金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

「かべ丼」って、どういう丼物? と思ったら。

  1. 2014/10/26(日) 15:04:21_
  2. 金亀のひとりごと
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「壁ドン」がブレイク中らしい。
コマーシャルで使われたし、東京ゲームショウ2014というイベントでは、
イケメンによる体験ブースまで登場したそうな。
ウイキペディアによれば
元は集合住宅などで隣の部屋が騒がしい時に壁をドンと殴る行為だったそうだが、
今や少女マンガ内でイケメン男子がコクる定番シーンとなってしまった。

日本の男子が草食系になったから、
ちょっと肉食入った男の子を求める女子が増えた、
などと解説されているようだが、それはちょっと違うような。

このシチュエーション、現実世界には存在しないほどのイケメンでなくては、
成り立たないのは一目瞭然だ。
だから、これはあくまでもファンタジー。
非現実でも萌えられるのが、女子のキャパの広さというものだろう。
なんせ『プチ軟禁』というか、瞬間軟禁だもの。
だれもリアルには求めていない。
いろいろなイミで残念な男の子がやったら、
殴られるか突き飛ばされたあと、
瞬時にラインやツイッターで電子リンチに遭うのがオチだ。
「白馬の王子さま」幻想にとって替わった、
あるいは矮小化されたのが壁ドン、ということだろう。

女子力弱くて、小3から少年マガジンで育ったわたしは、
壁ドンにはあこがれゼロだが、別の意味で興味をもった。

マンガ家さんは、もう作品中で壁ドンは使えないな、という心配だ。
ここまで広まると、大真面目に壁ドンは出せないだろう。
お気の毒に。
「バナナですべって転ぶおっさん」とか
「お年寄りの手を引いて道路をいっしょに渡る不良」のように、
ギャクの世界になってしまった。

新しい言葉が生まれたことで市民権を得るものがあり、
逆に実体をなくしていくものもある。
セクハラもマタハラも、昔からあったけれど、言葉を獲得して理解が深まった。
堂々と、「それってセクハラです!」といえるのは快挙だ。

新しい言葉の功罪を考えてしまった「壁ドン」でした。

                  ぬりかべランプ


写真は、なんの関係もないですが、我が家の玄関を飾る
「ぬり壁」ランプです。


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神の手にどつかれて

  1. 2014/10/19(日) 16:57:43_
  2. 児童書のぐるり
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昨日、神楽坂の出版クラブ会館にて、
日本児童文芸家協会主催「創作コンクールつばさ賞」の授賞式がありました。

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翼をあげて、ついに受賞されたみなさんの、晴れの日です。
わたしもこの賞の受賞作でデビューした一人ですので、
受賞者のみなさんの喜びと熱い思いと緊張が、
びんびん伝わってきました。

わたしは賞の担当の委員として運営にあたりましたが、
実にたいへんな時間と手間をかけています。
この日を迎えるまでに、
賞の応募要項の見直しから始めて二年近くかかっているのです。
受賞者やご家族の笑顔と、喜びの声が、
その二年分の労力へのご褒美です。

この賞は童謡・詩部門、童話部門、読み物部門の三部門に分かれていて、
それぞれに優秀賞、佳作が選出されますが、
今年は童謡・詩部門、読み物部門ともに、優秀賞なしという結果に終わりました。
残念ですが、この賞のレベルの高さゆえのことです。

授賞式後の「お祝いの会」
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童話部門の優秀賞は二作、
「花とばしの日」(つげみさお作)と「はじめての握手」(萩原弓佳作)。
両作品とも「児童文芸」10,11月号に全文掲載されています。
この二作、まったく違う作風で、いやー、おもしろいこと!
美しくやさしいファンタジー、心癒される「花とばしの日」、
カワイクナイおもしろさをニヤニヤと楽しむ「はじめての握手」。
優秀賞は、基本的に一作なのですが、
選考委員がどちらか一作にしぼれなかったのが
よくわかります。

新しい才能の持ち主に出会えるのは、幸せなことなのだと思います。
……「オマエもしっかりせい!」「新人さんを見習わんか!」と
創作の神の手に背中をどついてもらえますからね。
喝ーーーーッ!



読書中毒の逆襲か? 文科系の華!

