金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

童話作家・画家 かこまさみさんのこと

  1. 2017/08/12(土) 12:40:36_
  2. 新しいインクの匂い
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友人のかこまさみさんが、数年の闘病のすえに亡くなってから、早や二か月。
かこさんにお目にかかったのは、実は一度だけで、
あとはFacebookや児童文芸家協会のイベントなどのお付き合いだけでした。
でも、長いことお友達でいたような気がします。
そんなふうに感じさせてくださる方だったのですね。

いつでも前向きで明るく、最後まで童話の創作と画を描くことに打ち込まれていました。

かこさんの、ご自分の葬儀のためにご家族に残したメッセージは、
①だれでも 身一つでおこしください。
②野の花のような服装でおこしください。喪服は着なくて良いです。
というものでした。
まるで一編の詩です。ね? 今も、ドライアイの目がうるみます。

そのかこさんの作品が、雑誌に掲載されました。
余命わずかという宣告をされてから、掲載が決まったものです。

「家の光」8月号 「はたけのすもう」 作・かこまさみ 絵・星野イクミ
「ちゃぐりん」9月号 「ゴーゴーミバコ」 かこまさみ 作・絵

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そう、かこさんは、念願の童話作家・画家として亡くなったのです。
残念ながら、雑誌の発刊には間に合いませんでしたが、ゲラは見ることができたそうです。
よかった・・・。

どちらの作品も明るくて元気がよくて楽しくて、
苦しい息の下で推敲し、筆を握られた作品とは思えません。

作家仲間みんなで応援していた「童話作家・画家 かこまさみ」、
あなたのことは、いつまでも忘れないでしょう。
怠け者のわたしを遠くから叱ってくれる人が、また一人増えてしまったのですから・・・。


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創作コンクールつばさ賞ってすごい

  1. 2016/10/23(日) 15:47:31_
  2. 新しいインクの匂い
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昨日は、わたしが所属する日本児童文芸家協会主催の
「創作コンクールつばさ賞」の授賞式でした。
わたしは、運営担当者として一日みっちり働いていました。
授賞者のみなさんの晴れやかな笑顔で、エネルギーチャージです
バタバタして当日の写真を撮りそこねましたが、
協会のHPで詳しくアップされていますので、そちらをご覧ください。

このコンクールは、二年に一回開催され、
新人児童書作家の登竜門となっています。
ここからデビューした人の数は両手両足の指を全部使っても足りません。
わたしもその一人です。

さて、次の本の作者さんも、つばさ賞応募作品の単行本化が出発点です。

「仙台真田氏物語 幸村の遺志を守った娘、阿梅」
堀米薫・作 大矢正和・絵 くもん出版

無題

デビュー作「牛太郎、ぼくもやったるぜ!」以来、

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優れた創作やノンフィクション物語を何冊も書いてらっしゃる堀米さん、
今回はなんと時代物語! すごすぎるよ、堀米さん!

真田信繁(雪村)は、大阪城落城のおり、娘の阿梅たちをひそかに逃します。
預けた先は、なんと敵方の武将である、片倉重綱。あの伊達政宗の腹心です。
その幸村の慧眼、
そして阿梅たち弟妹を受け入れた重綱と政宗の心意気と度量の広さに、
ぐっときちゃいました。
阿梅とその弟妹は、仙台で成長し・・・。
これはおもしろい!
どれだけの資料と格闘して、この世界を確立させたことでしょう。
イラストも美しくて、うっとり。

「なかよし おまもり、きいた?」
松井ラフ・作 狩野富貴子・絵 PHP研究所

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デビュー作「白い自転車、おいかけて」後の二作目です。

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一年生になったばかりのみくは、
かれんちゃんと一番の仲良しになりたくてたまりません。
でも、かれんちゃんには、まゆちゃんという仲良しさんがいて・・・・
ラフさんの簡潔でありながらほわっと暖い文章。
子どもの息遣いまで感じさせてくれる絵。
小さな女の子の胸の痛みが、その絵と文からそっと立ち上がってきます。
そうそう、あるよね、こういうこと、こういう思い。

ね、つばさ賞って、すごいでしょ? わたしもがんばれ!



