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金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

どうぶつの物語に個性がいっぱい

  1. 2018/11/04(日) 16:54:53_
  2. 新しいインクの匂い
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このところ、どうぶつヅイています。
先輩やお友だち作家さんの新作を、
立て続けに読んでみたら、たまたまどうぶつものばかり。
どれも、その作家さんの個性や思いがむんむん。

『こすずめとゆき』 深山さくら 文 黒井 健 絵 佼成出版社

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 はじめて雪を見たこすずめと、かあさんすずめの物語。
 五感をふるわせてくれる美しさです。
 すずめの子になりきって、初めて出会う雪のふしぎさと美しさ、
 かあさんとすごす日々の温かさを味わうことができます。
 小さな命を慈しむ物語や絵本を多数出版されてきた深山さんの、本領発揮。

『ゆうなとスティービー』堀米薫 作 丸山ゆき 絵 ポプラ社

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  ゆうなの家は、牛を飼っています。
あるとき、生まれた子牛の目が見えていないことがわかって――。
命をめぐる絵本です。
 作者の堀米さんも、牛を飼う農家さん。その忙しい家業のかたわら、
農業や東北の地に根差した優れた物語を、何冊も生み出しています。
 
『ぼく、アーサー』井上こみち 文 堀川理万子 絵 アリス館

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 ノンフィクションを題材とした絵本で、
アーサーという盲導犬の「犬生」を感動的に描いています。
筆者は、長年ノンフィクション作家として第一線を走ってこられ、
特に動物ものでは追随を許さない作家さん。
その取材力やこれまで作品にこめてきた思いが、
絵本の形に集大成されています。

『犬の車いす物語』沢田俊子 文 講談社 青い鳥文庫

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 こちらは、中学年向きのノンフィクション物語。
 事故や病気や加齢で、歩けなくなってしまった犬たちのために、
車いすを手作りしているご夫妻。
そして、車いすで「犬生」が激変した犬たちの物語です。
沢田さん、どれだけの熱をこめて取材されたことでしょう。
その「情の濃さ」、熱い思いが伝わってきます。


こうして続けて読むと、それぞれの作家さんが、
これまでの作家人生で培ってきた個性、
それにより集約されてきた「得意分野」が
よーく見えてきます。

そう、この二つを持っているかどうかが、
作品が世に出るか地に埋もれるかどうかの
分かれ道なのかもしれないな。

・・・な~んて、自分はどうよ? とつっこんでみた秋の夜長でした。

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月、あれこれうれしい日

  1. 2018/09/23(日) 11:09:09_
  2. 新しいインクの匂い
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わーい! お友だちのひろいれいこさんの本が、初出版になりました。

『月あかり洋裁店』ひろいれいこ 著 よしざわけいこ 絵 PHP研究所 刊

ひろ

 美しい絵童話です。
「月あかり洋裁店」をひらいたあかりさん。けれども、お客さんの足は遠のくばかり。ある夜、うさぎがやってきて・・・。
低学年の子はもちろん、大人もぐぐっとくる物語です。
そう、今までいっしょけんめい生きてきた人生を、
まるごと包み込んで、胸にあかりを灯してくれるような・・・。
ぜひ、手に取ってごらんください。

わーい! すとうあさえさんの絵本『だんごたべたい おつきさま』おもしろいよ!

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   中谷靖彦 絵 ほるぷ出版
お月見の晩、縁側に供えられたおだんごを見て、お月さまは食べたくなってしまい・・・。
雲とお月さまの連携プレーが楽しくて、
最後の見開きの、ぴっかぴかのお月さまに、思わずほ~~~~っと見惚れました。

月をいえば、もう一つ、わーい!
長い長い間、練習していたピアノ曲『月の光』ドビュッシー 作曲、
昨日ようやく、先生からマルをもらいました。
ええ、ほそぼそとピアノのレッスンを受けていたんです。
で、どれだけ長いことかかったかって? 
驚いてください、丸三年ちょっと!
なんせ、譜読みに一年、指をちゃんと動かすのに一年、
つっかえて手が止まりアタマがホワイトアウトする、が止むまでに一年。
やれやれ、なんというペースか。
でも、この曲、大好きなので、何度引いても厭きるってことがなかったな。
この曲に出会えたことに感謝です。ありがとう、ドビュッシーさん!

