。
それにしても、あの高名な金田一京助博士が、
「語学の天才」と絶賛したのが、知里幸恵さん。
その才媛のことを、わたしなんかが書いちゃっていいのだろうか・・・?(今さらなにいうか)
勉強のために、アイヌのお料理教室にも行ったこともあります。
鹿肉の煮込みとか、イクラどっさりポテサラとか、
じゅるる~、そりゃもう、おいしかった!
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今年の児童文芸家協会の賞です
一年で一番長い日が近づいてまいりました!
5月26日の日本児童文芸家協会の、総会・贈呈式・懇親会です。
総会の前には、「サークル交流会」を開催、
さらにその前にもややこしい会議があるので、
5つのイベントがぎっしりです。
体力を温存しとかないと!
贈呈式は、児童文芸家協会賞、児童文芸新人賞、児童文芸幼年文学賞、
そして児童文化功労賞の4賞を贈呈します。
今年の児童文芸家協会賞は、「ひかりあつめて」
杉本深由起・著 いわさきちひろ・装画 小学館

これは、詩集です。そして、物語でもあります。
「ことばのチカラでいじめを超える!」とあります。
転校してきた学校には、いじめにあっている女の子がいて、
やがてそのターゲットは主人公に移り――。
柔らかく、まっすぐに芯を突くことばでつづられた詩の数々。
絶望のなかに見出す、小さな希望のひかりが、
ほっかりと胸に染みわたっていきます。
詩集はなかなか商業出版にならない時代に、
この本の存在自体に拍手したくなります。
いじめをめぐる長い物語では重すぎて開けないという人にこそ、
読んで味わっていただきたい作品です。
そして、今年誕生したのが、児童文芸幼年文学賞。
隔年で、優れた幼年童話・絵本に与えられます。
第一回目の受賞作が、「ミルクが、にゅういんしたって?!」
野村一秋・著 ももろ・絵 くもん出版

ハムスターの死を「入院」といつわる先生。
そう、先生だって、嘘をつく。
この設定、元小学校の教師である作者ならではかもしれません。
それぞれの胸に、いっぱいいっぱいの秘密や心配をかかえる先生と子どもたち。
そこからにじんでくる優しさ。子どもたち、そして先生の心の成長。
質の高い幼年童話とはこういうものなんやなあ・・・。
新人賞はこの2作。
「いくたのこえよみ」堀田けい・著 理論社
「しゅるしゅるぱん」おおぎやなぎちか・著 福音館
この2作、まるでちがう味わいで、どちらもびっくりのおもしろさです。
26日、これらの作品の作者さんが勢ぞろいします。忙しくも楽しみな一日です。
受賞されたみなさま、おめでとうございます!
5月26日の日本児童文芸家協会の、総会・贈呈式・懇親会です。
総会の前には、「サークル交流会」を開催、
さらにその前にもややこしい会議があるので、
5つのイベントがぎっしりです。
体力を温存しとかないと!
贈呈式は、児童文芸家協会賞、児童文芸新人賞、児童文芸幼年文学賞、
そして児童文化功労賞の4賞を贈呈します。
今年の児童文芸家協会賞は、「ひかりあつめて」
杉本深由起・著 いわさきちひろ・装画 小学館

これは、詩集です。そして、物語でもあります。
「ことばのチカラでいじめを超える!」とあります。
転校してきた学校には、いじめにあっている女の子がいて、
やがてそのターゲットは主人公に移り――。
柔らかく、まっすぐに芯を突くことばでつづられた詩の数々。
絶望のなかに見出す、小さな希望のひかりが、
ほっかりと胸に染みわたっていきます。
詩集はなかなか商業出版にならない時代に、
この本の存在自体に拍手したくなります。
いじめをめぐる長い物語では重すぎて開けないという人にこそ、
読んで味わっていただきたい作品です。
そして、今年誕生したのが、児童文芸幼年文学賞。
隔年で、優れた幼年童話・絵本に与えられます。
第一回目の受賞作が、「ミルクが、にゅういんしたって?!」
野村一秋・著 ももろ・絵 くもん出版