デビューおめでとうございます!

  1. 2016/07/10(日) 10:49:08_
  2. 新しいインクの匂い
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おめでとうございます! デビュー作の二冊をご紹介。

こりゃまた、ユニークな絵物語が登場したもんだ!
この世界の広がりと空気感、タダモノではないぞ。
『せなかのともだち』作・萩原弓佳 絵・洞野志保 PHP研究所

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な~んて、初めて読んだようなことを書きましたが、
実は児童文芸家協会主催の、
2014年「創作コンクールつばさ賞」童話部門の優秀賞受賞作。
同年の雑誌「児童文芸」10、11月号に発表されています。
いやー、おもろい物語が受賞したなあ、さすが「つばさ賞」。
出版化されたらいいなあと願っていたのですが、
ついに出ました! 

うっかりヒツジの背中に転落したハリネズミ、
わが身のハリとヒツジのフワフワの毛がからまって、
どうしても離れられなくなります。けれどもこの二匹、実は性格が悪くて・・・。

ね、すごい設定でしょ。
絵も日本風の愛らしさではないちょっとふしぎなリアルさ、
スロバキア在住の画家さんだそう、なるほどなるほど。
主人公二ひきの目つきといったら、なんてカワイクナイこと。
でも、物語の世界にぴったりはまっています。

『モツ焼きウォーズ ~立花屋の逆襲~』
作・ささきかつお 絵・イシヤマアズサ ポプラ社

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「さすがやなあ、この安定感があり、
かつテンポのいいおもしろさは!」とうなってしまいました。
作者のささきかつおさんは、編集者を経て、ライター、書評家をされている方。
しかも、「第五回ポプラズッコケ文学新人賞受賞作」ですから、
おもしろくないわけがありません。
商店街の存続をかけて、モツ焼き屋の立花屋が
再開発推進派に戦いを挑みます。
タケルはその立花屋の四代目。物語は、立花家のルーツにまで遡り・・・

商店街って、いいよね!
たとえ巨大ショッピングモールがあったとしても、
商店街のない街とは、なんと寂しいものでしょう。
おっちゃんおばちゃんの威勢のいい掛け声は、日本のお宝。
 登下校の見守り役をさりげなくこなし、街の治安にも貢献してくれます。

がんばれ、タケル! さて、商店街は、立花屋の運命は? 
この戦いに勝ち目はあるのか? 

ジャンルも作風もまるで違う二冊のデビュー作、
どっちもたっぷり堪能させていただきました。
萩原さん、ささきさん、おめでとうございます!
ちなみに、ささきさんのお連れ合いは児童書作家のささきありさん。
めおと作家の誕生です。


今年の児童文芸家協会の賞です

  1. 2016/05/22(日) 15:22:48_
  2. 新しいインクの匂い
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一年で一番長い日が近づいてまいりました!
5月26日の日本児童文芸家協会の、総会・贈呈式・懇親会です。
総会の前には、「サークル交流会」を開催、
さらにその前にもややこしい会議があるので、
5つのイベントがぎっしりです。
体力を温存しとかないと!

贈呈式は、児童文芸家協会賞、児童文芸新人賞、児童文芸幼年文学賞、
そして児童文化功労賞の4賞を贈呈します。

今年の児童文芸家協会賞は、「ひかりあつめて」
杉本深由起・著 いわさきちひろ・装画 小学館

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これは、詩集です。そして、物語でもあります。
「ことばのチカラでいじめを超える!」とあります。
転校してきた学校には、いじめにあっている女の子がいて、
やがてそのターゲットは主人公に移り――。
柔らかく、まっすぐに芯を突くことばでつづられた詩の数々。
絶望のなかに見出す、小さな希望のひかりが、
ほっかりと胸に染みわたっていきます。
詩集はなかなか商業出版にならない時代に、
この本の存在自体に拍手したくなります。
いじめをめぐる長い物語では重すぎて開けないという人にこそ、
読んで味わっていただきたい作品です。

