金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

ありがとう、ごうや君

  1. 2014/09/26(金) 11:13:55_
  2. 金亀のひとりごと
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このままじゃいけないってことは、わかっている。
名残おしいけれど、そろそろサヨナラしなくちゃ。
切ないけれど、断ち切らなくちゃ。

植木ハサミを手にベランダに出て、
さあ、勇気を出して、決別しよう。

ひと夏の涼風とビタミンを与えてくれたあなたに、
愛と感謝をこめて、チョッキン。

「ゴーヤ終い」をしました。
ゴーヤの茎を根元から切って枯らせるという、わたしの一番嫌いな作業です。

9月なかばには、緑色は全体に褪せ、
下のほうの葉っぱは黄色くなっていましたが、
まだまだグリーンカーテンとして役に立ってくれていました。
それなのに切ってしまうのは、
どうにも腰が退けます。
……が、このまま置いてじわじわと枯れ、腐っていくのを
見ているのも辛いし、
いさぎよく切って枯らしたほうが、後片付けが楽です。
切り口の直径は、ほんの1センチ。
この細さで、あれだけのツルと葉と実への活力を注いでくれたなんて、
ますます愛おしい……。

花瓶の切花も、いつ片付けたらいいのか、迷います。
まだ咲いている、だいじょうぶ、
花びらはちょっと艶がなくなってきたけれど、十分きれい。
片付けは明日にしよう。
そうやってずるずる引き延ばし、
かえって無残な姿をさらさせてしまいます。
かといって、色香が残っているうちに捨てるのはしのびない。
今の今まで部屋で呼吸し、部屋を彩ってくれていた「生き物」を
ゴミ袋につっこむのは、後生が悪くて……。
わたしはめったに花を飾らないのですが、
この思い切りの悪さが、花屋さんへの足を遠のかせてるのかもしれません。
――いやー、カッコつけてしまった。ほんまはただの不精です。

ベランダの天井まで茂り、Uターンしてぶら下がってきたほど。
今年は天候不良でしたが、よく茂ってくれました。

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ゴーヤの最後の実は、ゴーヤ入りチャプチェで味わいました。
濃い目の味付けが合います。

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お祝い会のきらきらを吸ってきました

  1. 2014/09/21(日) 11:39:19_
  2. 児童書のぐるり
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  4. _ comment:2
昨日はとても素敵な日でした。
松井ラフさんの初出版のお祝い会です。

児童書界でのお仲間のお祝い会に、いくつか出席させていただきましたが、
何度出席してもいいものです。
出版された方は、きらきら。外側も内側も輝いています。
いっしょの空気を吸うだけで、
輝きのおすそ分けをいただけます。
(……若者の気を吸う魔物か? 自分も自ら輝けよ!――ハイ、スミマセン)

松井ラフさんの著書は、「白い自転車、おいかけて」PHP研究所刊。
日本児童文芸家協会主催の第14回創作コンクールつばさ賞優秀賞受賞作です。

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ラフさん、ほんまにおめでとうございます。
受賞時に拝読し、
「いい作品だなあ、形になるといいなあ」と思っていました。
今回、狩野富貴子さんの暖かなイラストに飾られ、
掛け値なしに子どもたちの心に響き、寄り添い、
勇気づける一冊として誕生しました。
「日常を、奇をてらわずに、おもしろく書くということは、
なかなかできることではありません」という
山本省三さんの祝辞に、大きくうなずきました。
      
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            著者の松井ラフさんと山本省三さん。ほらね、きらきら!

