金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

伝記物のモチベーション

  1. 2015/07/25(土) 17:38:11_
  2. 金亀からのお知らせ
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秋冬にかんばって書いていた
伝記物が、今月全巻発売になった。
学研のテーマ別伝記シリーズ全6巻だ。

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このシリーズ、取りあげてある「エライ人」の
人選が興味深い。
エジソンやマリー・キュリー(キュリー夫人)、野口英世、坂本龍馬などの、
昔からの「定番」偉人もお出ましになっているが、
澤穂希やサッチャー、ダイアナ妃、デイズニーなどのニューフェイスもいてはる。

わたしは各巻一編ずつ、6話書かせていただいた。
第一回配本の巻の「アインシュタイン」で苦労したことは、
以前に書いたが、
二回目以降は、村岡花子(翻訳家、作家)、
ダイアン・フォッシー(動物学者)、オードリー・ヘップバーン、
平清盛、河合純一(パラリンピック水泳メダリスト)と続く。

何冊もの資料を調べながら書くわけで、
モチベーションを保つのはけっこうたいへんだ。
対象人物への好き嫌いが、ビミョーに影響してしまう。
まあ、嫌いという人物はまずいないけれど、「いい人がどうか」、これが大きい。
児童対象の伝記だから、だいたいにおいて「いい人」なのだが、
ひねくれカナジは、
あんまりいい人すぎると、なんだか萌えない。
今回、実をいうと、オードリー・ヘップバーンがそうだった。
努力家、誠実、家族思い、国際貢献。
あのオチャメな妖精のようなルックスのなかに、
愛と善がみっしりしていて、「ううう、まぶしすぎるう!」

おもしろかったのは、ダイアン・フォッシーだ。
ゴリラの研究で知られる学者だが、強烈な個性の持ち主。
研究者としての業績もさることながら、
ゴリラの密猟者との戦いもすさまじい。
大切なゴリラたちを守るためなら、かなりダーティなことも
厭わなかったようだ。
いわゆる「いい人」では括れないだろう。
ゴリラたちの同士であり、母であり、恋人であったような、ダイアン。
ゴリラたちに囲まれた彼女の写真が残されているが、
涙が出るくらい幸せそう、地上の楽園ということばがぴったりだ。

さて、平成生まれの子どもたちよ。
お気に入りの人を見つけて、大志を抱いてね。

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何度でも語ろう

  1. 2015/07/19(日) 18:09:40_
  2. 新しいインクの匂い
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何回も書いているが、わたしが一番恐いものは、戦争だ。
今回の安保法案を国会で審議している期間、
わたしは雑誌の仕事で、太平洋戦争末期、
レイテ島の戦いから生きて戻った兵士の方から話を伺い、
小学生向きの物語にまとめていた。
自分にできることをせいいっぱいやろうと思った。

書きながら、腹がたってしかたがなかった。
太平洋戦争では、食糧や武器の補給がないがしろにされていたことは、
テレビの特集番組などから知っていた。
けれども、これほどだとは。
武器を支給されないままフィリピンに輸送され、
現地で渡されたのはアメリカ軍からの分捕り品の、
持ち運びがたいへんな迫撃砲(小型の大砲のようなもの)だったそうだ。
しかも、弾薬は二発。
これでどうやって戦えというのだ?

勝てるわけがない、愚かしい戦争だった。

いや、待て。では、勝てる戦争ならやっていいのか?
だめだろ!
愚かではない、賢い戦争ってあるのか?
ないだろ!
その思いに何度でも立ち返り
何度でも戦争を語ろう。

大ベテラン作家・詩人のこやま峰子さんの新しい絵本
「いのりの石」(絵・塚本やすし)フレーベル館
石
(この本だけ、大きい画像が見つからず、申し訳ない)

1945年8月6日、ヒロシマ。
人類史上もっとも恐ろしい「あのとき」を語るのは、
広島市内の路面電車の「敷石」だ。
敷石たちはその後、観音様の像を刻まれて、
平和のメッセンジャーとなり、世界中へ送り出される――。

文字通りコツコツと、平和への祈りを刻みつけること。
その思いを世界の人々と共有すること。
それこそが「抑止力」と思うのだが。

さて、隠し方などが戦争とよく似た構造といわれる原発問題。
まだなにひとつ解決してはいないのに、
意図的に忘れ去りたい人がいそうな気配。
これでは悲劇が何度でもくりかえされてしまうじゃないか。

「あきらめないことにしたの」堀米薫・著 新日本出版社

                  あきらめない

 原発事故で故郷を追われた、福島県飯舘村の人々。
 畑から切り離され、取り組んできた新しいじゃがいもやかぼちゃの栽培を
中断しなくてはならない。
でも、福島のかーちゃんたちは、前を向く。

