金亀苑 金治直美ブログ

児童書を追いかける日々

塩は偉大なり

  1. 2018/02/11(日) 17:37:15_
  2. 金亀のひとりごと
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このごろ使わなくなった調味料に、コンソメの素がある。
スープやシチューの味付けは、塩だけ。

冬の定番&時間がないときによく作るのが、
アイリッシュシチューだ。
井上荒野さんの小説「ベーコン」に出てきたレシピ。

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これは、名前のとおりアイルランドの家庭料理で、羊肉で作るものだが、
うちでは豚バラブロックか、肩ロースブロックで脂身の多いものを使う。
ブロックを三つくらいに切り、
たっぷりの塩と、隠し味にちょっぴりの砂糖をすりこみ、3,4日置く。
今日は忙しいぞーという日に、さっとお肉の塩を洗い流して、
大きめの一口大に切り、
鍋の中へ、どっさりの玉ねぎのざく切りと、
洗ったお米少々ともに、水から1時間以上煮る。
肉が柔らかくなり、お米がトロトロになったら、
じゃがいもと人参を投入。全部が柔らかくなったら、ハイ、もうおしまい。
味付けは、ナシ。黒胡椒をふるくらいだ。
お肉にすりこんだ塩が旨味を引き出すと同時に、スープに塩分が溶け出して、
なんともいえないコクと甘味がじんわり。
脂がとってもいい仕事をしていて、体があったまる。

シチュー


なんたって手間もいらずだ。玉葱をあめ色にしたり、
具材を炒めたりなんて、なにもしなくていい。
本来は、人参は入れず、
じゃがいも煮くずしてスープにとろみをつけるらしいけれど、
わたしはじゃがいもの形があるほうが好きなので、
我が家流にちょっとアレンジして後から鍋に入れ、
とろみはお米さんに担当してもらっている。

ロールキャベツも塩だけだ。ひき肉に多めの塩を入れて練り、
キャベツで包んで二時間煮ると、あら不思議、
やっぱりスープの味付けは不要になる。
コンソメの素を使うよりも数段奥行きのある味だ。

塩ってすごいなあ。

こちらはうちの近所の和菓子屋さんの、塩大福。

塩2

塩気のきいた大福、ではなく、いっさい砂糖を使っていない。
しょっぱいあんこ、はじめはびっくりしたけれど、
二回目で「舌をつかまれた」。
なんともいえない、小豆の滋味。
それを包むお餅部分も、厚くてモチモチ具合がすごくおいしい。

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庶民の口に砂糖が入るようになったのは、江戸時代の中頃だったそうだから、
もともとの大福って、こんな味だったのかもしれないね。

今日のお昼は、これ一個と残り物の肉団子入り野菜スープだった。

塩

こっちはおにぎりがおいしくなる、石垣の塩。ほんのり甘みがあり、使いすぎてもしょっぱくなりにくい。
塩の味って、こんなに豊かだなんて! 

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ほろにがいスイカの思い出

  1. 2018/02/04(日) 16:03:00_
  2. 金亀のひとりごと
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少し前のこと。冷や汗ダラダラのできごとがあった。

都内に用がありスイカカードを使って電車に乗り、新橋駅で降りた。
改札を出ようとしたら、スイカの残高不足で改札バタン。
180円くらいの不足だ。
清算機へ行き、スイカにチャージしようとしたら、さいふの中身は42円! 
ほぼカラッポのさいふで出かけていたとは。
キップを買うのなら、その時点で気がつくのにね。

その日は、ちょっと気の張る集まりがあり、集合時間がせまっている。
(落ち着いて。そうだ、予備のスイカがあるじゃん?)
しかし、機械には二枚目のカードを入れる穴がない! 知らなんだ。
有人改札へ行くしかない。
JRの人に事情を話すと、「現金で清算してください」
しょえー!
「あのあの、文無しなんです」
 なぜか口から出る「文無し」。もしや、人生初の単語かも。
「えっと、なぜスイカで清算できないんですか?」と、わたしは泣きっ面。
「そういう規則でして・・・」
「そこをなんとか、スイカで清算ください!」
「それはできません」
「じゃ、ここからわたしは出られないってこと?」
 そこへ、上司らしき人が登場。
「まあ、いいですよ、スイカで。今回だけは」
 ああ、よかった!
「ちょっと待ってくださいね」と駅員さん。清算窓口には、次々人がやってくるので、
なかなかその手が空かないのだ。
ようやく、人の切れ目に、スイカをピッとやってもらえた。ところが、
「まだ30円足りません」
予備のスイカも、150円くらいしか入ってなかったのか。なんというド貧乏。
でも、30円でよかった! 現金を払って、ようやく改札を出られた。
ところが、目的地へはここから地下鉄だ。
さいふのなかには、12円しかない。
もはやこれまで・・・。 あきらめて帰るか? 欠席の連絡して・・・。
いや、だめだ、帰りたくても12円では、そもそも改札内に入ることもできない。
電話して、今日いっしょに出席する友人に迎えに来てもらうか?
そんな迷惑きわまりない。