そして、今年誕生したのが、児童文芸幼年文学賞。
隔年で、優れた幼年童話・絵本に与えられます。
第一回目の受賞作が、「ミルクが、にゅういんしたって?!」
野村一秋・著 ももろ・絵 くもん出版

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ハムスターの死を「入院」といつわる先生。
そう、先生だって、嘘をつく。
この設定、元小学校の教師である作者ならではかもしれません。
それぞれの胸に、いっぱいいっぱいの秘密や心配をかかえる先生と子どもたち。
そこからにじんでくる優しさ。子どもたち、そして先生の心の成長。
質の高い幼年童話とはこういうものなんやなあ・・・。

新人賞はこの2作。
「いくたのこえよみ」堀田けい・著 理論社
「しゅるしゅるぱん」おおぎやなぎちか・著 福音館

この2作、まるでちがう味わいで、どちらもびっくりのおもしろさです。

26日、これらの作品の作者さんが勢ぞろいします。忙しくも楽しみな一日です。 
受賞されたみなさま、おめでとうございます!


にじみ出るもの

  1. 2016/05/02(月) 15:37:45_
  2. 新しいインクの匂い
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 作家さんのお人柄は、どのくらい作品ににじみ出るものなのだろう。
この二冊の新刊、どちらもすごくおもしろくて、
どちらも作者さんのお人柄を感じた作品だ。

『ま~だだよ』 間部香代・作 ひろかわさえこ・絵 すずき出版

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 幼児向け絵本の王道を行くような作品だ。
絵とも素晴らしくよく合っている。
 おかあさんとかくれんぼをしているこぶたくん、
 もぐらくんやかえるさんやりすくんと出会い、
「かくれんぼしよう」とさそうけれど、
「もうすこしねてからね」とか「デザートまでたべおわったらね」。
まずやんわりと待たされるのだ。
すぐに「わーい、やろうやろう」という展開にはならない。
それぞれ、カエルさんにはカエルさんの、
りすさんにはりすさんの生活スタイルがあるのだ。
そこがいいな~。
作者の香代さんは、オシャレ感薫るハイセンスな個性の持ち主。
この愛らしい作品にも、それぞれの「生活スタイルを尊重する」というあたりに、
香代さんの個性、お人柄がにじみでているのはないかな。《けれびあ~ん!》

『めざせスペシャルオリンピックス・世界大会! がんばれ、自閉症の類くん』
   沢田俊子・著 文研出版

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こちらも、王道を行くノンフィクション作品だ。
 自閉症と診断された類くんは、
「大人になっても、知能の社会性も小学校低学年のまま」といわれていたが、
大好きなお友だちとの関わりのなかでどんどん成長し、
とても無理と思われた普通高校への進学をはたす。
そして、乗馬を始め、スペシャルオリンピックス(知的障がい者のためのスポーツ大会)の
世界大会をめざすようになる――といういわば「奇跡の物語」だ。
物語は、たくさんのエピソードが連なっている。
胸が熱くなり涙腺決壊したこと数回、
壮絶ないじめシーンですうっと血の気が引くこと数回。
取材時、類くんやご家族がよくここまで話してくれたもの、と思う。
作者の沢田さんは、きっとたくさんのたくさんの愛をこめて、
類くんやお母さんに会いにいったのだろう。
沢田さんのお人柄が、これだけの取材内容を引き寄せたのは
間違いないだろう。

さて、明日の5月3日から5日まで、
上野で「上野の森 親子フェスト2016」が開催されます。
児童書の出版社70社が出展する、子どもの本のお祭です。
五万冊もの児童書を謝恩価格で販売、講演会や読み聞かせもありますよ。
わたしの所属する日本児童文芸家協会も、
5月4日に出展しまーす! 遊びに来てくださいね!





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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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