おいてけぼりにされるのがイヤで、
おねえちゃんの自転車のカギをかくしてしまったゆか。
その自責の苦しさが、ありありと伝わってきます。
ケストナーが書いているとおり、
「子どもの涙はけっして大人の涙より小さいものではない」のですね。

驚いたこともあります。
出版されたものと、受賞時のものとを読み比べてみてわかったのですが、
受賞時のままの文章だということ。
分かち書きを増やし、逆に漢字を少し増やして、
読みやすくしてありますが、文章・構成はまったく変わっていません。
これはすごい! 
それだけ、応募作品がハイレベルであったということですね。
「つばさ賞」のグレードの高さがうかがえます。
……と、つばさ賞の運営にかかわる身としてニヤついていたのですが。
昨日お聞きしたところによると、
ラフさんが所属する創作勉強会「河童の会」で、
幾度も合評の俎上にあがった作品とのこと。
元々の作品が素晴らしかったのはもちろんですが、
その元の「玉」をどう磨いたらより輝くかを
親身に考え適切な批評をさしあげた
河童の会のみなさんのレベルの高さには脱帽です。

「河童の会」は高橋うららさん主宰の勉強会で、
作家の井上明子先生もご指南役でいらしたそうです。
この会からはすでに、森川成美さん、近江屋一朗さん、はやみず陽子さんが
デビューされています。
まさに「進撃の河童」!



江戸で遊学中です

  1. 2014/09/16(火) 18:16:17_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
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江戸文化歴史検定、三級合格しました!

     DSCF5942_convert_20140916180629.jpg
  

といっても、今回の三級試験の合格率8割近くですから、
まるで自慢になりませんが。

この試験はどういうものなのか?
同検定のHPによりますと、
「本来、日本の心はモノを大切に人の力で、
環境にやさしくというライフスタイルを形成してきました。
その身近なルーツが江戸の社会にあるのです。
今見失いがちな日本の心を思い起こし、
未来に役立てようという趣旨で実施しています」とあります。

まあ、受かってもなんの資格にもならないかわりに、
落ちても困ることはないですから、まったくのアソビ心での受験ですね。
そのアソビ心がまた、江戸っぽいのですが。
ちなみに、3級はもちろん一番初歩で、
1級となると合格率1パーセントという、
超狭き門です。

わたしが江戸時代の文化に興味を持つようになったきっかけは、
はっきりしてます。それは杉浦日向子さんのマンガ。
それまで、わたしは、ずっと浮世絵の、
あのヘンテコな美人画や役者絵の良さがさっぱりわからず、
「江戸時代の人って、美的感覚おかしいんちゃう?」
などと不遜なことを考えていました。
ところが、杉浦日向子さん描く「百日紅」
(葛飾北斎を中心に、娘のお栄や渓斎英泉、歌川国直などの絵師を描いた物語)を
読んだら、コロリ! 
浮世絵がすごく美しくクールなものに見えてきたではありませんか。
       杉浦日向子

写実的に描く西洋画と対極ともいえる、あのデフォルメされた人物画は、
「見たまんまを描くんじゃあ、おもしろくねえや」という
芸術家たちのアソビ心あふれるセンスと、
鳥獣戯画から連綿と続く躍動感あふれる美意識から生み出されたものだったのですね。

ここで、窓がぴゃっと拓かれました。
あれよあれよというまに、江戸の文化がおもしろくなってきたのです。
それからは、杉浦さんの著書を次々あさり、
次いで石川英輔さんの本を読み、気分はすっかり江戸通。

         英輔石川

 
しかし、あくまでも気分だけです。
実は徳川将軍15代を全部いえなかったり、
藩名を知らなかったり、
教科書に出てくるような大きな改革や事件を理解していないままの、
まやかしモンでした。

これじゃいかん。ちゃんとした江戸通になりたい。
そこで検定試験に挑んだというわけです。
試験突破という目標があれば、多少は系統だって勉強しますから。

勉強といっても、実生活では何の役にもたちません。
公式テキストをひもといていたこの2か月あまり、
この「役に立たない感」がとっても気持ちよくて、
クセになりそう……。
次なる目標は、当然ながら2級試験突破です。
こちらは合格率10%以下。
なんで一気にこんなに難しくなるの~!
 


