金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

霜柱踏むオバサン

  1. 2016/02/28(日) 11:06:25_
  2. 金亀のひとりごと
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春がそこまで来ていますね。
大好きな、冷たいキンキン空気を楽しめるのは、あと数日でしょうか。
寒い時期の楽しみは、朝の散歩です。
なかでも好きなのが、霜柱を踏むこと。
駅近くの我が家のまわりは地面がほとんどありませんが、
15分ほど歩けば空き地や小さな畑に行き着きます。
個人のおうちのものですから、ずかずか入っていくわけにはいきません。
目指すは、道路にはみ出すように盛られた土、その幅10センチもない「大地」。
かけよって、えいやっと霜柱に足を降ろします。

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ザックザック。

大げさでなく足の裏から脳天まで快感が突き抜けます。
ザックザック ザックザック
登校中の小学生の列に「ヘンなオバサン!」と笑われても何のその。

ザックザックという感覚、なにかに似ています。
そうだ、野菜や硬いおせんべいを噛み砕く感覚だ、と思い当たりました。
わたしは、硬い食べ物をバリバリ食べるが好き。
十年くらい前まで、冷蔵庫の氷をガリガリ噛んでいました。
・・・歯医者に叱られました。
ゴボウやレンコンの料理は、かなり固めに仕上げていました。
・・・胃が痛くなったりおなかをこわすことが出てきました。
許せない!と思っていた濡れせんべい。
・・・けっこうおいしいことに気がつきました。
つまり、老化ですなあ。
ガリガリバリバリを控えるようになった無念を晴らすために、
霜柱を踏んでいるような気がします。

三月になったら、霜柱とはお別れかな? また来冬を楽しみに。

こんな景色も好き。ていねいに整えられた畑地におりた霜。
まるでパウダーシュガーをふった巨大なチョコブラウニー。

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母から最後に受け取ったこと

  1. 2016/02/21(日) 22:17:16_
  2. 金亀のひとりごと
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週末、奈良へ出かけていた。
母の四九日の法要だ。
母が亡くなったのは、今年の正月そうそうのことだった。
九年に及ぶ要介護生活の後、九十歳で生涯を閉じた。
大往生といっていいだろう。
我が家は、これで親世代の看取りを終えた。

母は、二度の脳梗塞の後遺症で、ここ数年は口にするのは単語のみ、
わたしの顔がわからない日も多かった。
だから、話を聞いてもらったり、
精神的に頼ったりということも、絶えていた。

なのに、この寄る辺ない思いは、なんだろう。
悲しいとか寂しいというものとは違う、
足元はすうすうするような、ひやりとするような感覚。
高層ビルやタワーの展望台に、床の一部がガラスになっているところがあるが、
その上に立ったような不安感? あ、少し近い。

ああ、これが親を亡くすということなんだな。
親を知らずに育った人は、もしや、こんな足元の欠落感を一生抱いているのか。

こんな気持ちが湧くとは思わなかった。
母から最後に受け取った、生の感情に違いない。

写真は、母の病院の裏手の散歩道。
千年の昔を偲ぶことができるような、美しい大和路だ。

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拓け、道!

  1. 2016/02/14(日) 15:19:27_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
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NHKの朝ドラ「あさが来た」がおもしろい。
朝ドラは、毎朝ちゃんと見たり、見たり見なかったりなのだが、
ここ数年でいうと、「毎朝ちゃんと見る」は、「あさが来た」、「あまちゃん」、
「花子とアン」、「カーネーション」かな。
やはり、道を自らの手で拓いていく女性の物語に惹かれる。

「あさが来た」では、気になるセリフが出てくる。
あさの姉のはつがよく口にする、「お家を守る」「お家のため」だ。

実は、この「~のため」という言い回し、嫌いという以上のアレルギーがある。
「お家」だけではない、「会社のため」や「学校のため」、
はては「お国のため」、どれも心が拒否をする
特に「お国」は最悪だ。

けれども、「あさが来た」を見て、少々考えを変えた。
この時代の女性が「お家のため」にがんばるのは、
自己を犠牲にして家に尽くす、と単純には決めつけられない。
それは、自己実現の道でもあったのだ。
ほかに社会参加のすべのなかった女性たちが、
おのれの能力を発揮できる場は、「家を守る」ことだった。
そう考えると、長い封建時代を生き抜いてきた女性たちがきらきら輝いてみえる。
男尊女卑、身分制度、家制度。
がんじがらめのなかで、それでも女たちは、働く。
それは自分のアイデンティティのためでもあったのだな。
そして、なかなか気づいてもらえないほどの細さであっても、
道を切り開いていくこともあったろう。