  1. 2014/10/15(水) 11:11:06_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
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本好きの逆襲というのだろうか。

読書離れやら活字離れが、長―いスパンで取り沙汰されているが、
そんな風潮に小気味よいジャブをくれたのが、
みなさんご存知の「ビブリア古書堂の事件手帳」(三上延著・メディアワークス文庫)だ。
全5巻、シリーズ累計発行部数五百万部くらいだそう。
(数字が大きすぎて、くらくらする。児童書となんたる差!)

   ビブリア

本好きとしては、この作品が人気を誇っていることは、素直にうれしい。
ラノベに括られるといっても、
作中に登場する本はかなり渋めだし(実はほとんど読んでいない! てへ)。

こういうのが、マンガにもないかな、と思っていたら、ありました!
しかも、今年度の手塚治虫文化賞の短編部門受賞作。
「バーナード嬢曰く。」(施川ユウキ著・一迅社)だ。

            バーナード

町田さわ子は、図書室でいつも一人で本を読んでいる・フリをしている。
読書嫌いのくせに、読書家キャラに見せたいだけで、
「読まずにタイトルだけ覚えて、なにかのネーミングをするときに
モジりたいなー」と堂々とのたまう。
なんせ自称が「バーナード嬢」。ところが、
実は、かの作家名はバーナード・ジョーと思い込み、
「ショー」であることも知らない……。
ここでもう大笑い。

「オン・ザ・ライン」(朽木祥著・小学館)の主人高・侃(かん)を思い出し、二度笑い。
彼は、活字中毒であることをひた隠しにしてテニス部に入るのだ。隠すなよ、侃! 

          オンザ

「バーナード嬢曰く。」で、主人公さわ子のことが気になるのは、マトモな読書家の遠藤君。
このあたりは「ビブリア」の、
読書・命の栞子と読書できない体質・大輔との関係と好対称だ。
読書家キャラ演出中のさわ子と、
興味津々で助言したりあきれたりする遠藤君の会話が楽しく、
そこに、遠藤君に思いを寄せる図書委員や、
さわ子のインチキぶりに怒り心頭の真のSFマニアがからみ、
図書室では、日々ユルいような熱いような本の話が繰り広げられる。
登場する本は「銃・病原菌・鉄」やら「悪の華」やら、
ガチに小難しいのが多くて、そのギャップにまた笑える~。

で、この真のSFマニアの名が、神林しおり。
「栞子」「しおり」……読書家の名の殿堂入りの感があるな。

「しおり」といえば、カナジ的に忘れてはならない本は、
「栞と紙魚子」(諸星大二郎著・朝日新聞出版)。
奇々怪々な魔物やら神さまやら異世界人が、摩訶不思議な事件を引き起こし、
それを女子高校生コンビの栞と紙魚子が、
解決したりかえってややこしくしたりする物語だ。
 
         紙魚子

この本では、読書家は栞ではなくて(でも書店の娘)、紙魚子サンのほう。
古本屋の娘にして、ビブリアの栞子に勝るとも劣らない本オタク。
本から得たウンチクを武器に、天然キャラの栞とともに事件にせまっていく。
鬼才・諸星の作品のなかでは、笑いの要素が多くて、諸星初心者にもお勧めです。


パレオ・パラドキシアが、のたのたしていたサイタマ

  1. 2014/10/09(木) 13:24:46_
  2. 金亀のひとりごと
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「太古の哺乳類展 ――日本の化石でたどる進化と絶滅――」を見てきました。
上野の科学博物館です。

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日本に生息し、絶滅してしまった哺乳類の、貴重な化石やその骨格標本が大集合。

哺乳類は、恐竜が繁栄した時代に、まず小型獣が目ただないように地味~にゆっくりと進化し、
恐竜絶滅後にそのスキマを埋めるように、一気にハジけたそうです。
進化して現在に至る種がいる反面、絶滅していった哺乳類もたくさんいます。

日本列島はゾウの楽園だった時期があるそうです。
ナウマンゾウは、東京都内でも発見されていますが、
「アケボノゾウ」という、美しい名前のゾウさんも生息していました(250万年前 - 100万年前)。

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それに、「ニッポンサイ」。
これらは、大陸から渡ってきて、日本で暮らし、そして絶滅してしまったわけですが、
それでも100万年単位で生息していたのですから、現代の人類なんて、メじゃありません。