「あきらめないことにした」という言葉に、
「あきらめない」よりも、
原発事故後の終わりのない苦しみと逡巡の末の決意を感じた。


語り継がなくてはならないこと、もう一つ。
「ど根性ひまわりのき~ぼうちゃん」
漆原智良・著 さくらせかい・絵 第三文明社

    きーぼう


被災地の瓦礫のなかから芽を出し、花をつけ被災地の人々を
励ました一本のひまわり。
この種が、学校で職場で植えられ、花が咲く。
種は日本中へ広がり、やがて世界へ。
それにしても、人間はほんとうに忘れっぽい。
日本中が「がんばろう」と絆を強めたあの三月は
どこへ行った?
き~ぼうの根性と太陽に向かう姿が、
それを思いださせてくれる。

語りつぐ物語、ぞくぞく誕生だ。



どうぶつたちの物語

  1. 2015/07/12(日) 16:26:20_
  2. 新しいインクの匂い
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  4. _ comment:1
愛亀の動物病院行きや、
人のささきありちゃんちのハピさん(インコ)の容態を
心配したりで、
このところ、すっかりどうぶつモード。

そんななか、素敵な動物ものの新刊が、次々と出版になりました。

ノンフィクション物語「なかよしヤギ一家のECOプロジェクト」
深山さくら著・佼成出版社

yagi.jpg

西武池袋線沿線で、ヤギがのんびりお食事? 
いえいえ、立派なお仕事です。それは、草刈り。
線路まわりの伸び放題の草に困った職員は、
草刈機を使わずに、ヤギさん一家に食べてもらうことに。
環境問題はもちろんのことですが、この時代を
心豊かに生きるための知恵と心意気を感じました。
 それにしても、ヤギがこんなに綺麗でかわいいとは! 盲点でした。

事実を元にして書かれた物語「目のみえないねこ、どろっぷ」
沢田俊子・著 田中六大・絵 講談社

どろっぷ

 目の病気をかかえた子ねこを拾ったつぐみ。
もともと家にいた三匹のねこたちは、
新入りの盲目のねこにどんな行動をしたでしょう。
引っ込み思案だったつぐみは、どう変わっていったでしょうか。
この本の魅力を、「やさしさ」という言葉で
一くくりにできません、したくありません。
「生きる力」「育つ力」の美しさが、
胸にあふれてくる物語です。 

創作物語の「ペットたんていにおまかせ! リンと魔法の鈴」
光丘真理・著 えいひ・絵 学研教育出版

リン

不思議な鈴の力で、ペットたちのSOSをキャッチできるようになったリン。
相棒の柴犬・忠太とともに、ピンチに陥っているペットたちを助け出します。
小学女子のハートへ一直線まちがいなしの、痛快カワイイ物語。
夢中で読みふけって、「あっ、ヤバ、塾の時間だ!」
「あたし、ピアノだった!」と駆け出す女の子たちが目に浮ぶわ~。

動物を慈しむ心や植物を育てる心は、人間に備わった美点の一つですね。
これをフル稼働させない手はありません。
なんたって可愛いし~。 ねこさんもヤギさんも、ワンさん亀さんインコさんも!



キメラの一大事②

  1. 2015/07/04(土) 22:00:38_
  2. リアル亀
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
愛亀・キメラ嬢、復活しました。

13個もの卵(無精卵)を甲羅内に抱え込んで、
卵詰まりでおなかパンパン、食欲のなかったキメラ、
先週動物病院で注射をしてもらい、12個がその日のうちに出てきた。

しかし、まだ食欲は戻らず、ハラハラしていたのだが、
残る一個を、四日前に自力で産卵。
は~、やれやれ、と思ったのだが、まだ食欲がない。
一口二口しか食べない日々が、もう二か月以上続いている。
おいおい、絶食ダイエットかい? 動きにも、どうもキレがない(亀にもキレはあるのだよ)。

困り果てて、買ってきたのが、レトルトのキャットフード。
実は、亀たちはお刺身やキャットフードが大好きなのだ。
しかし、お刺身でおなかをこわすこともあるし、
キャットフードを食べさせると、
いつもの市販の亀フードを食べなくなるおそれがある。
しかし、非常事態だ、キャットフードで食欲にはずみがつけばいいや。

ところが、その日から、食欲復活。キャットフードは不要になった。
動きにキレが戻った。目力も違う。
シュッとしてキリッとした首の持ち上げ方で、
クリッとしてパチッとした目線でこっちを見てくれる!

もうだいじょうぶとは思ったが、念のため、
動物病院を再診。レントゲンを撮ってもらい、
全身観察してもらった結果、異常ナシでした~。

動物病院へは電車で一時間半、
元気よすぎて、キャリーケースがわりの
ダンボール箱を破壊して身を乗り出し、
それを押さえつけながらの道中でした。

               15-07-04_003+(640x480)_convert_20150704214820.jpg

ちょっと! アタシもうすっかり元気だわよ!
なんでこんなトコに入れられきゃなんないの?

動物病院の受付カウンターにはワニもいました。おもしろいでしょ。

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ささき家のハピちゃんも、元気になりますように!




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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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