道を拓く女性を描いた物語

「アサギをよぶ声」三部作 森川成美 著 スカイエマ 絵 偕成社

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 時代は古代。娘ながら、ひそかに戦士としての修行を積んだアサギ。
やがて、村にふりかかる運命を変えていく要となる――。
簡潔な文章、キレのいい展開。
ああ、男子から「女のくせに生意気だ」と
目の敵にされていた小学生のころに読みたかったよー。
どれだけ勇気づけられただろう。

「レベレーション(啓示)」山岸涼子 著 講談社

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 フランスの百年戦争を舞台に、祖国の英雄から一転、
異端者として火あぶりにされた「ジャンヌ・ダルク」の一生を描く。
まだ一巻目、物語はまだこれからだ。
この時代のフランスの片田舎の雰囲気が味わえる。



ヨソの国のお料理

  1. 2016/02/06(土) 18:26:54_
  2. 金亀のひとりごと
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冬の台所は楽しい。
煮込み料理やとろとろポタージュや豚汁を、毎日のように作る。
自分の手を動かした料理ではあるが、
小さな炎と鍋が、コトコトと魔法のように、
みずからおいしく仕上げてくれるような気がする。

それにしても、日本人のなんと貪欲なことか。
都会では世界じゅうの料理が供され、
その余波は家庭にも及び、
日本の主婦の料理のレパートリー数を、世界一に押し上げていると思う。
そうさ、日本の主婦はえらいのだ!

ヨソの国の料理には、和食では思いもよらない調理方法が出てくる。
このところ作るようになったのは、アヒージョだ。
ニンニクや唐辛子を入れたオリーブオイルで、素材を低温で煮る。
揚げるのではない、油で煮るというのは和食にはないなー。

写真は、鰯とジャガイモのアヒージョ。

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じっくり加熱された鰯が、ニンニクの香りと一体となり、ほくほくに。
この油を、ライ麦パンにつけて食べると、二度おいしい。
マッシュルームなどの茸のアヒージョも、やっぱり残ったオイルが激ウマ。

スペインでは、シラスウナギのアヒージョがあるそうだ。
さすがに高級料理で、一人前一万円以上らしい。
蒲焼王国・日本から見たら、悶絶しそうな料理だなあ。
食べてみたいなあ。

先週、ビーツの缶詰が手に入ったので、ボルシチを作った。
なんてきれいな赤。 

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いつものポトフでもビーフシチューでもない、
あっさりしながらも深いコクのある味に。
寒い時期には寒い国の料理がいい。
ビーツには血行をよくする成分がたっぷり入っているそうで、
「体内セルフ温泉」って感じ? 

さあ、立春が過ぎた。寒さもあと少しで終わっちゃう・・・(寒いの好き)

「児童文芸」新連載スタート、わわわ、緊張してます

  1. 2016/02/01(月) 20:42:19_
  2. 金亀からのお知らせ
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「児童文芸」で、連載の創作物語を書かせていただいています。
今日発売の2、3月号から1年間、6回です。

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イラストは、山田花菜さん。題字デザインは、吉成誠さん。
「非時香菓 時じくの香の木の実」という、ヘンな名前の物語です。
内容も、たぶんヘンだと思います(おいおい)。

「非時香菓」は古事記の一節に出てくる、由緒正しき木の実。
えらい大きくて重たいものを取りこんでしまったものよ。
うおー、ばりんばりん緊張しています。

さて、前半の舞台は山梨県の山奥。父の故郷です。
父は六五歳の若さで亡くなりました。
そのころ、わたしはまだ子育てに追われていて、
何も書いていませんでした。
もし父が生きていたら、故郷のイメージで物語を書いたことを
喜んでくれるかな?

父の故郷の方言は、ちょっと面白い響きです。
「〇〇〇ずら」という語尾が、静岡などにありますが、
それがこの山村では「〇〇〇るら」になるのです。
父の兄弟姉妹もすでに亡く、従兄弟たちはほぼ標準語。
こんな方言も、だんだん消えていってしまうのでしょうね。
惜しくて、作中の会話に使いました。
なかなかいい感じるらよ~。

数年前に父の故郷を訪問したときに映した、
本栖湖周辺から見た4月の富士山。

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静岡側から見るのと、やっぱりちょっと違うかな。




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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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