《あわい》に住むものたち

  1. 2014/09/10(水) 18:00:15_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
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  4. _ comment:0
「冬虫夏草」梨木香歩著・新潮社を読んだ。
この作は、「家守奇譚」の続編にあたるものである。
 
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作中の時代設定については、意図的にぼやかされているが、
明治から昭和の間、汽車と電燈のある頃であろう。
前作が、庭や近隣の植物にまつわる数多の不思議を淡々と綴っているのに対し、
「冬虫夏草」は出奔した犬のゴローを探す里山の道行きを描いている。
そこで出合うのは動植物や里の民ばかりにあらず、
生者と死者のあわいにあるもの、動物と人間のあわいにあるもの、
果ては神に近しいものなどである。
しかし、その筆は決して大仰なものではない。
前作同様、厨の煮炊きの匂いのように、するりとなつかしく懐に入り込む。
畢竟、これらの者たちとわれわれ人間の身、
同じ野辺に暮すものとして、どこに本質的な違いがあろうか。
頁を繰るおのれの指先は、知らぬ間に、
河童やイワナびとの息吹を浴び、鱗にふれているのだ。

似た味わいの絵物語(漫画)に、「蟲師」がある。

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こちらも不思議具合が、私にはたいそう心地よい。
もう15年ほども昔の作品なれど、今も愛蔵版が出版されるほどの人気と聞く。
 
さらにもう一冊。

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「逢魔が時のものがたり」(巣山ひろみ著・学研マーケティング)も、
形の定まらぬ「あわい」という感覚を呼び起こしてくれる物語である。
この世は、目に見え手で触れるものばかりで成されているわけではない。
心の柔らかな学童たちに、呼び起こされる五感の揺れを、
楽しんでもらいたいものである。

……と、梨木作品の文体を真似っこして書いてみました(けっこう楽しい)。
どれも大好きな物語です。
秋の夜中に、楽しい異空間をどうぞ。

亀秋です

  1. 2014/09/04(木) 17:30:44_
  2. リアル亀
  3. _ tb:0
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さて、亀秋となりました。きしゅうと読みます。
歳時記にも載ってますよ。

というのは嘘でして、我が家の造語です。
秋になり亀たちの食が細くなったころをいいます。

よく「エサはなにを与えているのですか?」と質問されます。
与えるのはペットショップで購入したカメフードです。
主食として「カメプロス」という配合飼料を与え、
これをきれいに食べたら、デザートタイム。
「糸ミミズ」と、「カメのごちそうパン」という、
乾燥エビ入りの麩のようなものをやっています。
  
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女子・キメラと男子・ガメラは糸ミミズが一番好き。(写真はガメラ)
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一番若い男子・ミニラはごちそうパンが好みです。
さすが若者、新しもの好きのようで。
 
さて、一年間にどのくらいのエサ代がかかっているのか、
計算してみました。三匹で一万円ほどという数字でした。
この数字は大きいのか小さいのか? よくわかりません。

キメラは、一番の向こう見ずです。                           
10数年前、知らないあいだにベランダの水槽から脱出、
三階から転落し、行方不明になったことがあります。
近所じゅうに「迷子亀」の張り紙をし、
警察にも「遺失物」として届出をし、
毎日探し歩きました。
なんと、10日後に近所の方が見つけてくださり、
無事に帰還しました。手足、しっぽの皮膚がはがれてぼろぼろ、
左前足は捻挫し、ツメが1本無くなっていましたが、
回復しました。
三階の高さから落ちたあげくに10日間さまよっていたのですから、
助かったのは奇跡ですね。
張り紙に「見つけてくださった方に謝礼さしあげます」と記載していたので、
その方に近所のショッピングセンターのギフト券をさしあげました。
すると翌日、「亀さんが家に帰れたお祝いです」と、
そっくり丸ごと渡してくださったという、すてきな思い出もあります。

この脱走と保護の顛末を短いノンフィクションとしてまとめましたら、
学研の「読み物特集号・話のびっくり箱」に掲載していただけました。
その後ポプラ社のオムニバス「トキとつきあった127日間」にも
集録されましたので、
キメラは数年分のエサ代を我が身で稼いだ、というわけです。

亀たちは、あと二か月もしたら、完全にエサを食べなくなり、
毎日の水替えから解放される「亀閑期」(かめかんき)となります。
歳時記にも載ってますよ。嘘ですが。





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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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