大きなシカもいました。ヤベオオツノジカです。これはでかい! 
日本にいるシカの約三倍の大きさです。
ツノが手のひらのような形で、体に比べてとにかく大きくて重そう。
ヘラジカよりも大きいツノは、もはやツノではなくてカブトです。
写真がヘタで残念。ツノの形と大きさがわからない……。

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ふと、「もののけ姫」の、大型動物の姿をした森のヌシたちを思い出しました。
このヤベオオツノジカが生息していたら、まちがいなく森のヌシになったことでしょう。

 今回、わたしが一番お目にかかりたかったのは、これ。
パレオ・パラドキシア。
 
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 体長は1.5-2.0mほどで、現在のカバあるいはセイウチに似た姿、
海辺に生息し、水にもぐったり、水辺を歩いたりしていた草食動物だそうです。
 このコの化石は、我が埼玉は秩父市でも発見され、
秩父鉄道のSL列車パレオエクスプレスの名称にも使われています。
ゾウやサイやシカたちのかっこよに比べ、
パレオちゃんは、とことんユーモラス。
水辺をのたのた歩いていたすがたを思い浮かべると、と~~っても親近感がわいてきました。

これらの大型哺乳類は、みな草食なんですね。
肉食獣としては、日本にはオオカミがいましたが、大きさでは比ではありません
(オオカミは集団で狩りをするから、危険ではあったでしょうけれど)。
雨の多い日本列島の、わさわさ茂る草木やシダをムッシャムッシャ食べて、
大きく育った動物たちの、のびのびと平和な営みに思いを馳せました。

これは、ミュージアムショップでゲットした下敷き。オシャレでしょ。

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「花子とアン」とアイリッシュ・ケルトの素敵な関係

  1. 2014/10/04(土) 12:46:44_
  2. 金亀のひとりごと
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「花子とアン」が、高視聴率を保ったまま先月末で終了した。
日々、児童書と格闘している身としては、
村岡花子の一代記は必見で、ドラマとしておもしろかったけれど、
もう一つ楽しめたのは映像に流れていたBGMだ。

バグパイプの曲、フルートとハープの曲など
耳に心地よく残るものが多かった。
スコット先生が歌う「The Water Is Wide」も、胸にしみる歌曲だった。
琴線にふれるというのかな。 
新番組の「マッサン」も、
中島みゆき歌う主題歌の冒頭に、ちらっとバグパイプの音がして、うれしい。

これらの共通項は、スコットランド音楽だ。

スコットランドに限らず、わたしの耳の「琴線」は、
民族音楽にあるようだ。
民族音楽なら、インドネシアのガムランも、
トリニダート・トバコのスチール・ドラムもヨーロッパ古楽器も好きだ。

八月に行った、アフリカ音楽のコンサート「ドラムストラック」も楽しかった。
アフリカンドラムのジャンベが、観客一人一人全員の座席に用意されていて、
全員がコンサートに参加するのだ。小学生の子どもたち、大よろこび!
お客さん、みんなリズム感がよくて、一体感ばっちり。

ガムランの楽器。数年前に生演奏を聞きました。天上の音楽と地上の喧騒をあわせたような響き。
     
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「ドラムストラック」のステージ。
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     ジャンベ。   DSCF5898_convert_20141004123452.jpg


一番好きな民族音楽は? と問われれば、アイルランドのケルト音楽と答えよう。
スコットランド音楽はケルト音楽と親戚だから、
「花子とアン」で耳を楽しませてくれたのも、当然といえば当然だ。
ケルト音楽といっても、ピンとこない方のほうが多いだろう。
日本にもファンが多いエンヤの曲は、
ケルト音楽を最大限に洗練させたものと思っていいのでは。

もちろん、ケルト音楽にもいろいろな曲があるが、わたしの好みは、
野原を吹き渡る風のような曲だ。
CDを聞くたびに、数年前に訪れたアイルランドの
広大な緑の牧草地や、古い石の教会が打ちすてられたままの原野がよみがえる。

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  原野にあこがれるのは、わたしが、人口密度の高い小さな町の出身で、
今も小さな町の小さな家に住まうせいだろうか。




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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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