ハムスターの死を「入院」といつわる先生。
そう、先生だって、嘘をつく。
この設定、元小学校の教師である作者ならではかもしれません。
それぞれの胸に、いっぱいいっぱいの秘密や心配をかかえる先生と子どもたち。
そこからにじんでくる優しさ。子どもたち、そして先生の心の成長。
質の高い幼年童話とはこういうものなんやなあ・・・。
新人賞はこの2作。
「いくたのこえよみ」堀田けい・著 理論社
「しゅるしゅるぱん」おおぎやなぎちか・著 福音館
この2作、まるでちがう味わいで、どちらもびっくりのおもしろさです。
26日、これらの作品の作者さんが勢ぞろいします。忙しくも楽しみな一日です。
受賞されたみなさま、おめでとうございます!
港のごちそう
先日、千葉は銚子まで行ってきました。
本州最東端、本州で一番に朝日が登るところです。
海なし県サイタマ人、潮の香だけで感激のあまり泣き出したり、はしませんよ。
でも、海を見るとハイになることは確かです。
銚子小旅行の目的は、鰯。銚子港は、鰯の水揚げ高日本一です。
地元の方がよく行くという和食屋さんへ。
ここは、その朝に水揚げされたものが供されるそうです。
鰯のお刺身となめろう。

鰯臭さゼロ。魚のあぶらがさわやかに感じられるなんて!
なめろうは、味噌や薬味の味と渾然一体、
脳内幸福度上がりっぱなし。
つみれ汁。上品な味です。大根や人参まで鰯のダシでおいしくなってます。

にぎり鮨。マグロのトロにも負けません。

鰯づくし、堪能しました。
青魚、特に鰯は冷蔵してもすぐに味が落ちます。
かといって冷凍しちゃったら、どんなに上手に解凍しても、
鰯はもう生では食べられません。
産地でしか味わえないこのうまさに、サイタマ人、「魚の身に泪」。
銚子は、お醤油の一大産地でもあります。
ヤマサとヒゲタ。銚子市内の飲食店ではどこでも、
平等に2社の醤油を仲良く並べてあるそうです。

醤油羊羹。

駅前には、濡れせんべい専門店。

本州最東端、本州で一番に朝日が登るところです。
海なし県サイタマ人、潮の香だけで感激のあまり泣き出したり、はしませんよ。
でも、海を見るとハイになることは確かです。
銚子小旅行の目的は、鰯。銚子港は、鰯の水揚げ高日本一です。
地元の方がよく行くという和食屋さんへ。
ここは、その朝に水揚げされたものが供されるそうです。
鰯のお刺身となめろう。

鰯臭さゼロ。魚のあぶらがさわやかに感じられるなんて!
なめろうは、味噌や薬味の味と渾然一体、
脳内幸福度上がりっぱなし。
つみれ汁。上品な味です。大根や人参まで鰯のダシでおいしくなってます。

にぎり鮨。マグロのトロにも負けません。

鰯づくし、堪能しました。
青魚、特に鰯は冷蔵してもすぐに味が落ちます。
かといって冷凍しちゃったら、どんなに上手に解凍しても、
鰯はもう生では食べられません。
産地でしか味わえないこのうまさに、サイタマ人、「魚の身に泪」。
銚子は、お醤油の一大産地でもあります。
ヤマサとヒゲタ。銚子市内の飲食店ではどこでも、
平等に2社の醤油を仲良く並べてあるそうです。

醤油羊羹。

駅前には、濡れせんべい専門店。

児童書のお祭だ!
5月3日から5日、心うきうきの大型連休中の上野は、
親子さんがた~くさん!
「上野の森 親子フェスタ」です。
動物園や博物館、美術館にも負けない人出でした。
絵本、児童書など約5万冊の本を、読者謝恩価格(2割引)で販売、
そのほかにも、講演会や読みきかせやおはなし会もいっぱい!
噴水前広場には、出版社のテントがぎっしり集い、
そのなかに今回から著作者団体のテントもありました。
3日は、日本児童出版美術家連盟(童美連)、5日は日本児童文学者協会、
そして4日がわが日本児童文芸家協会が出展しました。