 そのとき、はっとひらめいた。
スイカは、デポジット制。
JRにカード本体を返せば、たしか500円戻ってくるはず。
再び改札に行き、「これ返すのでオカネください!」
「あ、ここではできません。外のみどりの窓口へ行って」
みどりの窓口まで走ったよ。ところが、窓口は長蛇の列。
わーん、遅刻だ。でも並ぶしかない・・・。
ジタジタ足踏みして待ち、なんとか500円ゲット!
地下鉄のキップを買い、目的地へ。
五分の遅刻でした・・・。

お金を持たずに出かけたのは、完全にアホやけど、
スイカを返せばオカネが戻ってくることを思い出したのは、
天啓か。窮鼠ネコを噛む? 「貧すれば鈍する」の逆バージョン?
えらかったじゃん、と自分を1%だけほめてやった、という顛末でありました。

  suica.jpg


外出時は、さいふのチェック。そして、
スイカは2枚は使えない。肝に銘じました。

謝礼の出る用件だったので、帰りの交通費は大丈夫でした。ほっ。

一人でいられないのか?

  1. 2018/01/28(日) 17:53:38_
  2. あんな本、こんな本、どんな本?
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「ぼっち」という略語が生まれて、どのくらいたつのかな。
友達のいないサムいやつ、というイメージではあるが
今はちょっと風向きが変わり、
「ぼっち飯」も、若い人のあいだでマイナス印象ばかりではなくなったかもしれない。

オトナに近づいたら、ゴハンくらい一人で食べられなくちゃあね。
実際、一人で食事すると、よーく味わえる。
『孤独のグルメ』の五郎さんのように、『ワカコ酒』のワカコのように、
一人でじっくり料理やお酒と語らい、味わうのって、いいな。

『孤独のグルメ』久住昌之・原作 谷口ジロー・作画 扶桑社
(谷口ジローさん、お亡くなりになって本当に残念です・・・)

グルメ

『ワカコ酒』新久千映・作 徳間書店
ワカコ

飲めないから、お酒中心のお店はいかないけれど、
一人で食事するのは、わりと好き。
でも、となりのテーブルでグループがワイワイやっていたりすると、
ちょっとひるむことも。
そういうときに、思い出すフレーズがある。
「おまえは一人でいられないのか?」

古典名作『バンビ』のなかの一節だ。
 母親の姿が見えなくなり(繁殖期らしい)、泣き泣き探すバンビに、
立派な牡鹿が近づいてきて、こういうのだ。
「おまえは一人でいられないのか?」

『バンビ』は、小学生のころの愛読書だった。
好きすぎて、感想文が書けなかった。
何十年も昔の読書が、思わずところで役に立つなあ。

わたしがかつて読んだのは、高橋健二訳のものでしたが、

             バンビ1
2010年に上田真而子氏の新訳で出版されています。
『バンビ――森の、ある一生の物語 』ザルテン ・作 岩波少年文庫

           
バンビ2

読みやすく、みずみずしい文章で、「読む森林浴」が楽しめます。

どちらも、ディズニーアニメの「バンビ」とは、一味二味違います。




わたしのマトリョーシカ

  1. 2018/01/21(日) 18:57:24_
  2. 未分類
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マトリョーシカという、ロシアの民芸品のお人形がある。
大きいお人形のなかに、一回り小さいお人形、
さらにその中にもう一回り小さいお人形、と入れ子になっているものだ。

息子たちを見ていると、このお人形を思い出す。
似ているわけじゃないのよ。
「入れ子」だからなんだ。

現在の「成人男性」のなかには、
ういういしい会社員一年生の姿がすっぽりかくれていて、
ときおり顔を出す。
その下には大学生が、その下には高校生が・・・というように、
数えきれない「息子」が、マトリョーシカのように入れ子になっていて、
おりにふれて顔を出すのだ。