外に出たら、空にはこんな月が。あ、これは・・・。

月2

『空がレースにみえるとき』だ!

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『空がレースにみえるとき』
エリノア・ランダー・ホロウィッツ 著 バーバラ・クーニー 絵  ほるぷ出版 刊

月に、レースみたいに薄雲がかかった晩には、ふしぎですてきなことが起こります。
輪になっておどるかわうそ、甘いにおいを放つ草たち・・・。
はっきりとしたストーリーがあるわけではないですが、
バーバラ・クーニーの絵は
さすがに美しく、月あかりが照らす世界を楽しむ本です。

さて、明日は中秋の名月。晴れるといいね。


童話作家・画家 かこまさみさんのこと

  1. 2017/08/12(土) 12:40:36_
  2. 新しいインクの匂い
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友人のかこまさみさんが、数年の闘病のすえに亡くなってから、早や二か月。
かこさんにお目にかかったのは、実は一度だけで、
あとはFacebookや児童文芸家協会のイベントなどのお付き合いだけでした。
でも、長いことお友達でいたような気がします。
そんなふうに感じさせてくださる方だったのですね。

いつでも前向きで明るく、最後まで童話の創作と画を描くことに打ち込まれていました。

かこさんの、ご自分の葬儀のためにご家族に残したメッセージは、
①だれでも 身一つでおこしください。
②野の花のような服装でおこしください。喪服は着なくて良いです。
というものでした。
まるで一編の詩です。ね? 今も、ドライアイの目がうるみます。

そのかこさんの作品が、雑誌に掲載されました。
余命わずかという宣告をされてから、掲載が決まったものです。

「家の光」8月号 「はたけのすもう」 作・かこまさみ 絵・星野イクミ
「ちゃぐりん」9月号 「ゴーゴーミバコ」 かこまさみ 作・絵

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そう、かこさんは、念願の童話作家・画家として亡くなったのです。
残念ながら、雑誌の発刊には間に合いませんでしたが、ゲラは見ることができたそうです。
よかった・・・。

どちらの作品も明るくて元気がよくて楽しくて、
苦しい息の下で推敲し、筆を握られた作品とは思えません。

作家仲間みんなで応援していた「童話作家・画家 かこまさみ」、
あなたのことは、いつまでも忘れないでしょう。
怠け者のわたしを遠くから叱ってくれる人が、また一人増えてしまったのですから・・・。



創作コンクールつばさ賞ってすごい

  1. 2016/10/23(日) 15:47:31_
  2. 新しいインクの匂い
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昨日は、わたしが所属する日本児童文芸家協会主催の
「創作コンクールつばさ賞」の授賞式でした。
わたしは、運営担当者として一日みっちり働いていました。
授賞者のみなさんの晴れやかな笑顔で、エネルギーチャージです
バタバタして当日の写真を撮りそこねましたが、
協会のHPで詳しくアップされていますので、そちらをご覧ください。

このコンクールは、二年に一回開催され、
新人児童書作家の登竜門となっています。
ここからデビューした人の数は両手両足の指を全部使っても足りません。
わたしもその一人です。

さて、次の本の作者さんも、つばさ賞応募作品の単行本化が出発点です。

「仙台真田氏物語 幸村の遺志を守った娘、阿梅」
堀米薫・作 大矢正和・絵 くもん出版

無題

デビュー作「牛太郎、ぼくもやったるぜ!」以来、

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優れた創作やノンフィクション物語を何冊も書いてらっしゃる堀米さん、
今回はなんと時代物語! すごすぎるよ、堀米さん!

