金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

素敵なクリスマス絵本

  1. 2015/12/24(木) 18:15:03_
  2. 読み語りは楽しいな
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
さて、金亀が毒づく時期です。
「どうしてこう、どこもかしこもクリスマス一色なんだー!
早く正月飾りを出せー!」
 ハイ、クリスマスの飾りよりお正月のお飾りや門松が好きです。

この時期、ボランティアの絵本の読み語りに、実は悩みます。
選ぶ絵本にはできるだけ季節感を取り入れたいので、
12月はやっぱりクリスマス絵本になりますが、
読み語りに向く絵本が意外と多くはないのです。
いい絵本がない、という意味ではありませんよ。
あくまでも一期一会の大人数の読み語りにはしっくりこない、という感じ。

日本はキリスト教国ではないので、
イエスさま生誕の物語は
ちょっと空気が合わない感じがします。
それよりも、クリスマスという文化の一側面を
クローズアップさせた物語のほうが、子どもたちの胸に落ちるようです。

わたしが好きなクリスマス絵本です。

「ペチューニアのクリスマス」 ロジャー・デュポワザン作・絵
 佑学社・復刊ドットコムから復刊

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 ご存知、古典名作、ガチョウのペチューニアのシリーズ。
ペチューニアが一目ぼれしたガチョウが、クリスマスにお料理される運命に! 
ペチューニアは彼の救出作戦を練りますが・・・。
 
「ハモのクリスマス」 たかお ゆうこ 作・絵 福音館
               無題

 ハムスターのハモは、家のすみで小さな女の子の人形を見つけます。
 女の子は、以前は高い木の上で、たくさんの仲間といっしょにいたといいます。
ハモはその場所を探し歩きますが、そこは・・・。絵も美しく温もりいっぱい。かわいいでしょー!

「ひゃくおくまんのサンタクロース」 
 もたいひろこ 作・マリカ・マイヤラ 絵  アノニマ・スタジオ

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たった一人でがんばっていたサンタクロース。でもあまりに忙しくなったので、
神様が二つに分けて二人のサンタクロースに。やがて四人に、八人に。そして・・・
「サンタさんってほんとうにいるの?」という永遠のクエスチョンに答えてくれ、
大人も納得。サンタさん、ホントにいるんですよ!

さて、今年はあと一週間。
よいお年をお迎えください。


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ポストさんを拝む季節――つばさ賞締め切りまであと6週間!

  1. 2015/12/20(日) 15:23:13_
  2. 児童書のぐるり
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
郵便ポストを拝んだことが、何度もあります。
大きな封筒を投函して、小さくパンパンと手を打ちました。
児童文学の創作コンクールへ応募原稿を送っていたころのことです。
「どうか、箸でも棒でもいいですから引っかかりますように」

そんなことを思い出したのは、「つばさ賞」の締め切りが近づいてきたから。
2016年の1月末、あと6週間です。

「つばさ賞」とは、日本児童文芸家協会が行う創作コンクールです。
(後援・文化庁、協賛・㈱サトーホールディングス、㈱バイリーン)
二年に一度の開催で、今回で17回目。
部門は、詩・童謡部門、童話部門、読み物部門(ノンフィクション含む)の三つです。

詳細はこちらから。
 
            BN_tsubasa.png

対象は、単行本を商業出版していない人。
受賞者のなかから、ほぼ毎回、単行本デビューを果たす人が現れます。
まさに、新人作家さんの登竜門です。

さらにいスゴイのは選考委員さん。
活躍中の作家さんのお名前がずらーり(なんちゃって、わたしも選考委員ですが)。
人数もスゴイ。
第16回では、なんと67名もの作家さんが、選考委員が務めています。
お仕事のかたわら寝不足になりながら、
応募者の夢の実現のため、
そして明日の児童書界を背負う人の発掘のため、
原稿を読んで読んで読みまくるのです。

実はわたしも、このコンクール出身者。
で、今、このコンクールの実施担当者。
因果はめぐる、じゃなくて、亀の恩返しであります。

さあ、これをお読みのみなさま、来たれ、つばさ賞へ!
十月の授賞式でお目にかかりましょう!