昨日は、長男の結婚式。

チャペル


こんな姿が見られるなんて・・・。

式

新居に引っ越す前の晩の夕食に、
長男の好物をそろえた。
鶏むね肉で作るウインナシュニッツェル風のフライ、
マッシュルームのクリームスープ、
マカロニサラダ。
ウマイウマイと、びっくりするほどたくさん食べてくれて、
うれしかったよ。

その姿のなかに、豚肉たっぷりの豚汁を
「うますぎる~」とごきげんですすっていた中学生の君が、
さらにそのなかには、大人用のカレー皿で二杯のカレーを平らげて
おなかをさする小学生の君が、
さらに、マカロニサラダのマカロニの穴にお箸をつっこんで
弟といっしょにはしゃいでいた幼稚園児の君が、重なっている。

何百何千というマトリョーシカたち。
おそらく、子どもを育てた人類はみな、男も女も、
こんなふうにマトリョーシカを胸に抱いているのだろう。

それは、長い長い子育て期間を人類に課した神からの、ごほうびかもしれないね。

結婚おめでとう。

緊張で固くなっていた君と、ういういしく愛らしいNちゃんの姿が、。
わたしの一番新しいマトリョーシカ。


それでも冬が好き

  1. 2018/01/14(日) 18:44:35_
  2. 金亀のひとりごと
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寒いよー。

ただでさえ気温が低いこの冬、
我が家はさらに寒いことになってる。
秋に、集合住宅の三階から、同じ集合住宅の一階に引っ越したのだ。
いやはや、一階がこんなに寒いとは。
これまで住んでいた三階は、日当たりがよくあったかだった。
南側のリビングにいるときは、早朝の二時間くらい暖房入れれば、あとは
一日中暖房なしでいられたのだ。
今は、「えっ、朝晩暖房つけなくちゃいられないなんて!」とびっくりする始末。

困ったことに春が待ち遠しい。
いや、別に困らなくてもいいんだけどね。
わたしはずうっと、「冬好き、寒いのが好き」でこの30年過ごしてきたので、
寒いのがキライでは自分のアイデンティティとやらがぐらつく。

そう、寒いときに寒いところへ旅行するのも好きだった。
真冬に、信州やスイス、はてはアラスカに行ったりしていたのだ。
極寒の地に生きる野生動物が好き。
グリーク(ノルウエー)やシベリウス(フィンランド)などの、寒い国の作曲家の音楽も好き。
雪が降ると、子どものころからずっと、テンション上がりまくる。

それが今ではどうよ。朝、布団から出るのにも気合がいる。

それでも、朝の散歩だけは続いている(えらい? ←この程度でほめるな)。
寒いときの楽しみは、富士山と霜柱。

富士山


15分くらい歩くと、住宅街のすきまに小さな富士山が見えるスポットがあるのだ。
晴天の真冬しか見えない、レア富士山だ。
富士山を見ると、ハイになるのは日本人のDNAかなあ。
小さな畑には、シャリっとふめる霜柱もある。


     白菜

 つながれた白菜たち。つないでないと、逃げ出すのかな?

さっさかウオーキングすると、冷たい空気が、気持ちよくなってくる。
やっぱし冬っていいな。シチュー煮たりするの、好きだし。

冬が好きでいられた自分に、ほっ。
わたしは、冬が好きな自分を、けっこう気に入っていたんだな。

そう気がついた、この冬の寒さでありました。

寒くてもアロエのつぼみが大きく育ってきました。 
    アロエ






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プロフィール

金G亀美

Author:金G亀美
かなじ・なおみ 児童書作家 埼玉県在住。
主な著書に『さらば、猫の手』(岩崎書店)『マタギに育てられたクマ』(佼成出版社)『ミクロ家出の夜に』(国土社)『花粉症のない未来のために』『子リスのカリンとキッコ』(佼成出版社)『知里幸恵物語』(PHP研究所)『私が今日も、泳ぐ理由 パラスイマー一ノ瀬メイ』(学研プラス)『となりの猫又ジュリ』(国土社)など。
日本児童文芸家協会会員 
童話サークル「かざぐるま」会員
よみうりカルチャー・大宮教室
「童話を書いて楽しもう」講師
イラスト:なかむらしんいちろう

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