真田信繁(雪村)は、大阪城落城のおり、娘の阿梅たちをひそかに逃します。
預けた先は、なんと敵方の武将である、片倉重綱。あの伊達政宗の腹心です。
その幸村の慧眼、
そして阿梅たち弟妹を受け入れた重綱と政宗の心意気と度量の広さに、
ぐっときちゃいました。
阿梅とその弟妹は、仙台で成長し・・・。
これはおもしろい!
どれだけの資料と格闘して、この世界を確立させたことでしょう。
イラストも美しくて、うっとり。

「なかよし おまもり、きいた?」
松井ラフ・作 狩野富貴子・絵 PHP研究所

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デビュー作「白い自転車、おいかけて」後の二作目です。

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一年生になったばかりのみくは、
かれんちゃんと一番の仲良しになりたくてたまりません。
でも、かれんちゃんには、まゆちゃんという仲良しさんがいて・・・・
ラフさんの簡潔でありながらほわっと暖い文章。
子どもの息遣いまで感じさせてくれる絵。
小さな女の子の胸の痛みが、その絵と文からそっと立ち上がってきます。
そうそう、あるよね、こういうこと、こういう思い。

ね、つばさ賞って、すごいでしょ? わたしもがんばれ!



デビューおめでとうございます!

  1. 2016/07/10(日) 10:49:08_
  2. 新しいインクの匂い
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おめでとうございます! デビュー作の二冊をご紹介。

こりゃまた、ユニークな絵物語が登場したもんだ!
この世界の広がりと空気感、タダモノではないぞ。
『せなかのともだち』作・萩原弓佳 絵・洞野志保 PHP研究所

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な~んて、初めて読んだようなことを書きましたが、
実は児童文芸家協会主催の、
2014年「創作コンクールつばさ賞」童話部門の優秀賞受賞作。
同年の雑誌「児童文芸」10、11月号に発表されています。
いやー、おもろい物語が受賞したなあ、さすが「つばさ賞」。
出版化されたらいいなあと願っていたのですが、
ついに出ました! 

うっかりヒツジの背中に転落したハリネズミ、
わが身のハリとヒツジのフワフワの毛がからまって、
どうしても離れられなくなります。けれどもこの二匹、実は性格が悪くて・・・。

ね、すごい設定でしょ。
絵も日本風の愛らしさではないちょっとふしぎなリアルさ、
スロバキア在住の画家さんだそう、なるほどなるほど。
主人公二ひきの目つきといったら、なんてカワイクナイこと。
でも、物語の世界にぴったりはまっています。

『モツ焼きウォーズ ~立花屋の逆襲~』
作・ささきかつお 絵・イシヤマアズサ ポプラ社

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「さすがやなあ、この安定感があり、
かつテンポのいいおもしろさは!」とうなってしまいました。
作者のささきかつおさんは、編集者を経て、ライター、書評家をされている方。
しかも、「第五回ポプラズッコケ文学新人賞受賞作」ですから、
おもしろくないわけがありません。
商店街の存続をかけて、モツ焼き屋の立花屋が
再開発推進派に戦いを挑みます。
タケルはその立花屋の四代目。物語は、立花家のルーツにまで遡り・・・

商店街って、いいよね!
たとえ巨大ショッピングモールがあったとしても、
商店街のない街とは、なんと寂しいものでしょう。
おっちゃんおばちゃんの威勢のいい掛け声は、日本のお宝。
 登下校の見守り役をさりげなくこなし、街の治安にも貢献してくれます。

がんばれ、タケル! さて、商店街は、立花屋の運命は? 
この戦いに勝ち目はあるのか? 

ジャンルも作風もまるで違う二冊のデビュー作、
どっちもたっぷり堪能させていただきました。
萩原さん、ささきさん、おめでとうございます!
ちなみに、ささきさんのお連れ合いは児童書作家のささきありさん。
めおと作家の誕生です。



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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
イラスト:大塩七華
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)『となりの猫又ジュリ』(国土社)『クレオパトラ』(学研プラス)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師

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