当協会のHPもごらんください。
テントでは、会員の絵本や児童書を販売し、
特典はその場での作者のサインと、作者本人による読み語り。

とはいっても、わいわい行き過ぎるお客さまがた、
われわれが作者だなんてわかってもらえないよね・・・
というわけで、みんなで、「わたしたちは作家です~~~! サインします~~~!」と
でっかい声で呼ばわりました。
Y先生やARちゃんなんて、ずーーっと声を出しっぱなし。
ホタさんはキンギョやパンダのかぶりものをつけてアピール。

足をとめてくれる子どもたち、うれしいなあ。
ふと目を上げると、
ずらりと地平線のかなたまで並ぶ児童書のテント(あくまでも心象風景です)

そのなかを笑顔で行きかう親子さんたち。
ああ、夢のような光景じゃわあ。
子どもの本を好きな人が、こんなにたーくさんいてはるなんて。
バックにずっしりと、何冊もの絵本を買ってくれたパパやママ。
「これもほしいよう」とおねだりする小さい子
(もっとねだって! どんどんねだって!)
おもちゃ売り場も子ども服売り場もいい。
でも、児童書に人が集う風景は格別です。
未来が信じられる気がしてきます。
ここで会う人、みな美しき。
親子さんがた~くさん!
「上野の森 親子フェスタ」です。
動物園や博物館、美術館にも負けない人出でした。
絵本、児童書など約5万冊の本を、読者謝恩価格(2割引)で販売、
そのほかにも、講演会や読みきかせやおはなし会もいっぱい!
噴水前広場には、出版社のテントがぎっしり集い、
そのなかに今回から著作者団体のテントもありました。
3日は、日本児童出版美術家連盟(童美連)、5日は日本児童文学者協会、
そして4日がわが日本児童文芸家協会が出展しました。

当協会のHPもごらんください。
テントでは、会員の絵本や児童書を販売し、
特典はその場での作者のサインと、作者本人による読み語り。

とはいっても、わいわい行き過ぎるお客さまがた、
われわれが作者だなんてわかってもらえないよね・・・
というわけで、みんなで、「わたしたちは作家です~~~! サインします~~~!」と
でっかい声で呼ばわりました。
Y先生やARちゃんなんて、ずーーっと声を出しっぱなし。
ホタさんはキンギョやパンダのかぶりものをつけてアピール。

足をとめてくれる子どもたち、うれしいなあ。
ふと目を上げると、
ずらりと地平線のかなたまで並ぶ児童書のテント(あくまでも心象風景です)

そのなかを笑顔で行きかう親子さんたち。
ああ、夢のような光景じゃわあ。
子どもの本を好きな人が、こんなにたーくさんいてはるなんて。
バックにずっしりと、何冊もの絵本を買ってくれたパパやママ。
「これもほしいよう」とおねだりする小さい子
(もっとねだって! どんどんねだって!)
おもちゃ売り場も子ども服売り場もいい。
でも、児童書に人が集う風景は格別です。
未来が信じられる気がしてきます。
ここで会う人、みな美しき。
にじみ出るもの
作家さんのお人柄は、どのくらい作品ににじみ出るものなのだろう。
この二冊の新刊、どちらもすごくおもしろくて、
どちらも作者さんのお人柄を感じた作品だ。
『ま~だだよ』 間部香代・作 ひろかわさえこ・絵 すずき出版

幼児向け絵本の王道を行くような作品だ。
絵とも素晴らしくよく合っている。
おかあさんとかくれんぼをしているこぶたくん、
もぐらくんやかえるさんやりすくんと出会い、
「かくれんぼしよう」とさそうけれど、
「もうすこしねてからね」とか「デザートまでたべおわったらね」。
まずやんわりと待たされるのだ。
すぐに「わーい、やろうやろう」という展開にはならない。
それぞれ、カエルさんにはカエルさんの、
りすさんにはりすさんの生活スタイルがあるのだ。
そこがいいな~。
作者の香代さんは、オシャレ感薫るハイセンスな個性の持ち主。
この愛らしい作品にも、それぞれの「生活スタイルを尊重する」というあたりに、
香代さんの個性、お人柄がにじみでているのはないかな。《けれびあ~ん!》
『めざせスペシャルオリンピックス・世界大会! がんばれ、自閉症の類くん』
沢田俊子・著 文研出版