秩父夜祭に偲ぶ面影

  1. 2015/12/13(日) 14:09:47_
  2. 金亀のひとりごと
  3. _ tb:0
  4. _ comment:3
年賀状をしたためるころとなった。
今年は喪中のご挨拶状や、ご逝去のお知らせが、なんと多かったことか。

作家仲間の訃報もあった。
わたしと同年齢の福明子さんは、ひろすけ賞受賞作家さん。
病をおして優れた児童書を何冊も世に送られた。
わたしより十歳も若い深田幸太郎さんは、
児童文芸家協会の編集委員時代、十年も苦楽を共にした。
創作、ノンフィクション、書評、エッセイ、さらにイラストと、
なんでもござれの稀有な方、なのに万事控えめでとてもシャイなお人柄だった。
大先輩作家のN先生は天寿をまっとうされたといっていいだろう。
厳しくて涙が出そうな、しかし誰よりも的確な作品評を寄せてくだった。

友人も失った。
学生時代、児童文学研究会で語り合い、拙い童話の合評をしあったKちゃん。
信州にお住まいで、何度もかの地を案内してくださった「そらまめ」さん。

親族の「おばーちゃん」も旅立った。

10日前のことになるが、秩父夜祭を見物した。
チキチキツクツク……という屋台囃子のリズムが、なんともいえず胸に響く。
心が浮きたつのと同時に、物悲しさを誘う。
日本の祭は、みなそうしたものであるのか。

       DSC_0137.jpg


喧騒のなかを歩き回るうちに、
今年鬼籍に入られた方々の面影が、何度もよぎった。
夜に浮ぶ提灯の灯りのせいか、このお囃子のせいか。

もう会うことのできない人たちを偲ぶには、
神と人間とがもっとも近しいものとなる祭が、
ふさわしい場所なのかもしれない。
彼岸が、美しいところでありますように。

         DSC_0140.jpg



さらば、水木先生

  1. 2015/12/05(土) 21:27:53_
  2. 金亀のひとりごと
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  4. _ comment:0
ああ、昭和の怪人が往ってしまわれた。
水木しげる氏を悼む声が、冥界霊界、物の怪界からも聞こえてくる(でしょ?)

「ゲゲゲの鬼太郎」のテレビアニメは、何シリーズも見てきた。
子どものころは、登場する妖怪たちって、鬼太郎や目玉のおやじ同様、
水木サンの創作と思っていた。
妖怪キャラのほとんどすべて、日本に存在していた(と伝えられる)と知ったときは、
そのヘンテコさと多様性に驚いたものだ。
伝承を具象化することのたいへんさに、
思いを馳せられるようになったのは、
書く仕事をするようになってからかもしれない。

水木サンの業績は、柳田國男に匹敵するか、それ以上だろう。
妖怪をキャラ立てし、可視化し、日本中あまねく存在を知らしめ、
小学生のアイドルに押しあげたのは、水木サンだ。
かの妖怪ウォッチだって、水木サン無しには存在しなかったろう。

ところで、アニメなどでは抜群の知名度をほこっていても、
紙媒体のマンガ誌面で読んだことのある人は、多くはないのではないか。
・・・失礼ながら、水木サンの紙のマンガって、どうも流れがスムーズではない。
コマのつながりが悪いのかもしれない(あー、言っちゃった!)
でも、画力とキャラ力はまさに天才。
キャラ力はいうまでもないが、画力をびしびし感じるのは、背景だ。
例えば、「妖怪100物語」のなかの「紙舞い」という妖怪。
この背景の昔の田舎家、なんというリアルさ!(絵の一部を写真に撮らせていただきました)
        
               DSC_0113.jpg
 

紙の水木マンガの魅力は、この背景のリアルさと、
キャラの「抜け感」のアンバランスにもあると思う。
アニメになると、それが消えちゃうんですよね。残念。

水木さんが南方の戦線で片腕を失っているのは周知のことだが、
そのときの思い出をエッセイに残している。
ろくな治療なしに放置された腕の切断面に蛆がわいてきて、
死を覚悟したが、
ある日、その傷口から「赤ちゃんのような匂いがしてきた」という。
その日から傷がふさがってきて、生きて日本に帰ることができた・・・。

こんな希少な体験を語れる方が、また一人去ってしまった。
偉大なる奇人であり貴人だった。

お祭の飴細工。水木サン追悼で特別に作ってもらいました。

         DSC_0149_convert_20151205211830.jpg



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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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