こちらも、王道を行くノンフィクション作品だ。
自閉症と診断された類くんは、
「大人になっても、知能の社会性も小学校低学年のまま」といわれていたが、
大好きなお友だちとの関わりのなかでどんどん成長し、
とても無理と思われた普通高校への進学をはたす。
そして、乗馬を始め、スペシャルオリンピックス(知的障がい者のためのスポーツ大会)の
世界大会をめざすようになる――といういわば「奇跡の物語」だ。
物語は、たくさんのエピソードが連なっている。
胸が熱くなり涙腺決壊したこと数回、
壮絶ないじめシーンですうっと血の気が引くこと数回。
取材時、類くんやご家族がよくここまで話してくれたもの、と思う。
作者の沢田さんは、きっとたくさんのたくさんの愛をこめて、
類くんやお母さんに会いにいったのだろう。
沢田さんのお人柄が、これだけの取材内容を引き寄せたのは
間違いないだろう。
さて、明日の5月3日から5日まで、
上野で「上野の森 親子フェスト2016」が開催されます。
児童書の出版社70社が出展する、子どもの本のお祭です。
五万冊もの児童書を謝恩価格で販売、講演会や読み聞かせもありますよ。
わたしの所属する日本児童文芸家協会も、
5月4日に出展しまーす! 遊びに来てくださいね!
この二冊の新刊、どちらもすごくおもしろくて、
どちらも作者さんのお人柄を感じた作品だ。
『ま~だだよ』 間部香代・作 ひろかわさえこ・絵 すずき出版

幼児向け絵本の王道を行くような作品だ。
絵とも素晴らしくよく合っている。
おかあさんとかくれんぼをしているこぶたくん、
もぐらくんやかえるさんやりすくんと出会い、
「かくれんぼしよう」とさそうけれど、
「もうすこしねてからね」とか「デザートまでたべおわったらね」。
まずやんわりと待たされるのだ。
すぐに「わーい、やろうやろう」という展開にはならない。
それぞれ、カエルさんにはカエルさんの、
りすさんにはりすさんの生活スタイルがあるのだ。
そこがいいな~。
作者の香代さんは、オシャレ感薫るハイセンスな個性の持ち主。
この愛らしい作品にも、それぞれの「生活スタイルを尊重する」というあたりに、
香代さんの個性、お人柄がにじみでているのはないかな。《けれびあ~ん!》
『めざせスペシャルオリンピックス・世界大会! がんばれ、自閉症の類くん』
沢田俊子・著 文研出版

こちらも、王道を行くノンフィクション作品だ。
自閉症と診断された類くんは、
「大人になっても、知能の社会性も小学校低学年のまま」といわれていたが、
大好きなお友だちとの関わりのなかでどんどん成長し、
とても無理と思われた普通高校への進学をはたす。
そして、乗馬を始め、スペシャルオリンピックス(知的障がい者のためのスポーツ大会)の
世界大会をめざすようになる――といういわば「奇跡の物語」だ。
物語は、たくさんのエピソードが連なっている。
胸が熱くなり涙腺決壊したこと数回、
壮絶ないじめシーンですうっと血の気が引くこと数回。
取材時、類くんやご家族がよくここまで話してくれたもの、と思う。
作者の沢田さんは、きっとたくさんのたくさんの愛をこめて、
類くんやお母さんに会いにいったのだろう。
沢田さんのお人柄が、これだけの取材内容を引き寄せたのは
間違いないだろう。
さて、明日の5月3日から5日まで、
上野で「上野の森 親子フェスト2016」が開催されます。
児童書の出版社70社が出展する、子どもの本のお祭です。
五万冊もの児童書を謝恩価格で販売、講演会や読み聞かせもありますよ。
わたしの所属する日本児童文芸家協会も、
5月4日に出展しまーす! 遊びに来てくださいね!